勤め先のカフェは悪の組織支部店です

小夜紅テルン

【第5話】 シャグランのお悩みです。(脚本)

勤め先のカフェは悪の組織支部店です

小夜紅テルン

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〇シックなカフェ
  前回までのあらすじ
  悪の組織に連れ去られた先でカフェを開いた修と結葉。開店初日のカフェは大繁盛。
  幹部でありコーヒー好きのシャグランにも気に入られ、順風満帆である。

〇闇カジノ
  しかしその裏では少年幹部であるボーダムがカフェに対して複雑な感情を抱いていた。

〇見晴らしのいい公園
  宮ヶ峰市にて
エルピス・キング「くっ、皆から『楽しい』の感情を奪うなんて許さないぞ!!」
エルピス・ナイト「ああ、お前のやっていることは大きな間違いだ!!」
  エルピスレンジャーと悪の組織エモーショスは今日も戦いを繰り広げていた。
ボーダム「何なの?皆して楽しい楽しいってさ そんなにオレを楽しませられるもんなら 楽しませてみなよ」
ボーダム「やっちゃえ、バッドエモーター」
バッドエモーター「グオオオオオ!!!!」
エルピス・キング「っ!!」
エルピス・ナイト「キング、何だかあいつは八つ当たりをしているように見えるぞ まるで自分の理解出来ない物を許容したくないような、そんな気が」
エルピス・キング「八つ当たり?」
エルピス・ナイト「ああ、こいつは精神的に幼い だから八つ当たりをするしかできないんだろう」
ボーダム「馬鹿にしないでくれるかな!? オレだって人並みに感情を理解できるし!!」
ボーダム「イライラする!!ちゃっちゃと始末してよ!!」
バッドエモーター「グオオオオオアアアアア!!」
エルピス・キング「うわわわわわ!?」
エルピス・ナイト「落ち着け、キング!!あいつはめちゃくちゃに暴れているだけで隙だらけだ!!」
エルピス・キング「そうなのか!?」
エルピス・ナイト「そうだ!!」
エルピス・キング「なら話は早い!!行くぞー!!」
エルピス・キング「希望の喜びが世界を救う!! ホープフル・バースト!!!!」
バッドエモーター「ギャアアアア!!」
ボーダム「・・・・・・っ つまんない奴らめ・・・!!」
エルピス・キング「大勝利だな!!」
エルピス・ナイト「ああ、だが・・・ あいつ、何だかいつもよりイライラしてたな 何かあったのか?」
エルピス・キング「俺は分からないが?」
エルピス・ナイト「お前に聞いてない」

〇シックなカフェ
  一方、カフェでは。
シャグラン「・・・・・・はぁ・・・・・・」
甘咲 結葉「お待たせしました、ブルーマウンテンのブラックです!!」
甘咲 結葉「・・・って、何か落ち込んでます?」
シャグラン「ああ、実は同じ幹部のボーダムを怒らせてしまってな」
甘咲 結葉「ボーダム・・・さん?」
シャグラン「まだ幼い子供でな、私とは元々家が近く共に遊んでいた仲なんだ 天才肌で何でも卒なくこなすので、常に退屈しているのだ」
シャグラン「そのボーダムに昨日遊べと言われたのだが、私はそれを断ってしまって その前も出撃や仕事で遊べなくてな・・・」
シャグラン「昨日とうとうボーダムに言われてしまってな」
甘咲 結葉「何て、ですか?」
シャグラン「要約すると 『仕事とオレ、どっちが大事なの』」
甘咲 結葉「あー・・・ 面倒くさい質問ですね」
シャグラン「あと、『カフェに行くよりオレと遊んで』とも言われたな」
甘咲 結葉「カフェの事も!?」
シャグラン「・・・ああ 構ってほしいのだろうが、カフェに行きたいのもある」
シャグラン「結局今日はボーダムが出撃なのもあってこうしてカフェにいるのだが・・・」
シャグラン「どうにかしてボーダムに楽しさをわかってもらう事は出来ないだろうか」
甘咲 結葉「では、まずボーダムさんを連れてきてみては? それでカフェがどういうところか理解してもらえるかもしれませんし」
甘咲 結葉「もしかしたら楽しさも分かってもらえるかもしれません!!」
シャグラン「そうだな、ボーダムはカフェに行ったこともなさそうだし この機会に連れてきてみよう」
シャグラン「ありがとう、ブルーマウンテンも美味しかったぞ」
甘咲 結葉「あ、お会計お願いします!! 450円です!!」
シャグラン「あぁ、クレジットカードで」
甘咲 結葉「はーい!! ここに差し込んで下さい!!」
  ピロンッ
甘咲 結葉「ありがとうございました!!」
シャグラン「ああ、また来よう」

〇洋館の廊下
シャグラン(・・・ボーダムも一緒に、か そんなのはいつ以来だろう)
シャグラン(気付けば二人で何処かに行くということも少なくなっていたな)
ボーダム「・・・ただいま」
シャグラン「む、帰ったか」
ボーダム「今回も駄目だったよ 全然楽しくなかった」
シャグラン「楽しくなかった、か なら明日は一緒にカフェに行こうか」
ボーダム「カフェってこの前できた? なんで?」
シャグラン「お前にもカフェの楽しさを理解してほしいのだ 無理にとは言わないが、どうだ」
ボーダム「・・・ま、いいけど」
ボーダム「オレ的には遊んでくれるだけでいいんだ 何目的だろうと構わないよ」
シャグラン「本当か・・・!! なら、明日の朝に遊戯室で待ち合わせだ」
ボーダム「・・・はいよ」
シャグラン「・・・行ってしまった」
シャグラン「だが、これで誘うことはできた 後は何とかして楽しさを理解してもらわなければ・・・」
  シャグランは自分の部屋に向かい歩き出した。
コレール「・・・・・・・・・・・・」
  その様子を、コレールは微笑ましいような心配なような目で見つめるのであった
  続く

次のエピソード:【第6話】 ボーダムの来店です。

コメント

  • カフェに興味のない人を連れて行って楽しんでもらう、現実でも結構ハードルが高いですよね……。結葉さんやシャグランさんは、一体どのようにカフェの魅力を伝えるのか、楽しみです!

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