断罪対象である妹を助けたら百合と薔薇が咲いたっぽい

隍沸喰(隍沸かゆ/おかゆ喰)

17話 追放された人たちのために(脚本)

断罪対象である妹を助けたら百合と薔薇が咲いたっぽい

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〇洋館の廊下
ビャラム・ヨイワーン・テルヌンド「この部屋に帝国の特級騎士がいるんだな!? どんな奴か確かめてやる!!」
テツナ・テカ「ぷっくく・・・面白くなってきた」
ビャラム・ヨイワーン・テルヌンド「帝国の特級騎士”ルゥラッハ・オル・レバノスタン”!! 俺はこの国の王、ビャラム・ヨイワーン・テルヌンドだああああ!!」

〇王宮の広間
ビャラム・ヨイワーン・テルヌンド「今までどこで何をしていた!! 魔物の肉など運び込んで、何を企んでいる!!」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「あむっ! もぐもぐ・・・」
ビャラム・ヨイワーン・テルヌンド「・・・・・・」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「ん〜うまい! やっぱりフィレは違うなぁ」
ビャラム・ヨイワーン・テルヌンド「な──なあああ!?」
ビャラム・ヨイワーン・テルヌンド「なななな、なぜここにお前が──!?」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「えっと・・・貴方はさっきの・・・」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「どちらさまでしょうか?」
ビャラム・ヨイワーン・テルヌンド「なぜお前がここに? この部屋には”ルゥラッハ・オル・レバノスタン”がいるはずだろう!?」
ビャラム・ヨイワーン・テルヌンド「誰だ部屋を間違えて教えたのは・・・!!」
テツナ・テカ「あっは!! あっはは! あっはははははは・・・っ!」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「あの、ルゥラッハ・オル・レバノスタンは俺ですけど。何か用ですか?」
ビャラム・ヨイワーン・テルヌンド「・・・・・・」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「・・・食事が終わったから、今から王さまに会いに行かなきゃならないんですけど」
ビャラム・ヨイワーン・テルヌンド「お前が、”ルゥラッハ・オル・レバノスタン”・・・?」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「はい。そうです」
ビャラム・ヨイワーン・テルヌンド「・・・・・・」
テツナ・テカ「帝国の特級騎士さま〜こいつは”ビャラム・ヨイワーン・テルヌンド” 国王だ」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「え・・・」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン(さ、さっき俺この人を”からあげ”だと思って抱き付かなかったか〜!?)
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「あ・・・う、先ほどは失礼いたしました。お腹が空いて・・・からあげしか見えてなくて」
テツナ・テカ「だ──ッはははははははっ!! あはははははっ、あはは、あははははははっ・・・!!」
テツナ・テカ「からあげ、からあげにしか見えてないんだってよ、お前・・・! 何が運命だよウケる──!! あははははっ!」
ビャラム・ヨイワーン・テルヌンド「テえええええツうううううナああああああああ!!」
テツナ・テカ「あひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! ぶっふぅふ、うっく・・・! くぁ・・・! ──だ、だめだ、あはははははは!!」
ビャラム・ヨイワーン・テルヌンド「貴様あああああッ!!」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「あ、あのぉ・・・」
ビャラム・ヨイワーン・テルヌンド「じゅ、準備ができたら近くの兵士に声をかけろ。案内させる」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「・・・あ、はい。わかりました」
ビャラム・ヨイワーン・テルヌンド「テツナお前はついて来いッ!!」
テツナ・テカ「わ、悪かったって・・・もう笑わないからさぁぁ・・・!!」
ビャラム・ヨイワーン・テルヌンド「来るよな!?」
テツナ・テカ「い、行く行く・・・」
テツナ・テカ「ガチギレじゃ〜ん・・・」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「エレエレ・・・王さま怖い人かも。どうしよう」
テツナ・テカ「また後でな、ルゥラッハさま〜」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン(・・・すごくかっこいい人だったけど、あの人は誰なんだろう?)

〇黒

〇洋館の廊下
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「エレエレ、普通のお肉も届いてるんだよな?」
エレエレ・テンテンポム「はい」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「王さまに渡すから持って行こう」
エレエレ・テンテンポム「ああ、例の手土産だったんですね。取ってまいりますので少々お待ちください」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン(ちょっとだけこの辺を探検してみようかな)

〇洋館のバルコニー
ルゥラッハ・オル・レバノスタン(ここは・・・)
ルゥラッハ・オル・レバノスタン(誰か来る?)
ルゥラッハ・オル・レバノスタン(この人は誰なんだろう? さっきの”テツナ”って言う人と似た格好だけど・・・)
フィガロ・パズテカ「・・・ルゥラッハ・オル・レバノスタンか」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「そうですが、あなたは?」
フィガロ・パズテカ「汚れた魔物の肉を好んで食らう・・・稀だがこの世界ならそんな者もいるだろう」
フィガロ・パズテカ「だが我らはそのようなものを口にはしない 汚れた者が、テツナに近寄るな」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「”この世界”と言ったか?」
フィガロ・パズテカ「・・・それが何だ?」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「”魔物が溢れている世界で、魔物の肉を喰らう者もいるだろう” 貴方はそう言いたかったんだよな? なら、分かるはずだ」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「普通の動物たちは魔物に食われて、周辺に魔物しかいない国や地域も存在する」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「老人になるまで魔物の肉しか知らない人もいる、魔物の肉でも食べないと生きていけない人もいる」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「その人たちが”汚れている”と言う資格が貴方にあるのか?」
フィガロ・パズテカ「資格ならある。我々は、”神の子孫”だからな」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「・・・我々?」
フィガロ・パズテカ「俺たちの国、”テカ”には神の子孫しか存在しない。一族の誰かが汚れれば汚れが全体に広がる。だから汚れた者は追放する」
フィガロ・パズテカ「お前がテツナに汚れをうつせば、追放することになるから忠告している」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「その、”テカ”の国の人々が全員汚れた場合、何が起こるんだ?」
フィガロ・パズテカ「我々の神聖な力が失われ、世界に魔物が溢れかえるだろう」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「神聖な力って? 失った人がいたのか? そして追放した?」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン(未知の小国”テカ”、漫画でもその場所は明らかにならなかった。彼らは汚れを恐れて外界の人々と関わらない)
ルゥラッハ・オル・レバノスタン(漫画には魔物からの傷を受けたことで、テカから追放されたキャラクターが登場する)
ルゥラッハ・オル・レバノスタン(一時的に悪役令嬢と協力することになるキャラクターだ。彼女は神聖な力を失っていなかった)
ルゥラッハ・オル・レバノスタン(最後の力を振り絞って、悪役令嬢を魔物から守り死亡する。テカを知らない人々は彼女の神聖な力を恐れた)
ルゥラッハ・オル・レバノスタン(身分を持たない彼女は食事も取れない状況だったし、テカの通貨は知らない者が多く、碌な治療も受けられなかった)
ルゥラッハ・オル・レバノスタン(悪役令嬢が弱った彼女を発見した時にはもう、服もボロボロで、体も痩せ細って骨と皮だけみたいになっていた・・・)
ルゥラッハ・オル・レバノスタン(ただでさえ弱った体に、痛々しい大きな傷に苦しめられ、そこから魔物の毒も広がった・・・既に助ける方法はなかった)
フィガロ・パズテカ「黙り込んだと思ったら、なぜ泣き出したんだ?」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「・・・質問に答えてくれ」
フィガロ・パズテカ「神聖な力を失ったかどうか、確認することなどない」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「追い出した人たちはどうなったんだ・・・?」
フィガロ・パズテカ「・・・何が言いたい」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「力を失ったのかどうかも確認せず、汚れたと判断して国を追い出した。他の国にその人たちの身分はない」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「・・・生きていたとしても、苦しんでいることは確かだ」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「そんなことも分からないのか?」
フィガロ・パズテカ「・・・そうだとしても、我々の国や追放した者たちを知らないお前がなぜ泣くのかが理解できない」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「・・・ごめんなさい」
フィガロ・パズテカ「なぜ謝る?」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「貴方が言ったんじゃないか。何も知らない俺が泣くことはおかしい」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「貴方が泣くべきだ」
フィガロ・パズテカ「理解できん・・・」
テツナ・テカ「・・・・・・」
フィガロ・パズテカ「テツナ、いつからそこにいた?」
テツナ・テカ「なかなかルゥラッハさまが来ないから、迎えに来ただけだ。王さまが首を長くして待ってるぞ」
テツナ・テカ「ほら、泣くなよ」
テツナ・テカ「お前が泣く必要はないんだろ? アイツが泣かなくても、俺が泣くからさ」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「ありがとう」
テツナ・テカ「お礼を言われるようなことはしてきてないんだけど・・・」
テツナ・テカ「とりあえず、行こうぜ」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン(な、なんでお姫さまだっこ!?)
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「お、下ろしてくれ──俺がこんなことされて喜ぶ人はいないと思うし──!?」
テツナ・テカ「何言ってんだ? お前がうろちょろするのが悪いんだろ。このまま運ばれろ」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「え、こ、このまま!? ちょ──ま、待ってくれっ・・・!」
テツナ・テカ「待たない〜」
フィガロ・パズテカ「・・・・・・」
フィガロ・パズテカ「俺が・・・泣くべき・・・ ・・・理解できない」

次のエピソード:18話 後悔と嫌悪

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