上司さんと部下ちゃん(屍鬼もいます)

内田 今日―

エピソード11 部下ちゃんは勝負に出るようです(脚本)

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〇個別オフィス
  53調査チームのお昼休み
  守信寺さんは一人で
  食事をとっています
守信寺さん「・・・(さすがに飽きるなあ)」
  「守信寺さんは医療チームの治験者で
  効果測定のため作業をしている」
  という建前のため
  お給料はとても少ないのです
守信寺さん「あ、いけない お昼が終わる前に お化粧を直さないと」
部下ちゃん「・・・」
  そんなある日
部下ちゃん「何ぞこれ? 上司さん知ってる?」
上司さん「ああ 社内カフェ主催の将棋大会ですね」
部下ちゃん「カフェと将棋って コーヒーとおにぎりみたいに 無理有るんですけど」
上司さん「何、要するに 社内カフェの店長さんが将棋好き なんですよ」
部下ちゃん「なーんだ 「店長さんの将棋強えー自慢」 ってことっすね ハイ! 興味消えた!」
上司さん「実際強いですからね へぼ将棋の私と違って アマ三段ですよ!」
上司さん「当然、負けないと思っているから 商品は奮発して」
上司さん「社内カフェで1年食べ放題だそうですよ」
部下ちゃん「何ですと」
上司さん「1年間の社内カフェ食べ放題です」
部下ちゃん「良しやる! 上司さん、あたし参加できますか?」
上司さん「え、できますけど カフェは社割で食べられるでしょ?」
部下ちゃん「そんなの関係ねー! やるって言ったらやるの!」
上司さん「はいはい、分かりました (止めても無駄ですね)」
守信寺さん「部下ちゃん どうして急にやる気になったの?」
部下ちゃん「もちろん勝って商品をゲットだぜ!」
守信寺さん「はあ (あんまり答えになっていない気が)」
部下ちゃん「商品は守信寺さんにあげるからさ お昼は一緒に食べよーねー💗」
守信寺さん「え? (・・・私のために)」
守信寺さん「すごく嬉しいです」
守信寺さん「ところで部下ちゃん 将棋できるんですか?」
部下ちゃん「出来ません(キッパリ)」
守信寺さん「いや、さすがにそれは・・・」
部下ちゃん「これなーんだ?」
守信寺さん「それは テレパシー実験の腕輪」
部下ちゃん「にゃはは」
  果たして
  将棋大会の結果は

〇テーブル席
社員「53調査チームの子は 勝てないだろうね 初戦で敗退まちがい無し」
社員「相手は前回の準優勝者だからね」
大会参加者「よろしく」
部下ちゃん「お願いします おっとその前に」
  部下ちゃんはこれ見よがしに
  スマホをテーブルの脇に
  置いたのです
大会参加者「・・・(どういうことかしら?)」
部下ちゃん「改めまして お願いします」
大会参加者「こちらこそ」
大会参加者「・・・(まあアマ初段持ちなんで勝って 当然ですけど)」
部下ちゃん「ここだ」
大会参加者「え? 何、その手?」
部下ちゃん「ほい」
大会参加者「ウソよ! わたし詰んでる!」
部下ちゃん「さーせん 勝たせていただきました」
大会参加者「・・・(スマホはテーブルの上     イカサマは無さそうね)」
大会参加者「参りました」
  いきなり
  将棋アマ初段を破ってしまった
  部下ちゃん
  その裏では

〇清潔なトイレ
守信寺さん「まずは腕輪をはめる」
守信寺さん「・・・(部下ちゃん、相手の手を教えて)」
守信寺さん「なるほど 次にスマホで打ち手をAIに聞く」
守信寺さん「7六歩ね 良し」
守信寺さん「結構疲れますねこれ」

〇テーブル席
社員「53調査チームの子 連勝だよ 優勝するかも」
部下ちゃん「にゃはは」

〇施設のトイレ
  一方そのころ
  男性トイレでは・・・
上司さん「やれやれ この年になるとトイレが近くて ん?」
「部下ちゃん 3四歩よ」
上司さん「はて?」
「取られていいの で3三桂 ふう、テレパシーって疲れます」
上司さん「・・・」
上司さん「・・・」
  どうやら上司さんは
  気が付いたようです
上司さん「そういうことですか!」

〇テーブル席
部下ちゃん「ルンルン♪ (バレなきゃイカサマじゃないでーす)」
社員「なんか 参加者の変更があるってさ」
部下ちゃん「全然問題ナッシング!」
部下ちゃん「無敵は素敵 立ちふさがる相手は 誰もいませーん!」
「いるさ! ここに一人 でしたっけ?」
部下ちゃん「はあ?」
上司さん「バレたら イカサマですよ 部下ちゃん!」
部下ちゃん「ゲッ!」
上司さん「守信寺さん 今すぐカフェに来てください 「今・す・ぐ」ですよ!」
守信寺さん「・・・」
上司さん「やっつけてやるぜ 部下ちゃん」
  守信寺さんを使った
  イカサマを封じられた
  部下ちゃん
  こうなると
  へぼ将棋の上司さんにさえ
  歯が立ちません
上司さん「王手!」
部下ちゃん「参りました」
部下ちゃん「守信寺さん ゴメン 駄目だったよ」
上司さん「理由はともあれ インチキはダメです 二人とも罰を与えます」
  二人は
  空いた時間にカフェで
  働かされることになりました

〇テーブル席
部下ちゃん「こ、このスカートの短さは」
部下ちゃん「いわゆるひとつの ご奉仕って奴っすか(涙)」
守信寺さん「て、照れくさいですね」
  可哀そうな二人の思いとは関係なく
  カフェの売上は倍増しました

〇個別オフィス
上司さん「お、来てますね」
  「治験者:守信寺 幽
   報酬上乗せの件
  稟議の結果。承認します」
  以上
上司さん「よしよし」
上司さん「それはそれ これはこれですよ」
  上司さんは思いました
  「定年退職まで後5年
  みんな気持ちよく働けるといいですね」
  
  おしまい

次のエピソード:エピソード12 ニワトリさんと上司さん

コメント

  • 今回はだいぶ平和だったのに、
    上司さんはヤッパリそうなる運命なのか……

  • これは時事ネタ!現実より巧妙(?)な手口でww
    部下ちゃんと守信寺さんさんのメイド姿、これはアリですね!社内カフェということで見知った人達にジロジロ見られたことでしょうね

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