自己否定女子のクリスマス事件

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〇教室
市田(やばいめっちゃトイレ行きたい...)
市田(走ってトイレ行ったら絶対浮くよな・・・ 慎重に行かないと・・・)
  今日は高校生にとっての一大イベント、
  「クリスマス」にも関わらず市田は
   他のことばかり考えていた。
さや「市田おはよー!! え、めっちゃ顔色悪いけど大丈夫?!」
市田「うん!大丈夫! (嘘嘘嘘嘘お願いだからトイレ行かせてくれ!!)」
おっくん「市田冷や汗やばいよwww」
市田(心配する気ゼロかこいつは)
さや「とりあえず保健室行かないと! おっくんも市田に肩貸して!」
市田(さやナイス! でも体調悪いわけじゃなくて・・・)
市田(いや、 保健室に行くと称してトイレ行くか!!)
市田「ちょっとしんどいかも・・・」
さや「ちょ!熱めっちゃあるじゃん!」
おっくん「俺が市田を連れていくから さやは先生呼んできてくれ!」
さや「分かった!」
市田(いや熱無いし・・・ 人気者に運ばれるのはモブキャラ的にマズイからやめてくれ...)
おっくん「市田行くぞ!」
市田「はぁ...」

〇警察署の医務室
野沢先生「トイレは我慢してはいけません! わかりましたか!!!」
市田「すみません...」
イケメン「先生、相談があるんですが今よろしいでしょうか」
野沢先生「いいけど、またクリスマス一人ぼっちで寂しいなんていうしょーもない相談しに来たなら帰ってね?」
イケメン「ええ...」
野沢先生「丁度いいじゃない、 市田さんとデートしてきたら?」
市田(いや!思春期高校生の気持ち考えろよ! ちょっと行きたいけどな!)
イケメン「いい加減にしてください! 僕は先生とデートに行きたいんです!!!」
野沢先生「ええ...そんな...///」
市田(え、私ダシにされた...?)
おっくん「市田大丈夫か?」
野沢先生「市田さんはもう帰ったわよ」
おっくん「まじかよ...」

〇教室
市田「ほんとに今日はついてない日だよ...」
おっくん「何かあったのか?」
市田「クリスマスなのに暇すぎて泣いてる」
おっくん「市田が彼氏出来るわけないだろ」
市田(こいつ何言ってもいいと思ってやがるな)
おっくん「今日の夜、暇?」
市田「おい話聞いてたか」
おっくん「暇ならさ、俺とクリスマスデートしない?」
市田「いやいやいや急展開すぎでしょ!!」
市田「私がモブキャラだからってそんな適当な...」
  約5分間の沈黙が流れる・・・
市田「え、ちょっと、助けてぇーーー!!!」

〇高い屋上
市田「はぁ...はぁ...はぁ... 逃げちゃった...」
「お聞きなさい....!そこのモブ女...!」
市田「とうとう天の声来ちゃったよ」
「拗らせ喪女の市田よ...! なぜ彼の誘いを断ったのだ...!」
市田「いや普通に急展開すぎるでしょ」
市田「もうちょっとやり方あったじゃん!」
「じゃあもう何もしないさ... 便秘にしたりイケメンと出会わせたり頑張ったのに...」
市田「お前のせいかよ」

〇学校の屋上
おっくん「はぁ...はぁ... 何も逃げることないだろ....」
市田「ごめん、取り乱しすぎた...」
おっくん「俺こそごめん、ちゃんと告白するべきだったよな」
市田「いや違う違う違う違う。 私みたいなモブは人気者と付き合うとかそういうのダメだから」
おっくん「モブだから恋愛したらダメなんてルールないだろ」
市田「いやある。私の国では禁止しています!」
おっくん「意味わからんことを言うな。 俺はてっきり、いい感じの雰囲気になってるかと思ってた」
市田「それ直接本人に言うやつじゃないだろ。男子同士で恋バナする時に言うやつだろ」
おっくん「俺は市田が好きだー!!!」
市田「青春みたいなことするんじゃねぇーー!!!!」
市田「ていうか告白の時も市田呼びかよ・・・」
おっくん「市田は自分のこと卑下しすぎなんだよ」
市田(何も覚えてないからこんなことが言えるんだなこいつは...)
おっくん「俺の事どう思ってる? 嫌い?好き?」
市田「友達にその二択で嫌いっていう可能性ないだろ」
おっくん「ならデートしてくれてもいいじゃん!!」
市田「理論が酷いな」
市田「とりあえずお前はデートする相手が居たらそれでいいんだろ?なら私は行けないよ」
市田「とりあえずの彼女、とりあえずの彼氏が居たらそれでいいんだろ。私はそういうので振られたりするのはごめんだよ」
おっくん「・・・」
市田「・・・図星かよ」
市田「ほんとに図星なのかよ!!ばーか!!」
おっくん「・・・好きなのは本当」
市田「言いたいことはそれだけ?」
おっくん「とりあえず市田の家で待ち合わせね」
市田「なんであんなに自信あるんだよ...」

〇一戸建て
おっくん(来ない可能性も十分あるよな...何てこと言っちゃったんだ俺...)
  ガチャッ...
おっくん「あっ...」
市田「あっ...」
おっくん「あの、OKってことでいいですか...?」
市田(私みたいなやつが人気者を振ったら処刑されるだろ....)
おっくん「嬉しい...」
市田「イルミネーションでも見に行くか」
おっくん「そうしたいんだけど、俺門限7時までなんだよね。ごめん、帰るわ」
市田「はぁ!?!」
おっくん「愛してる♡」
市田「ふざけんなー!!!!! 付き合わねぇよこのアホ!!!」

〇イルミネーションのある通り
市田「結局1人かよ.... まあ私がリア充になれる訳ないか...」
市田(え、あの時のイケメンと野沢先生!?!)
市田(本当にデートしたのか...)
市田(羨ましくなんかない... 羨ましくない!羨ましくない!)
市田「羨ましくなんかないからぁーー!!!」
  市田の叫びは、
  聖夜のリア充たちには聞こえなかったらしい・・・

コメント

  • 本当にモブ道を極めてますね!
    でも、モブも幸せになってもいいと思いますよ。
    それにしても「門限7時」は早すぎるんじゃないかと思いました!笑

  • クリスマスは恋人たちの聖夜ですね。彼氏や彼女がいない人は頑張りましょう。それにしても、モブ女がどんな人なのか少しわかりました。

  • わけわからんけどおもしろい♪テンポもよくて好き♪2択でせまるとことか、誘っておいて門限あるとことか思わず読みながらこっちもつっこみたくなるくすっと笑える場面多し。

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