〇おしゃれなレストラン
椎子（しいこ）「念のため確認していい？」
泥子（でいこ）「何？」
椎子（しいこ）「今日は 目賀銀行さんとの合コンだよね？」
泥子（でいこ）「そうだけど？」
椎子（しいこ）「何でそんな格好なの？」
泥子（でいこ）「戦闘服に着替えてこいって言ったじゃん」
椎子（しいこ）「合コンの戦闘服って そ～いう意味じゃねーよ！」
泥子（でいこ）「んー、だけど 今日の助っ人はもっと凄いよ？」
椎子（しいこ）「恋愛経験はないのに合コン最強って 言われてる総務部の人・・・だっけ？」
泥子（でいこ）「そうそう」
椎子（しいこ）「ちょっと意味わかんないんだケド」
泥子（でいこ）「あのお方はマジ気合入ってっから」
レオパル子「ごめん、待った？」
泥子（でいこ）「アタシらも来たばっかですよ」
レオパル子「よかった～」
レオパル子「泥子が戦闘モードで来いっていうから 迷彩塗装してたら遅くなっちゃって」
泥子（でいこ）「気合入ってますねー」
椎子（しいこ）「えーと」
椎子（しいこ）「あなたが合コン最強って噂の？」
レオパル子「やだ、最強だなんて」
泥子（でいこ）「先輩、『謙虚も過ぎれば傲慢になる』ッスよ」
レオパル子「ん、もう・・・」
椎子（しいこ）（でもこの二人 引き立て役としてはいいかもね）
レオパル子「あら、男性３人が近づいて来たわよ」
レオパル子「距離、200」
泥子（でいこ）「先輩のセンサー、パねえっすねえ」
銀次「現着！」
行雄「遅参、ご無礼！」
椎子（しいこ）「え、自衛た・・・」
椎子（しいこ）「いぃ・・・!?」
員太「すみません、電車が遅れてまして」
泥子（でいこ）「おお、クラシックな装いですね」
員太「今日の会場は 落ち着いた店と聞いておりましたので」
員太「そちらの方も素敵な服装ですね」
員太「無学で恐縮ですがその装い」
員太「どちらの軍のオフィサーですか？」
椎子（しいこ）「ま、丸の内のオフィサー・・・？ ですかね」
銀次「本日はよろしくお願いいたします！」
レオパル子「よろしく、おねがいします」
銀次「あ、貴女の主砲！」
行雄「55口径ですよね？」
レオパル子「え？よく分かりますね」
銀次「そりゃ分かりますよ」
行雄「貫通力が高そうだ」
椎子（しいこ）「あの・・・ 皆さん銀行の方ですよね？」
員太「それ以外に見えます？」
椎子（しいこ）「それ以外にしか見えないですね」
銀次「今日は素敵な方ばかりと聞いてましたので」
銀次「気合の入った戦闘服で来なければ失礼かと」
椎子（しいこ）「は、はあ・・・」
椎子（しいこ）（ん？アタシの方がおかしいの？）
泥子（でいこ）「とりあえずビールでいいッスか？」
レオパル子「あ、アタシは」
泥子（でいこ）「軽油ッスよね」
銀次「気が利く人って素敵だなあ」
レオパル子「そうなんです 泥子ちゃんは凄くいい娘なんですよ」
椎子（しいこ）「何でみんな普通に馴染んでるの？」
　　２時間後
泥子（でいこ）「盛り上がってるとこスミマセン」
泥子（でいこ）「そろそろお開きでス」
員太「えっ、もう？」
行雄「楽しい時間はあっという間ですね」
員太「よろしければ２軒目どうですか？」
行雄「自分、いい店知ってるんです」
椎子（しいこ）「行っちゃいましたね」
泥子（でいこ）「戦車が嫌いな男の人はいないからね〜」
泥子（でいこ）「でも付き合うとこまでは行かないんだよ」
泥子（でいこ）「並の男には」
泥子（でいこ）「パル子さんは重すぎるんだろうね」
椎子（しいこ）（え、それは物理的な話？）
銀次「自分もパル子さんは素敵だと思いますが」
銀次「彼女は自分には大きすぎる気がして」
椎子（しいこ）（え、それも物理的な話？）
泥子（でいこ）「何よ〜 アタシで妥協してんじゃないでしょうね」
銀次「違いますよ」
泥子（でいこ）「んじゃ、アタシんちで飲みなおすか？」
銀次「いいですね～」
椎子（しいこ）「あれで電車、乗るんだ」
椎子（しいこ）「・・・酒買って帰るか」
　　ＥＮＤ