〇本棚のある部屋
オタク「っしゃあ!!明日から連休だ!!」
オタク「遊んで遊んで遊ぶぞ!!ゲームして、映画見て、それで・・・」
オタク「・・・・・・」
オタク「・・・・・・」
オタク「・・・・・・もしもし？」
上司「おうオタクか!!突然だが休みは無くなった!!」
オタク「・・・・・・はい？」
上司「だから、休みは無くなった!!急な仕事が入ったからな!!明日も明後日も、連休中は全て出勤にする!!」
オタク「えっ・・・でも予定が・・・」
上司「予定つっても一人で遊ぶだけだろ？だったら働けるな!!」
オタク「そんな・・・というか、仕事はもう全部片付けたって言ったじゃないですか」
オタク「急な仕事なんてどこから入ったんですか」
上司「そんなもん、俺が仕事を取ってきてやったからに決まってるだろ!!がはは!!」
オタク「・・・・・・・・・・・・」
上司「それじゃあ明日も来いよ!!」
オタク「・・・・・・・・・・・・」

〇駅のホーム
　　・・・翌日
オタク「・・・・・・・・・」
オタク「本来なら今頃ブリッツマンユニバース見てた頃なんだけどな・・・」
オタク「予約席だったから高いキャンセル料払って、中々席も取れない映画を諦めて、つまらない仕事をしに行く・・・」
オタク「・・・・・・なんなんだよ、もう」
オタク「・・・なんだ？祭ばやし？」
オタク「ち、違う!!これは・・・!!」

〇空
「か、怪獣だーーー!!!!」

〇駅のホーム
オタク「な、なんだアレは・・・!?」
「あれは、休日出勤怪獣です」
オタク「え・・・誰君たち」
「私達はピーナッツの妖精」
オタク「ピーナッツの妖精って何・・・・・・!?」
オタク「じゃなくて、君らはあの怪獣について知ってるの!?」
妖精「あの怪獣は、連休を返上させられて働かされる人々の怨念から生まれました」
妖精「苦しみを美徳とし、弱い立場の人々を正義を振りかざして苦しめる世間への怒り、それがあの怪獣なのです!!」
オタク「さ、流石は怪獣モノ、社会派な内容だ・・・」
オタク「・・・・・・待てよ？」
オタク「つまりあの怪獣の目的は・・・」
「はい、会社を休みにして連休を取り戻す事です」
「そのためにいい感じの塩梅で暴れて、会社を休みにせざるを得ない状況を作ろうとしているんです」
オタク「そりゃあいい・・・!!」
オタク「がんばれ怪獣ーーー!!!!連休を取り戻してくれーー!!!!」

〇空
「待てッ!!!!!!」

〇オフィスのフロア
上司「社会のために身を粉にして働こうとしている俺達の正義の邪魔はさせんぞ!!!!」
「うおおおおおおお!!!!!!」
「ノルマ!!残業!!酒にタバコ!!今こそ見せるぜ!!団塊世代パワーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!」

〇ビルの裏通り
　　解説しよう!!団塊世代パワーは、社会の中核を成す上流階級達のおっさん達の想いが一つになった時・・・
　　若い世代の生命エネルギーと引き換えに、そのパワーを発揮するのだ!!!!
社畜「うぐっ・・・!!」
学生「がふ・・・ッ」

〇駅のホーム
オタク「ぐ・・・力が抜けて・・・」
妖精「命が・・・若い世代の命が、団塊世代の為に吸われていきます・・・!!」
妖精「あっ、あれを・・・!!」

〇空
ツーブロックゴリラマン「ナァーッ!!!!」
　　そう、彼こそ団塊世代のエゴと見栄のために若い世代を犠牲にして現れる戦士───
　　ツーブロックゴリラマンである!!!!
ツーブロックゴリラマン「ナァーッ!!!!パワハリウム光線!!!!」

〇オフィスのフロア
上司「ありがとうツーブロックゴリラマン!! これで今日も明日も働ける!!」
上司「さあ働けお前ら!!連休なんかやってる暇はないぞ!!」
上司「社会のために世間のためにプライベートも人権も捧げて24時間戦うぞ!!」
「さあついてこい!!!!がーはははははは!!!!」

〇駅のホーム
オタク「ふざけんなよ・・・なんで・・・ なんでこうなるんだよ・・・」
妖精「・・・少子高齢化、使い潰される若者よりも、使い潰す方の老人が多い」
妖精「それの想いが結集すれば・・・こうもなります」
オタク「ちくしょう・・・ちくしょうがぁぁああ!!!!」
　　・・・・こうして、休日出勤怪獣は倒された
　　そして日本政府は、全ての祝日・休日を廃止し、日本は休むことなく永遠に重労働を続ける国になった・・・
意味深なドクター「・・・・・・・・・」
意味深なドクター「・・・俺は天罰など信じないクチだが」
意味深なドクター「いずれ世間は、手痛いしっぺ返しを受ける事になるかも知れんな・・・・」

〇黒
　　終