第4話『くえすと?』(脚本)
〇荒廃した街
ユーリ・エルファール「てめえら、飯の時間だ!」
村田「あ、これだけですか?」
ユーリ・エルファール「そうだ」
山田「あ、これだけでは死んでしまいます」
ユーリ・エルファール「なら、働け」
ユーリ・エルファール「仕事ならたくさんあるぞ お前たちが自立した時のためにな」
ユーリ・エルファール「まずは、廃墟の再構築 材料と工具は用意してあるからな 安心しろ」
ユーリ・エルファール「次は武術の鍛錬だ 昨日のお前たちの様子を見て これが必要だと思った」
ユーリ・エルファール「それから、この世界のことを 理解してもらうために授業も用意してある」
ユーリ・エルファール「あとは採集だ ここら辺りには釣りができたり、野草が生えていたりする それを買い取らせてもらう」
「く、クエストだ!」
ユーリ・エルファール「く、クエスト?」
村田「採集といえば、MMOの定番」
山田「クエスト受注しないと!」
ユーリ・エルファール「まあ、やる気が湧いたみたいだからいいか」
ユーリ・エルファール「あ、ちなみに この仕事を斡旋してくれるところを作った」
村田「ギルド!」
山田「ギルドだ!」
ユーリ・エルファール「ぎ、ぎるど?」
ユーリ・エルファール「そんな大したもんじゃないけどな」
ユーリ・エルファール「あれを見ろ!」
〇廃倉庫
佐々木「これが、ギルドか」
いのうえ「ようやく、異世界転移ものっぽくなってきたぜ」
ユーリ・エルファール「だから、ギルドじゃねえよ お前らここだと無職だろ」
ユーリ・エルファール「ここの名前は!」
ユーリ・エルファール「ハローワーク!」
ユーリ・エルファール「昨日必死に考えて思いついた」
佐々木「嗚呼ああ!」
いのうえ「うわあああ!」
ユーリ・エルファール「どうした急に」
いのうえ「嫌だ!嫌だ!」
佐々木「まだ就職できない、、の思い出してしまった」
佐々木「ごめんよ、親父、おふくろ、、 ホントは俺パチンコやり過ぎて 留年したんだ」
ユーリ・エルファール「1番まともそうな佐々木が ひとりごと呟き始めた」
シャルティア・グレーシア「無職のイワモトが『ハローワーク』を 聞いた途端に失神したよ!」
ユーリ・エルファール「どういうことだ 『ハローワーク』は 日本だと禁忌の呪文なのか?」
シャルティア・グレーシア「ほぼ全員が泡を吹いて白目剥いてる」
シャルティア・グレーシア「もしかしたら全体魔法なのかもしれない」
ユーリ・エルファール「その割には 何も現象が起きないけどな」
シャルティア・グレーシア「直接精神攻撃をかけるものなのかも」
ユーリ・エルファール「文化が違うと困るなぁ」
石井「せ、せめて、名前を 変えていただけないでしょうか」
石井「ここにいる者たちは みんな心に傷を負ったものたちなのです」
ユーリ・エルファール「ハローワークとは どんな危険な呪文なんだ、、、」
シャルティア・グレーシア「じゃあ、『ハローギルド』にしよう!」
石井「さ、さすが女騎士様」
ユーリ・エルファール「いや、ハローワークだ」
石井「鬼ですか?」
ユーリ・エルファール「いや、ハローワークで申請しちゃったし そうしないと国から支援受けられないし」
ユーリ・エルファール「まず、お前ら意見できる立場じゃなくね?」
石井「確かに、、」
ユーリ・エルファール「よし、みんな! 飯食いたければ働けよ!」
この文化環境や趣味嗜好性癖の違いが絶妙なストーリーを紡ぎ出していて、この設定に改めて感動と爆笑を覚えてしまいます😂
このすれ違い状態から、両者の間の結節点を見出して相互理解を深めていくのかな~と思っていたら、その結節点がまさかの『ハローワーク』とは🤣 🤣
禁忌の呪文「ハローワーク」www
ギルドをハローワークに置き換えるだけで、この凄まじい破壊力!
…と同時に、若者向け就労支援を「ギルドのクエスト」と言い換えるだけでニホンという国の就労人口が増える予感も……
ハローワーク……僕もそのうちお世話になるかな(´・ω・`)?