タワマン・オブ・ザ・デッド

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第5話:バッド・テイスツ(脚本)

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〇マンションの共用廊下
ゾンビ「シァアアァァアアァァッ!」
白神様「お、終わりじゃ! せ、世界が暗闇に 包まれるぅおおおおあががががっ!」
信徒「白神様をお助けしろ!」
ゾンビの群れ「シァアアァァアアァァッ!」
信徒「わぁああああああっ!」
神門友貴「外は危ない! 早く部屋に入って!」
信徒「に、逃げろ! 撤退だ!」
信徒「し、白神様は?」
信徒「知るか! 置いていけ!」
ゾンビの群れ「シァアアァァアアァァッ!」
信徒「あああああああああっ!」
神門友貴「がんばれ! 今助けにいく!」
鐘星愛「ダメです! あれを!」
黒目ゾンビ「ィイァアッィイアアアッ!」
  廊下の奥から黒目ゾンビが走ってくる
神門友貴「くそっ・・・!」

〇おしゃれな玄関
白神様「終わりじゃ・・・ 世界の終わりじゃ・・・!」
信徒「がああああああああっ!」
神門友貴「・・・助けられなかった」
鐘星愛「しかたありませんよ。 いきなり出ていったんですから──」
鐘星愛「きゃっ!」
  ドアに何かがぶつかった
神門友貴「ここも危ない。安全な場所に移ろう」
神門ミチ「・・・何してんだよ」
神門友貴「何って?」
  気がつけば先輩は
  私を守るように肩を抱いていた
神門友貴「危ないところだったからつい」
神門ミチ「・・・俺の先生に変なことするなよ」
  ミチくんは私の手を引いて
  リビングへと向かった

〇豪華なリビングダイニング
神門友貴「かなりの数の怪物が廊下に 押し寄せてきています」
神門友貴「怪物は音に反応するので 安全のため防音室に移動しましょう」
小判鮫「それしかありませんな」
神門貴「VIP専用ルームに庶民をかくまえと?」
神門友貴「・・・お願いします」
神門貴「許可するがこれは貸しだ。覚えておけ」

〇洋館の一室
鐘星愛(さすがVIP専用だけあって豪華な部屋)
鐘星愛(防音ってことは、ここで日本を動かす ような密談をしてるんだろうな)
神門貴「腹が空いたな。何かないか」
神門八千代「白神様がひっくり返してしまったから もう何もないわ」
神門貴「食材は残ってないのか?」
神門八千代「愛さんがぜんぶ使っちゃったもの」
神門貴「ウォーターサーバーの水は?」
神門八千代「それも愛さんが料理で・・・」
小判鮫「後先考えずに何を考えているんだ」
鐘星愛(私の考えじゃないんだけど・・・)
鐘星愛「・・・申し訳ありません」
神門八千代「ああ、マカロンが食べたい・・・ エスプレッソが飲みたい・・・」
神門貴「悪地さんをお迎えしてこの不始末 どうとるんだ」
小判鮫「申し訳ありません」
悪地院平「神門さん、大丈夫ですよ。お腹は空いて いますが、我慢できないこともない」
神門貴「高い警備費と管理費を払ってるんだ。 食糧くらい確保できないのか」
小判鮫「1階下のレストラン階に行けば・・・」
神門貴「よし。行ってこい」
小判鮫「わ、私ですか?」
神門貴「・・・・・・」
小判鮫「・・・わかりました。行ってまいります」
神門貴「食糧だけじゃなくて水分も頼むぞ」
小判鮫「ご意向に添えるようがんばります」
神門友貴「自殺行為ですよ。 今は食事くらい我慢しましょう」
小判鮫「神門キャッスルで起きた不祥事は すべて私の責任ですから」
神門友貴「じゃあ、俺も同行しますよ」
小判鮫「え?」
神門友貴「一人では死ににいくようなものだけど 二人ならどうにかなるかもしれない」
神門八千代「そんなの駄目よ、ユウキ!」
神門友貴「一度は死んだ身ですから大丈夫です」
神門友貴「それにマカロンやエスプレッソが あるかもしれませんよ?」
神門八千代「それは嬉しいけれど・・・」
神門友貴「こう見えて高校時代は走攻守そろった 四番バッターでしたから」
  先輩は壁に飾ってある有名野球選手の
  サイン入りバットを握った
神門友貴「チームはメンバーが多いほどいい。 秘書さんたちもどうですか?」
秘書「先生をお守りするのが仕事ですから」
秘書「それ以外、私たちは危険は冒せません」
神門友貴「となると二人か。少し心もとないな」
神門ミチ「・・・俺もいくよ。剣道やってたし」
神門ミチ「死人に本当に死なれたら気分悪いし。 受験勉強のストレスを発散させたいし」
  壁の日本刀を手に取るミチくんを
  八千代さまが慌てて制した
神門八千代「ダメよ! 貴方は神門家の後継者なのよ!」
神門ミチ「でも、二人じゃ危ないよ」
神門貴「お前が心配することじゃない」
鐘星愛「ミチくんの代わりに私が行きます」
神門ミチ「先生が?」
神門八千代「それはいいわ。食材を使い切ってしまった罪滅ぼしね。がんばってちょうだい」
鐘星愛(食材を使い切ったのは八千代さまの 指示だけど・・・我慢我慢。笑顔笑顔)
鐘星愛(ここで成功すれば まだ神門家と近づくチャンスはある)

〇おしゃれな玄関
神門友貴「行くよ。心の準備はいいかな?」
小判鮫「・・・はい。いえ、もう少しお待ちを。 心の準備が」
  ・・・ブルブルブルブル
  ・・・ブルブルブルブル・・・
鐘星愛「あの・・・この音は何でしょう?」

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