〇女の子の一人部屋
佐川　雪乃「やっぱり私」
佐川　雪乃「謝らない」
　　私は謝らないことを選択した。
　　理由は簡単だ。
佐川　雪乃（だって私はトレパクなんてやってないんだから）
　　ここで謝ったら、認めたも同意だ。
　　しかし、実際問題難しい。
　　例えば、私が「やっていない」と説明したとしよう。

〇SNSの画面
佐川　雪乃「この漫画は初めて見ました！ 必要であればタイムラプスを載せます！」
佐川　雪乃「とにかくトレパクなんてしていません！」
yuma「いやタイムラプス載せた所で意味ないでしょwww」
ドンケツ「否定すればするほど怪しいぞwwwwwww」
もち「謝罪もまともに出来ないんですか!?」
美魔女KariN「自分の置かれた立場がわかってないのでは？」

〇女の子の一人部屋
　　更なる炎上待ったなしだ。
　　そもそもこれは、目をつけられた時点でこちらが圧倒的に不利である。つまりこれは
佐川　雪乃「悪魔の証明」
　　やっていないことを証明するのは、不可能に近いと言う話だ。
　　私がどんなに「知らない」「やっていない」といった所で、それを証明する術がない。
　　相手は「自分が正しい」と思っているから、尚更手のつけようがない。
　　じゃあどうするか。
　　答えは一つだ。

〇黒
　　シカトする。
　　これ以外に方法はない。

〇SNSの画面
　　手をつけられないなら、付けなければ良い。
　　何事もなかったかのように過ごすしかないのだ。
　　ほとぼりが冷めるまで、耐えて、耐えて、耐えまくるしかない。
佐川　雪乃「飽きたおもちゃが捨てられるかのように」

〇女の子の一人部屋
佐川　雪乃「とりあえずは、あまりに酷い誹謗中傷や特定班が出たりしなければ、このまま静観していよう」
佐川　雪乃「気を揉んでも仕方ない話だもの」
佐川　雪乃「相手にしないのが１番だわ」
　　前にトレンドに入る程炎上した人を思い出した。
　　その人も私と同じトレパク疑惑をつけられ、必死に反論し、途中から鍵をかけた。
　　しかし、周りからは『逃げた』『認めたってことだな』とずっと追われ続け、最終的に
佐川　雪乃（筆を折っていた）
　　本当にその人はトレパクをしていたかもしれない。だけど

〇SNSの画面
yuma「パクった」
もち「謝れ」
ドンケツ「認めろ」
美魔女KariN「もう描くな」

〇女の子の一人部屋
　　真実が分からないことは、それを証明できないことは
佐川　雪乃「なんて理不尽なんだろう」
　　そうして私は、ただひたすら彼らの言葉に耳を塞ぐ生活を続けた。

〇黒
　　──数週間後

〇女の子の一人部屋
佐川　雪乃「出来た〜！」
　　明るい日差しと共に出来上がったイラストを何度も見る。今回も我ながら良い出来だ。
　　あれからも、私はイラストを描いている。あの後に一気にフォロワーが増えたが
　　大半は炎上後の成り行きが気になって、一時的にフォローしたジャジャ馬ばかりだった。
　　勿論、今まで通りに振る舞っても、そうはいかない。試しに、このイラストを投げてみよう。

〇SNSの画面
コノハ🌸「これ【アイカル】のアオトくんに似てない？」
DeK「またパクリ乙wwwwwww」
いちご姫「今回のイラストも素敵です！頑張ってください٩（ 'ω' ）و」
もち「謝罪まだですか」
小林　トム「検証はよ」

〇女の子の一人部屋
　　こんな感じだ。
　　これでも一時期より大分おとなしくなった方だ。
　　ただ、こんな中でも私のイラストを応援してくれる人が少なからずいる。
　　それだけが救いだ。

〇SNSの画面
　　ネットに何かをあげる限り、いつ自分の身に降りかかるか分からない罠と罪。
　　それでも成し遂げたい何かが、やりたい夢があるから

〇女の子の一人部屋
佐川　雪乃「私は今日も炎上に覚悟を決める」