サイコロ・ライフ

YO-SUKE

第三話「小湊響子」(脚本)

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〇ガソリンスタンド
  【全国指名手配 向井俊介】
向井俊介「嘘だろ・・・俺が指名手配???」
小湊「大見って男はなんでもやるわよ。 警察にだって簡単に介入できる」
向井俊介「あいつ、いったい何者なんだ・・・」
小湊「さあね。でも、あいつがこの国を 裏で牛耳っているのは確かよ」
向井俊介「まさか・・・そんなことできるはずない」
小湊「それより、給油が済んだらすぐに出ましょう。こんな場所でもすぐに足が付いちゃう」

〇林道

〇車内
向井俊介「なあ、教えてくれ。 お前は一体何者なんだ?」
小湊「私は反サイコロ団体 【テンプク】のメンバー」
小湊「政府の闇を暴き、サイコロ制度を完全に 廃止することを目的としている」
向井俊介「センター前のデモ隊の仲間か」
小湊「あんなのんびりした奴らと一緒にしないで」
小湊「テンプクはもっとドラスティックな 改革を目指している」
小湊「反サイコロ団体はいくつもあるのよ」
向井俊介「そう言えば前に聞いたぞ」
向井俊介「一部の特権階級は【アタリ】を 引かないって――あれは本当なのか?」
小湊「ええ。振り分けがあるの」
向井俊介「振り分け?」

〇無機質な扉
スタッフ「――様は、総資産額が五十億円を 超えています。そのため選択が可能です」
スタッフ「【アタリ】目を買いますか?」
成金の男「当然、買わせて頂く」
スタッフ「1回5000万円になりますが」
成金の男「ふん。そんなもん半月で稼げる額だ」
スタッフ「畏まりました。 それでは別室にご案内します」

〇車内
向井俊介「5000万・・・!」
小湊「【アタリ】を引く可能性は 20分の1しかない」
小湊「それでも、100%【アタリ】を 引かないために、5000万払えばいい」
向井俊介「嘘だろ。そんなことが・・・」
小湊「ただし、提案はあくまでセンターの ほうから下されるシステムなの」
小湊「総資産額や支払い能力なんかも、 全てが判断材料になる」
向井俊介「貧乏人には皆平等と謳っておいて・・・ 汚ねぇ・・・それが国のやることかよ」
向井俊介「俺には娘がいたんだ。 まだたったの4歳だった」
向井俊介「初めてのサイコロだった」
向井俊介「それなのに、運悪く【アタリ】を 引いて・・・あの子は──」
小湊「あなたの気持ちはよくわかる。大見は 政府の犬になって私腹を肥やしている」
小湊「私たちが奴らの不正を全て暴いてみせる」
向井俊介「そんなことできるのか?」
小湊「大見の側近だった男が裏切ったの」
小湊「何年にも及ぶ不正献金の証拠データを 全て持ち出して逃走した」
向井俊介「本当か!?」
小湊「でもその途中で見つかって、 大怪我を負った・・・」
向井俊介「! ま、まさか──」
小湊「そうよ。死ぬ間際にあなたに託した。 小さなメモリースティックに入れてね」
向井俊介「そうだったのか・・・ それであいつら、必死に俺のことを──」
小湊「あなたが私を探して反サイコロ団体に 近づくのはわかっていた」
小湊「だから網を張って探らせていたの」
小湊「あの男からメモリースティックを 預かっているんでしょ?」
向井俊介「・・・あれをどうするつもりなんだ?」
小湊「決まってるでしょ? ネットで拡散して、 全国民に真実を告げる」
向井俊介「・・・・・・」
小湊「ねえ、いま持ってるの? それともどこかに隠したの?」
向井俊介「それは──」
向井俊介「! なんだよ、急に」
小湊「先回りされた・・・!」
向井俊介「は?」
  前方に停まっていた無数の車が一斉に
  ヘッドライトを付ける。
向井俊介「くっ・・・! 3、4・・・ いや5台か! こんな狭い道に」
拡声器「我々は【テンプク】だ。 無駄な抵抗はやめろ。 今すぐ車から降りてこい」
小湊「ここまで来て・・・!」
向井俊介「! ちょっと待て。あいつ今、 【テンプク】って言わなかったか?」
向井俊介「【テンプク】ってあんたの所属する 団体なんじゃないのか?」

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