読切(脚本)
〇教室
レイコ「わたしはレイコ ドラキュラ学園高校 1年の可愛い女の子」
レイコ「これからお昼のお弁当の時間なの 午前中に体育の授業があったから おなかがペコペコよ」
レイコ「お弁当はいつもお父さんが作ってくれる ケチャップたっぷりのオムライスなの」
レイコ「毎日オムライスだけど 大好きだからいいんだ」
レイコ「毎日がオムライスなのには理由があって・・・」
レイコ「大量のケチャップは血液にみたてたものなの」
レイコ「そう じつは、わたし吸血鬼として生まれた女」
レイコ「両親は普通の人間なのに 二人の間に生まれたわたしは・・・ なぜか吸血鬼だった」
レイコ「わたしが赤ちゃんだったころ お母さんのおっぱいを吸いながら 血液までいっしょに吸っていたみたいで」
レイコ「そのせいでお母さんは・・・ 貧血で死んでしまったの」
レイコ「お父さんはそんな私を 血を吸わなくても生きていけるように トマトジュースとケチャップで 今日まで育ててくれた」
レイコ「ほんと感謝してるわ」
レイコ「げげっ!! 今日のオムライス! ケチャップがほとんどかかってないわ!」
レイコ「お父さん・・・ ケチャップの買い置きするの忘れてたのね」
レイコ「ちょっとだけ残ったケチャップを 無理矢理にしぼったせいで まるで鮮血のように飛び散っているわ」
レイコ「これじゃわたし満足できない」
レイコ「そうだ!! 私の目の前に座ってる巨体の山田なら 血を少し分けてもらったって大丈夫よね」
レイコ「しかも、 山田のお母さんは お弁当屋さんでパートで働いてたはず きっと美味しいお弁当を食べてるに違いないわ」
レイコ「いっただきまーす」
トモコ「きゃーレイコちゃん!! 山田の首にかじりついちゃってどうしちゃったの?」
レイコ「まっ、まじぃー 山田ぁ! お前いったい何食ってんだ お前の血はまずすぎる!!」
山田「今日は母ちゃん特製のニンニクたっぷり餃子弁当だけどなにか?」
トモコ「きゃーレイコちゃんが泡吹いて倒れたわ 保健室に行きましょう」
レイコ「うぇ〜ん わたしニンニクは苦手なの」
吸血鬼なのにトマトジュースとケチャップで代用できるという設定がユニークですね。むしろ普通の人間より健康的で経済的かも。保健室ではやっぱり輸血してもらうんでしょうか。
可愛らしいレイコちゃんと、定番ながら楽しい設定にニッコリしました!山田くんへの恋心が芽生えるかと思ったら、ソッチのオチでしたかww