たたかう女

ほんとも

読切(脚本)

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〇華やかな寮
真琴「おはよ」
はる「おはよ 英語の宿題した?」
真琴「一応したけど、イマイチ自信ない」
はる「あーあ こういう時みゆがいればなぁ 最近休んでばっかりだよね」
真琴「具合が悪いって言ってたけど・・・」
  そこにみゆが学校の中から泣きながら飛び出してくる
はる「みゆ!」
真琴「みゆ あんたどうしたの?」
  みゆ泣きながら
みゆ「あっおっはよぉぉぉ だっ誰にも会わないで帰りたかったのにぃ」
真琴「そんなこと言ったってもう会っちゃったんだからさ。どうしたのさ?」
はる「かわいいみゆちゃんみゆちゃん こんなに美しいお姉さまたちが話を聞いてあげようではないか」
みゆ「ウェーン」
真琴「泣いてないで話せこりゃ!」
真琴「話したまえ」
みゆ「いま校長と話してきたとこ」
はる「ずっと休んでて、いきなり校長に会って、泣いて出てくるなんて、わけわかんないんですけど」
みゆ「実はさー妊娠しちゃったみたいなの」
はる「にっにっ」
真琴「にんしん!」
真琴「って、やっちゃってたの! この前まで手もつないでないとか言ってたのに!!」
みゆ「手をつないで、チューしたら、そういうことになっちゃって・・・」
はる「そんな大事なこと何も言わないで!」
真琴「相談も報告もなしってひどくない? ホウレンソウがなってないよ!」
はる「そうだ!ホウレンソウがなってない!」
真琴「始末書もんだよ」
みゆ「なんか誰にも話せなくて・・・誰にも会いたくなくて・・・部屋からもなるべく出ないようにしてたりしてて・・・」
真琴「で、最初に会いに行ったのが校長って、ひどすぎ!!」
みゆ「ママと言い合いになって、言ったら、すぐ渡部に言っちゃって・・・」
はる「渡部なんだって?」
みゆ「うちに来てくれて、いろいろ話して、で、校長先生と話してみましょうって」
真琴「って、何を話したの?」
みゆ「おろすことも考えたけど、産もうかなと思ってて」
はる「うっうむのー!?」
みゆ「実はうちのママ高校時代妊娠しておろしてて、で、すごく罪悪感みたいなの感じてたんだって、で、だから・・・」
真琴「だから、みゆに産めって言うの!?」
みゆ「そんな感じじゃないけど、どっちにしても全面的に応援するって・・・」
はる「で、産むの?」
みゆ「殺すことになるような気がしちゃって・・・」
真琴「で?」
みゆ「で、渡部も私の意思を尊重するって。で、いま校長と話したら「産むなら学校には来れないって」」
はる「退学ってこと?」
真琴「そんなのおかしいよ!世間じゃー人口減だー産めよ増やせよ少子化対策だーってさわいでるのに」
はる「確かに!高校生が子供産んじゃだめって法律なんて聞いたことないよ」
真琴「憲法13条幸福追求権に基づき、産む権利も産まないも権利も認められてると考えられるって」
はる「よっ!さすがググり女王!!」
真琴「だから校長の言ってることおかしいよ!」
はる「おかしい!」
真琴「よっしゃー!抗議だ!戦うぞ!!」

コメント

  • まさかのヘビーな話題に移行して驚きです!今時の子のような平板に見えるリアクションの中にある決意や意思が見え、後押ししてあげたくなる気分になります

  • 相手の素性が明らかにされていないのでなんとも言えませんが、闘う相手や場所が一つだけとは限らないから厄介な問題ですね。こういう場合に備えて、学校も親も対処法や制度の具体的なシミュレーションが必要な時代だと思います。

  • 彼女達の友情と団結心がすごく光っていました。確かに、今はどの国も少子化が進んで、産みたいけど産めない人、結婚していても子供を求めない夫婦、沢山いる中みゆちゃんの選択はたくましく輝いています!

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