離れない女

鳳来寺小道

ある日の夕方(脚本)

離れない女

鳳来寺小道

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〇通学路
槙原裕一「お、悟じゃないか」
柿平悟「よ・よう」
槙原裕一「お前、最近いつもその子と一緒に歩いてるよな」
柿平悟「いつもってわけじゃないけど」
?「こんにちは」
槙原裕一「どこの高校の子なんだ? 見かけない制服だけど」
柿平悟「どこだっていいだろう!!」
槙原裕一「何怒ってんだよ」
柿平悟「別に怒ってないよ」
?「友達?」
柿平悟「ああ。槙原って言うんだ」
?「ふ~ん。友達できたんだ。よかったね」
槙原裕一「じゃあ、俺行くわ。邪魔しちゃ悪いし」
柿平悟「別に邪魔じゃないけど」
槙原裕一「じゃあな」
柿平悟「ああ」
柿平悟「話に入ってくんなよ」
?「いいじゃん別に、一緒にいるんだし。 で、次はどこ行くの?」
柿平悟「もう帰るんだよ」
?「なんだつまんないの」
小波真希「あれ~、柿平じゃないの」
柿平悟「真希!!何やってんだよ。こんなところで」
小波真希「うん、ちょっと本屋行こうと思って。 柿平は?」
柿平悟「え、え~っと、家帰るところ」
小波真希「そうなんだ。そっちの人は?」
柿平悟「ちょっと」
小波真希「何よ?彼女・・・さん?」
?「誰この人?」
柿平悟「同じクラスの小波だよ」
?「ふ~ん」
小波真希「こんにちは。小波です」
?「・・・」
柿平悟「挨拶ぐらいちゃんとしろよ」
小波真希「私、なんかお邪魔みたいだね。もう行くね」
柿平悟「あ、あ、ちょっと」
柿平悟「おい!なんだその態度」
?「何が?」
柿平悟「何がじゃないだろ。 小波は何も悪いことしてないじゃないか」
?「あの子はあなたには、似合わないわ」
柿平悟「もういいよ。俺帰るから、ついて来るなよ」
?「何言ってるの。私たちの家でしょ。 ず~っと離れないから」
柿平悟「いい加減にしろよ!父さん!」
?「仕方ないだろ。死んだ母さんの遺言で「お前に悪い虫が付かないようにしているんだから!!」」
柿平悟「だとしてもだよ。なんでそんな恰好してんだよ」
?「こっちのほうが悪い虫が寄って来ないからな。 いいだろこれ?ボタン押すだけで見た目を変えられる最新式のスーツは」
柿平悟「もうほっといてくれよ」
柿平豊「父親に向かってその態度はなんだ!」
柿平悟「なんで父さんは成仏しないんだよ」
柿平豊「家に火を付けた犯人を知らないとでも思っているのか? 一生付きまとってるやるからな」
柿平悟「・・・・・・」
?「一生、離れないからね。ず~っと一緒だよ」

コメント

  • 「離れない女」の正体、母親あたりかなーと想像しながら読んでいると、まさかの父親!そして、その理由も衝撃で!このワンシーン短編での驚きの要素がスゴいですね!

  • 途中まで、彼女は一体何者!?と思いながら読み進めていたらまさかのお父さん😂
    悪い虫どころか友達すらも寄り付かなくなってますね😂
    面白いなあと思っていたけど何気にヘビーな内容で少しゾッとしました😜

  • 中盤以降のオチで「なんだ、お茶目なお父さんだったんだ」とほっとさせておいてからのラストに驚愕。最後の最後で、なぜこの物語のジャンルがホラーなのかわかって心底ゾッとしました。

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