完璧な人生の女

ゆう19995252

最終回(脚本)

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〇古いアパートの部屋
  2023年9月20日深夜
近藤サクラ「助けて、助けて、」
  あるアパートの一室に膝を抱えて震えている女性がいた。
  彼女の名前は近藤サクラ。
  いったい彼女はどうして震えているのか?
  それは、、
  もうすぐ死ぬから。
  サクラは誰も信じてくれないだろうと思いつつも、この一週間のできごとを遺書として綴り始めた。
  一週間前。
  私は朝目覚めると別人になっていた。
  正確には、別人の様な顔立ちに変わっていたのだ。
  これまで私は低い鼻をコンプレックスに思ってきた。
  しかし今では、白人のように高い鼻が自慢だ。
  不思議な出来事はこれだけではない。
  私はスマホに見知らぬアプリを見つけた。
  それはTapNovelというゲーム小説アプリ。
  開くとトップページには「完璧な女」という作品が表示されていた。
  作品の主人公は「近藤サクラ」
  エピソードのタイトルは翌日の日付。
  気になって開いてみると、こう書かれていた。
  遅刻したサクラは、渋谷駅で運命の相手と出会う
  半信半疑ながら、私は小説に書かれている状況を再現してみることにした。
  わざと遅刻して駅に向かってみると、驚いたことに美男子にナンパされた。
  そんな具合に、私は小説に従うことで幸せを手に入れていった。
  バリスタ教室で別のイケメンと出会う
  宝くじを買うと大当たりする
  全ての指示が私の人生を良い方向に導いた。
  しかし、今はこう表示されている。
  最終回
  画面は真っ黒で文章はなし。
  日付が変わった瞬間、死ぬに違いない。
  サクラは過呼吸気味になりながら、日付が変わる瞬間を待った。
  チクタク・・・
  11時59分59秒
  00時00分00秒
近藤サクラ「。。ッ」
  何も起こらない。
近藤サクラ「なーんだ、思い過ごしか」
  サクラは安堵し、スマホをベッドに放り投げるとトイレに向かった。
近藤サクラ「ふう。」
  そして、手を洗おうと洗面所立って驚愕した。
近藤サクラ「何よこれ!」
  顔が水に浸けた粘土のように、ドロドロに溶けていたのだ。
  ビチャッ
  目玉がこぼれ落ち、右側が真っ暗になる。
  サクラはアプリが関係していると感じ、急いでスマホを取りに向かった。
  手に取ると、トップページにはこんな表示が。
  9月13日のストーリーを作成してください。
近藤サクラ「なによこれ」
  今すぐキャラクターを作成してください。
近藤サクラ(小説を作ることで自分の過去を変えられる仕組みなのかもしれない)
  サクラは全てを理解し、すぐさまキャラクターのデザインに取り掛かった。
近藤サクラ「なるべく綺麗な顔立ちに作らないと!」
近藤サクラ「それからストーリーは、、」
  だが、間もなく左目がぼとりと落ちた。
  キャラクターを作成してください。

コメント

  • うわあああああ、すごい。
    ホラーでした。。。!!😆

  • 事実は小説より奇なりの逆バージョンですね。一度そのループに入り込むと抜けれなくなるように、彼女は永遠と小説と現実を行き来しながら前に進むのでしょうね。

  • ノンフィクションとフィクションの境目が曖昧になる恐怖がテンポよく表現されていて、ラストでは読者の自分も目玉が落ちそうになりました。身に余る幸福の代償は大きいですね。

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