甘味物をめぐる冒険(脚本)
〇地球
宇宙暦0078。多くの人類が砂糖の取り過ぎにより砂糖中毒に陥いり、異常なメタボ状態にあった。
事態を重くみた、地球れんぽい政府は、砂糖制限令を敷いた!
これが世にいう、「甘味物禁止令」である!
〇アパートのダイニング
磯部家姑、磯部さば江40歳。
さば江「いか子さーん?いか子さーーーん??」
さば江「いか子さんが、買い物に出かけたのは、 昼ドラ「砂の十字架」の後だから、」
さば江「出かけてからかれこれ、40分は経っているわ!」
さば江「怪しい!!!」
いか子「おかさま〜ただいま帰りました〜」
さば江「あらまあ、いか子さん」
さば江「随分おはやいお帰りだこと!」
いか子「お母様〜今日スーパーはポイント7倍デーで」
いか子「混み合っておりまして〜」
いか子「遅くなって申し訳ありまおんせん〜」
さば江「いやいや、そんなにいそがなくても、ゆっくりなさったらよかったのに!」
いか子「お気遣いなく〜」
いか子「もう十分〜」
イライライライライライライライラ!!
いか子「・・・させていただきましたぁ〜」
さば江「あら、そう!!」
さば江「あれ、なんだか甘い香りが!?」
いか子「!!」
いか子「そおかしらぁ〜」
さば江「あら、いか子さん」
さば江「奥に周りにあんこみたいなのが、ついてるわ!」
いか子「あらやだ〜」
いか子「お母さま、これはホクロですわ〜 前からありましたですわよ〜」
さば江「あらまあ、ほくろなのね!」
さば江「私は、てっきり私にだまって、ご禁制の たい焼きでも買い食いされたのかとおもったわ!」
いか子「あら、お母さまったら〜」
いか子「ご冗談がお上手ですわ〜」
いか子「税金の支払い不払いで、存続の危機にある、由緒ある磯部家のため、」
いか子「一円でも節約しないといけない時に、ご禁制の甘味ものの買い食いなんて〜」
イライライライライライライライラ!!
いか子「ありえませんことよ〜」
いか子の口元のホクロが、落ちた!!
さば江「いか子さん!?いまホクロが落ちたわ!!」
さば江「やっぱりあんこじゃないの!?」
いか子「あらやだ、ほくろが勝手に落ちたのね〜|」
いか子「縁起がいいわ〜」
いか子「何か良いことの兆しかしらぁ〜」
いか子「おほほほ〜」
いか子「お母さま、ワタクシ買い物したものを、 冷蔵庫にしまいますわ〜」
いか子は、冷蔵庫を開けた!
いか子(あれ?わたくしのプリンがないわ)
いか子「最近つかれているのかしら?」
いか子「冷蔵庫にプリン入れておいたと思ったのに〜??」
さば江「さあ、私知りませんことよ」
さば江「プリンに足が生えて逃げ出したんじゃございませんか?」
さば江「プリンにも食べる相手を選ぶ権利がございますことよ!」
さば江「あはははははははははは〜」
いか子(ババァ!やりやがったな!)
いか子(3年ぶりの”プッツンプリンメガ盛り”!)
いか子(楽しみにしてたのによおお!)
「おほほほほほほほほほほほほほほほ〜」
磯部カメヲ(10歳)が帰ってきた!
カメヲ「ただいまあ〜」
さば江「まあ、カメヲや、お帰り!!」
さば江「プッツンプリンメガ盛りあるよ!」
いか子「お母さま、声が大きいですわ」
いか子「ご禁制の”甘味もの”を!!」
いか子「それに甘いものばっかり食べさせたら、 カメヲがまた太ってしまいますわ!」
さば江「カメヲは育ち盛りよ!!」
さば江「ご禁制とはいえ、甘いものは脳の疲労回復に必要なのよ!!」
いか子「お母さまが甘いものをお与えになるから カメヲはこんなにぶくぶく太って!!」
いか子「そのうち、当局もご禁制の使用に気がつきますわ!」
カメヲ「俺、プリンいらない〜」
カメヲ「食べてる時間が無駄なんだよな〜」
カメヲ「サプリでじゅうぶん!」
カメヲは、階段を上がり自分の部屋に行ってしまった!
いか子「これ、待ちなさい!!カメヲ!!」
いか子「それより今日のテストの結果は!?」
いか子「宿題はないの!?」
カメヲ「勉強なんてしないよ〜」
カメヲ「俺、来月eスポーツの試合だから勉強なんてしてる暇ない!」
いか子「そんな!eスポーツってテレビゲームでしょ!?」
いか子「あそんでないで、勉強しなさい!」
カメヲ「ゲームだけど、次の大会で優勝したら賞金3000万だよ!」
カメヲ「勉強なんてバカらしくてしてらんないよ!」
いか子「そんな、夢みたいなことまた言って!!」
カメヲ「俺は、父さんや母さんみたいなありきたりな人生は嫌なんだ!!」
カメヲ「俺はもっと広い世界に飛び出していくんだ!!」
いか子「ありきたりって・・・・」
いか子「息子に私の人生、全否定されるなんて・・」
いか子「ショックだわ・・・・・」
さば江「カメヲはやっぱり磯部家の後継だわ!」
さば江「いうことが違うわね!いか子さんの教育では、カメヲの未来を潰してしまうわ!」
さば江「いか子さんは、母親失格ね!」
いか子「お母さま、カメヲは私の息子です!」
いか子「私が責任持って育てますわ!」
いか子「eスポーツでもなんでも、まず学校の勉強をしていないと、立派な社会人にはなれませんわ!」
いか子「人生はバランスですわ!」
いか子「趣味も学校もバランスよく学ぶことが大切なのです!」
さば江「あら!」
さば江「そんな考えだから、いか子さんは凡人なんですわ!」
さば江「磯部家の跡継ぎには、それに相応しい教育法があるのですわ!」
いか子「お母さま!いつまで過去の栄光をひきづっておられるのですか!?」
いか子「お笑い草ですわ!」
いか子「今や、磯部家は、借金まみれですわ!」
カメヲ「お母さん!おばあさん!うるさい!!」
カメヲ「自分の人生は自分で決めるからほっといてくれよ!!」
いか子「私が、あなたを育てるためにどれだけ苦労してるとおもってんのよ・・・」
いか子「それお・・・悲しいわ・・・・」
さば江「やっぱりカメヲは、私の孫ね!!」
さば江「お母さんよりずっとしっかりしてるわ!」
さば江「いか子さんが育てたら、カメヲの未来が、磯部の行く末が萎んでしまいますわ!」
いか子「カメヲがこんない身勝手でわからずやに育ったのは、」
いか子「お母さまがカメヲを甘やかしたせいですわ!」
いか子「えーん、えーん」
さば江「えーん、えーん」
ちーん、とい音がして、炊飯器のご飯が炊きあがった!
いか子「あら!いい匂い!!ご飯が炊き上がったわ!」
いか子「夕食の支度しなくちゃ❤︎」
さば江「あら、いつの間にか午後6時ね!」
さば江「通りでお腹が空いたと思ったわ!」
さば江「いか子さん!」
さば江「今夜のメニューは何かしら?」
いか子「夕食は、野菜ゴロゴロ、トマトカレーにオクラと納豆をトッピングしたカレーですわ!」
さば江「まあ、なんて不味そうなカレー!」
カメヲ「なんか腹へったな!」
いか子「カメヲ、カレーなんてちょう普通の食べ物だけどいいの?」
カメヲ「カレーは別だよ!」
さば江「ああ、不味そう〜不味そうで倒れそうだわ〜」
いか子「お母さま、どんなこと言ったらカレールーかけませんことですわよ!」
さば江「いや、それは困るわ!」
さば江「私が毒味しないとアブないから!」
いか子の夫、磯部くら夫が帰ってきた!
くら雄「この匂い!」
くら雄「今夜はカレーか!?」
さば江「くら雄さん〜お帰り〜」
さば江「いか子さんったら、私だけカチカチのジャガイ入れて食べさせるのよ〜」
さば江「歯が折れそうだわ〜」
くら雄「いか子、母さんは、歯が悪いんだから、」
くら雄「ジャガイモとにんじんは、トロトロになるまでしっかり煮込んでくれよ!」
いか子「あなた!そんなこと言うけど、煮込みすぎたら、」
いか子「煮込んでる間のガス代もバカにならないのよ!」
いか子「そんなこと言うなら、もっとお給料持って帰ってきてよ!」
くら雄「いか子〜ごめんなさい〜」
くら雄「いか子のいう通りだよ〜黙っていただきます〜」
さば江「おおこわ〜」
さば江「こんな山猿みたいな嫁といると寿命が縮むわ!」
いか子「あら、お母さま、一体いくつまでお生きになるおつもりですの?」
いか子「つべこべ言わずにお皿をならべてくださいまし〜|」
くら雄(寿命が縮むのは俺だよ・・・)
さば江(悔しいわ!今に見とけよ!いか子!!)
いか子「お母様、今何かおっしゃいました!?」
さば江「いえいえ、何か気こえましたかしら?」
さば江「きっと、そらみみアワーでございましょうよ!」
さば江「あはははははは〜」
いか子「おほほほほほほほ〜」
〇地球
今日も地球は平和である!
終わり!
ふたりのかけ合いが面白すぎます〜
プリンおいしいですよね〜
甘味が自由でも禁制品でも、やっぱり存在する嫁姑バトルww チクチクとした会話の応酬をする2人でも、やっぱり甘味は大好きなのですね!
嫁も姑も甘いものが好きな割には相手には辛口で笑ってしまった。鯛焼きやプリンは、一応市場には出回ってるんですね。砂糖中毒の私としてはほっと一安心。