〇溶岩池のある洞窟
日下部みもみ「んーよく寝たぁー！」
日下部みもみ「・・・あれ？ なんか縛られてる？」
牛鬼「ようやくお目覚めか、小娘」
日下部みもみ「あっ！ 牛鬼っち！ ここどこ・・・」
日下部みもみ「ってまさか！」
牛鬼「そうだ、お前はここで惨たらしく・・・」
日下部みもみ「まじ熱気すごいクラブだね！ こんなんオールで踊り狂うしかねーな！」
牛鬼「・・・俺は奴のように突っ込んでやらんぞ」
牛鬼「だが確かに、嫌でも踊り狂うことになるだろうな・・・この溶岩に焼かれてな」
日下部みもみ「うへっ？」
牛鬼「思い知れ！ 俺たちあやかしの痛みを！」
日下部みもみ「ちょ、待って！ 落ちる落ちる！」
日下部みもみ「日サロはおｋでもガチ焦げはノーセンキューだよ!?」
牛鬼「問答無用！」
日下部みもみ「いやあー!?」
「狂風旋脚、急急如律令！」
牛鬼「むう！ 貴様ら・・・！」
狂骨「そう易々とこの娘の命は取らせんぞ、牛鬼！」
安倍野平平「大丈夫か、日下部!?」
日下部みもみ「きょーちゃん、安倍野っち！」
日下部みもみ「一瞬マジでやばいかと思った・・・」
日下部みもみ「でもそのスリルがちょっと癖になっちゃいそう！」
日下部みもみ「あーし、溶岩アゲアゲでもっと噴火（バースト）しちゃうぜ！」
狂骨「陰陽師の小僧、こやつは大丈夫そうだ」
安倍野平平「なんかそんな気はしてた」
牛鬼「人間を一人増やしたところで、今の貴様に何ができる」
牛鬼「来い。まとめて塵にしてやろう」
「うえ～い、ウチのこと忘れて楽しむとか相変わらずチョッセーだしこいつ～」
牛鬼「お、お前は・・・」
日下部みもみ「あ、あれえ～!?」
しづちゃん「牛鬼おひさ～」
日下部みもみ「しづちゃん！ なんでここに!?」
日下部みもみ「てか牛鬼っちのこと知ってるの？」
しづちゃん「知ってるも何も、超ＭＤよ」
しづちゃん「うちの実家、こいつと不可侵条約を結んだ神社・・・」
しづちゃん「「帝慈大社（ていじたいしゃ）」だし～」
日下部みもみ「ええー!?」
（巫女服似合わな過ぎる・・・）
牛鬼「・・・今更何をしにきた」
しづちゃん「ＡＹモードで超ＢＭのアンタをＧＨＱしに来てあげたの」
牛鬼「・・・えっと？」
狂骨（あの牛鬼が、しづちゃんには困惑している・・・）
しづちゃん「ま、アンタがそんなふうになっちゃったのもウチのせいだし」
しづちゃん「せめてもの罪滅ぼしってか？」
日下部みもみ「し、しづちゃんのせいってどういうこと!?」
牛鬼「・・・・・・」
牛鬼「俺はかつて、あやかしを代表して、帝慈大社の神官長と不可侵条約を結んだ」
牛鬼「しかしそれには、ある理由があった」
狂骨「まさか貴様、油断した人間たちの寝首を掻こうと・・・！」
牛鬼「その神官長が、まっこと俺好みのロリ巫女さんだったのだ」
狂骨「・・・はっ？」
牛鬼「いつの日からか、俺は年端も行かぬ少女しか愛せなくなっていた」
牛鬼「しかし少女の中でも、清楚さとエロスを共存させている者なぞまず見つからないことは、お前たちにも想像できるだろう」
狂骨「想像したくもないんだけど・・・」
牛鬼「しかし俺はようやく見つけたのだ！」

〇祈祷場
ゆかり「牛鬼さま！ わたしたちとふかしんじょーやくを結びましょう！」
牛鬼「それこそが、時の神官長・ゆかりちゃんであった」

〇溶岩池のある洞窟
牛鬼「条約を結べば、彼女とたくさんおしゃべりしたり、触れ合えるかもしれない」
牛鬼「俺にとってこの誘いを断る理由はなかった」
狂骨「そんな理由で結んだの!?」

〇祈祷場
ゆかり「牛鬼さま！」
ゆかり「これからわたしたち、ずーっと仲良しだね！」
牛鬼「ああ、そうだね・・・」

〇溶岩池のある洞窟
狂骨「こやつのこんな優しい笑顔、初めて見た」
牛鬼「――しかし、もとより俺たちは人とあやかし。交わることなど許されぬ」
狂骨「そこの線引けるなら、年齢の線も引いてほしかったな」
牛鬼「そしてなにより、長命な俺たちと違って、人間はすぐ老いてしまう・・・」
牛鬼「一年もあれば、もはや俺の理想とはかけ離れてしまうのだ」
日下部みもみ「ストライクゾーン狭すぎてウケる」
牛鬼「だが、帝慈大社の神官長は、代々幼い少女が継ぐことになっている」
狂骨「お主、まさか・・・」
牛鬼「ああ。俺は何代にも渡り、彼女たちを見守り続けてきた」
（こいつ、ガチもんだ・・・）
牛鬼「そして現代、そこにいる女が長となってからも、それは変わらなかった」

〇祈祷場
しづちゃん「牛鬼おじちゃん、だーい好き！」

〇溶岩池のある洞窟
狂骨「いやいやいやいや!!」
日下部みもみ「なにきょーちゃん、回想止めないでよー」
狂骨「いや絶対おかしいだろ!?」
狂骨「そこの山姥があんなかわいい童だったわけがあるか！」
しづちゃん「マジオニじゃんこいつ、うちだってピチピチだったころぐらいあったし」
狂骨「俄には信じがたいのう・・・」
牛鬼「・・・話、続けるぞ」
牛鬼「しかし、その幸せは長くは続かなかった・・・」
狂骨（もう何となく次の展開が読めてきたぞ）
牛鬼「そこの女はいつの間にか化け物みたいな見た目に成り下がっていたのだ!!」
狂骨（やっぱり・・・）
牛鬼「聞けば、親しい友人の影響でこんなことを始めたと言う」
牛鬼「そう、そこにいる日下部みもみのことだ」