第3話 愛の♡ロードサイドステーション(脚本)
〇地球
スピード違反(速度超過)
超過30キロ 加点3点 反則金15000円
逆走(通行区部違反)
加点2点 反則金6000円 (二輪の場合)
「俺のゴールド免許──!!」
〇射的コーナー
羽山「出張先の土地のことなんか知るかよ」
羽山「分かりやすく誘導しねぇ方が 悪いだろ」
草壁「・・・・・・」
羽山「だいたい、見ろよこの辺」
羽山「車なんて全然来ねぇじゃん」
羽山「こんなの飛ばさない人いる!?」
草壁「僕は飛ばさないけど」
草壁「一応国家公務員だし」
草壁「いる?」
羽山「・・・かっけぇ・・・」
〇射的コーナー
鳥「これまでのおはなし」
鳥「SNSで大好きな星野さんを探そうとした二人だけど」
鳥「結果は収穫ナシ」
鳥「気分転換にバイクに乗って ツーリングしていたら」
鳥「速攻ポリスに捕まってしまったんだって」
〇射的コーナー
羽山「・・・草壁くん、見たよな?」
草壁「何をですか?」
羽山「顔だよ!顔!」
草壁「顔?」
羽山「俺はバッチリこの目に焼き付けたぜ」
羽山「あいつの違反を誘発して 必ずチクってやる」
草壁「まさか・・・」
羽山「その通り!!」
羽山「俺を捕まえた警察だ」
〇モヤモヤ
「警察官とてミスを犯すことくらいあるだろう」
「夜勤が続けば眠かったり」
「判断能力だって落ちるはずだ」
「俺はそこを狙う!!」
羽山「余裕ぶっこいていられるのも 今のうちだ・・・」
羽山「この俺のゴールド免許奪ったこと・・・」
羽山「絶対後悔させてやるんだからな!!」
草壁「はぁ・・・」
草壁「悪人じゃん」
羽山「うっせ」
〇神社の石段
羽山「帰るか」
羽山「付き合ってくれてありがとな」
草壁「いいえ」
草壁「自転車」
羽山「免停じゃないからな!!」
羽山「言っとくけど」
羽山「ナンバー割れてるから 今バイク乗っちゃダメだと思っただけだ!!」
草壁「はいはい」
草壁「ちょっと待ってて♪」
草壁「僕も一緒に行くよ」
草壁「なんか羽山さんとサイクリングするの 楽しそうだし」
羽山「はっ・・・」
羽山「よし!競争しようぜ!」
羽山「どちらが先に星野さんの家に着くか勝負だ!」
草壁「また気色悪いことを」
草壁「あぁっ!ちょっと!!」
草壁「羽山さーん!!」
〇一軒家
羽山「ここが星野さんのご実家か・・・」
草壁「ストーカーしたら通報しますよ」
羽山「しねぇよそんなこと」
草壁「だって羽山さんだし」
草壁「どんな妄想してるかわからないでしょ?」
羽山「む・・・」
草壁「中学のときの星野さん、 可愛かったですよ・・・」
草壁「羽山さんが見てたら 卒倒するかも知れないですね」
羽山「・・・え?」
草壁「家が遠くてチャリ通だったからさ」
草壁「風で制服がなびいて・・・」
草壁「清楚で可憐な聖女のようだったよ」
〇ソーダ
草壁(制服のスカーフが揺らめいて・・・)
羽山「・・・・・・」
羽山「それは良いな!!」
羽山「見えそうで見えない!」
羽山「俺たちの星野さんは そうじゃなくちゃな!!」
草壁「・・・・・・」
草壁「スカーフのことですよ?」
草壁「他のもの想像してたら アホ山って呼びますから」
羽山「そ・・・そんなわけないだろう!!」
草壁「ですよね!!」
〇昔ながらの一軒家
草壁「それで僕の家はここね」
草壁「官舎にいるから年に数回しか 実家に泊まらないんですけど」
羽山「草壁くんの情報はいいかな」
草壁「ははっ」
草壁(この人は本当に星野さんのことばかりだな)
草壁(僕も好きだけど)
草壁(他の女の子が見えてない感じ)
じーっ・・・
草壁「他の女の子と付き合ったりしないんですか?」
草壁「黙ってればイケメンじゃないですか」
羽山「一言余計だっつの」
草壁「僕は付き合いましたよ」
草壁「当たり前じゃないですか」
草壁「何歳だと思ってるんです」
草壁(結局──)
草壁(星野さんを忘れることが できなかったけど・・・)
草壁「別に悪くなかったですよ」
草壁「色んなとこ行きましたし 楽しかったですし」
草壁「これが星野さんだったらいいのになって 思ったこともありますけど・・・」
草壁「羽山さんは、寂しくないですか?」
草壁「クリスマスとか、誕生日とか・・・」
草壁「ずっと独りで悲しくならないんですか」
〇空
羽山「浮気者め」
羽山「俺はピュアだって言っただろ」
草壁「・・・そうでしたね」
草壁「お兄さんには敵いませんでした」
草壁「何?眩しっ・・・」
羽山「他の女性なんか、目に入らないんだ・・・」
羽山「愛でようとしても」
羽山「ふとした仕草で彼女を思い出して」
〇学校の部室
「犬が怖いとか」
「控えめに笑うとことか」
「俺の前でだけ ミリオタの素をさらけ出してくれたりとか」
羽山「そういうこと」
羽山「思い出しちゃって」
羽山「勝てないんだ」
羽山「気づいたら 今も 頭の中を支配しちゃって──」
草壁「馬鹿ですね」
草壁「過去の思い出で貴重な20代を棒に振って」
草壁(どんなにこっちが想っていても 期待には添えないのに)
草壁(ずっと執着してて)
草壁(一途で)
草壁(でも・・・)
(この人と付き合ったら幸せだろうな)
(大事に守ってあげそうだな・・・)
草壁「いや重いか」
羽山「くっ・・・」
羽山「割と気にしてるとこを・・・」
〇田舎駅のロータリー
草壁「ん?」
草壁「ちょっ・・・! 羽山さん!」
羽山「どうした?」
草壁「あの人!! 例の警察官に似てないですか!?」
羽山「何っ!?」
草壁「あそこです! 小さい女の子と手を繋いでる・・・」
羽山「確かに・・・あいつだ!」
羽山「俺を些細な間違いで減点し・・・」
羽山「15年以上の模範ドライバーの座から 引きずり下ろした張本人・・・」
『武藤』その人だ!!
草壁「そんな探偵物みたいに言わなくても」
羽山「尾行だ!! 行くぞ草壁!!」
草壁「やですよ」
羽山「ここは道の駅・・・」
羽山「どこへ出かけたか知らないが、 運転で疲れたであろう今がチャンスだ」
羽山「見ろ 買い物も終わったあとだ」
店員に扮して酒入りの
チョコレートと粕漬けを試食させ・・・
甘酒を配り・・・
羽山「直後に呼気中のアルコール濃度を チェックする!!」
羽山「アウトになること間違いなし!!」
羽山「ふははは!!」
草壁「極悪人」
〇土産物屋
羽山「こんにちは~! ご試食いかがっすか?」
羽山「いま皆さんにおすすめしてるんですけどー」
草壁「本当にやるんだ」
羽山「そこの奥さん!!」
羽山「美味しいので是非旦那さんにも!!」
女性「・・・・・・」
羽山「・・・・・・?」
星野天音「・・・羽山・・・先輩?」
羽山「え・・・」
草壁「あぁっ!! 甘酒が!!」
羽山「・・・星野さん!?」
草壁「──!!」
草壁(なんで星野さんがここに・・・!!)
羽山君は意外に執念深いですね🤣
でも、それが功を奏して…!次回が楽しみ。
本当に男性2人の気持ちが丁寧に描かれていて、内容も面白くて皆にオススメしたくなる作品です。
あと余計なお世話かもしれませんが、この回だけチケット制ですね。私もたまに間違えてしまうので、もし気づいていないのであれば、と思いました。(わざとならスミマセン💦)