シーン1(脚本)
〇宮殿の門
ヘロデ王の宮殿
ヘロデ王「誰かおらぬか」
衛士「おそばに・・・」
ヘロデ王「姫はどこじゃ?サロメは?」
サロメ「御用ですか?ヘロデ王」
ヘロデ王「い、いや よい月夜じゃからの」
ヘロデ王「そなたの舞が見たくてな」
サロメ「いいですよ」
ヘロデ王「そうか そうか」
サロメ「なんなら脱ぎましょうか?」
ヘロデ王「うひひ!」
サロメ「そのかわり・・・」
ヘロデ王「おお、なんでも言うてくれ」
サロメ「ひとつお願いが・・・」
ヘロデ王「何じゃ?」
サロメ「あの地下の牢獄の囚人・・・」
衛士「ヨカナーンとかいう 予言者でございます」
サロメ「彼を牢から出してください」
ヘロデ王「そ、それはいかん! 奴は不吉な予言を言いふらしておる!」
ヨカナーン「この国は亡びるぜ! 王がアホやからな」
サロメ「王はさきほど、何でも望みをかなえると」
ヘロデ王「お前、まさかあの囚人に惚れたのか?」
衛士「姫!それはご無理でございます」
サロメ「じゃ、あきらめる そのかわり・・・」
ヘロデ王「ぎく!!」
サロメ「銀の皿にあの男の首をのせて 持ってきなさい」
衛士「あわわ・・・」
ヘロデ王「早うせんかい! どうせ処刑しようとした奴じゃ」
サロメ「さすがヘロデ王 ものわかりがいいわ」
やがて・・・
衛士「おもちしました」
サロメの前に、銀の皿にのった首が
衛士「本日のメインディッシュで・・・」
サロメ「いただき!!」
サロメ、ヨカナーンの首を小脇に抱え
ヘロデ王「わ!何をする!」
門の外へと、駆け出す!
ヘロデ王「衛士!何をしている 追わんか!!」
衛士「は、はい」
衛士「姫さま!ごめん!」
サロメ「おっと!もうすぐ門外」
ヘロデ王「あ、のがすな!」
跳躍したサロメは、からくも門外に
着地!
衛士「トライ!」
あとからヨカナーンの胴体がよたよたと
首を追ってくる・・・
イントロダクション、そして冒頭シーンから、オスカー・ワイルド『サロメ』の現代解釈かと思っていたのですが、あれよあれよとスゴイ方向にww 見事なまでにやられました!
謎の多いサロメの心情がどう解釈されるかとワクワクしつつ読み進め、話の最後がどこに着地するかと思ったらまさか門外に独走トライで着地するとは!サロメってラガーダンサーだったんや!ラストの畳み掛けが鮮やかすぎてしばし呆然としてしまいました。