デートの待ち合わせでナンパされた女

音代 雀

読切(脚本)

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音代 雀

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〇川沿いの公園
  デートの待ち合わせ場所にリンは早めに着いていた。
リン(少し早かったかな)
リン(待たせるよりはいいか)
リン(お昼ご飯何食べたいかな)
「ねぇ、きみひとり?」
ナンパ男1「誰か待ってるの?」
ナンパ男2「ちょっとだけさ、俺らと遊ばない?いい店知ってるからさ」
リン(うわ、ナンパ?めんどくさいな。どっちでもいいから早く来ないかな)
ナンパ男1「ねぇ、無視ってなくない?」
リン「・・・すみません、人を待っているので」
ナンパ男2「ちょっとだけだって!」
  一人の男がリンの腕を掴む
リン「ちょっと、離して・・・」
リン(ちから強っ・・・)
ナンパ男1「大丈夫だって」
リン(なにがよ!? ほんとにめんどくさい・・・!)
???「その手を離せ」
  怒気を含んだ声とともに、ナンパ男の腕がひねりあげられる。
ナンパ男2「痛って!!」
犬塚「・・・」
ナンパ男1「てめぇ!いきなり何すんだよ!」
猫谷「だーかーらー 汚ぇ手で触んなって言ってんの!わかんない?」
  現れた二人の男は、リンを背に立ちはだかった。
リン「2人とも・・・」
犬塚「遅れて悪かった」
猫谷「待たせてごめんね!」
リン「いいよ。タイミングよく来てくれたから」
猫谷「ああ。で、」
猫谷「こいつら、なに?」
ナンパ男1「ふ、二人の男と待ち合わせとか、きみ──」
「あ゛──」
リン「なに? 何か問題でもある?」
リン「もう用はないでしょ。くだらないこと言うつもりなら本気で怒るよ」
ナンパ男1「く・・・」
ナンパ男2「おい、もう行こうぜ」
ナンパ男1「ああ・・・」
「二度と俺たちの彼女に近くんじゃねぇよ!」
  こうしてナンパ男たちは去っていった。
猫谷「それにしても、さっすがリンだね!俺惚れ直しちゃった!」
犬塚「かっこよかった」
リン「2人の方がかっこよかったよ」
リン「でも、最後のはいらなかったんじゃ」
猫谷「いーや、いるね!」
犬塚「大事なことだ」
リン(恥ずいんだよなぁ。 でもまぁ・・・)
リン「2人とも、ありがとね。 うれしかった」
猫谷「どいたま!!」
犬塚「当たり前だ」
  私たちは付き合っている。
  3人で、付き合っている。
  2人とも、2人が大好き。
  もちろん、私も。
  これが私たちの愛のカタチ。
リン(だいすき)

コメント

  • この三人の関係、どういう風に想像するかで楽しさが倍になる感じですね。男性側からすると、それぞれが好意を抱く女の子と親友とすると、いつか関係が壊れそうでいやですが。

  • とってもイイ関係の3人ですね!今後、3人の安定した関係を構築し続けるのか、犬塚クンと猫谷クンがお互い嫉妬やヤキモチを焼く関係になるのか、想像すると楽しいですね!

  • リンのセリフ「どっちでもいいから早く来ないかな」にアレ?と思ったらそういうことなんですね。犬と猫、どちらも飼いたいけど選べないから両方とも、はある意味理想かも。犬と猫も仲良しみたいで平和なトライアングルですね。

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