嘘つきな女(脚本)
〇屋敷の書斎
ようこそ!この館へ
なんだ・・・ここは・・・
ソフィー・ヴァレンタイン「私くしはソフィー・ヴァルキリー。ゲームを楽しみましょう♪」
日向彰人「は!?」
そうか、買い物帰りに突然黒い車に・・・っておい。意味わかんねぇよ!
ソフィー・ヴァレンタイン「コホンッ、とりあえず説明はめんどくさいので、何とかしてこの鍵のかかった部屋からゲームに勝って脱出してみやがれ愚民ども!」
日向彰人「いや、口悪すぎだろ。なんでこんなこと・・・」
ソフィー・ヴァレンタイン「では、さっそく。ゲームは簡単、謎解きだ」
日向彰人「謎解き?今のところ謎しかないが・・・」
ソフィー・ヴァレンタイン「それについてだよ。さぁ鍵はどこにあるのだろうか。何故ここに閉じ込められたのだろうか。シンキングターイム!」
日向彰人「はぁ?分かるわけねぇーよ。てか、お前誰なんだ!」
ソフィー・ヴァレンタイン「っ・・・。だからそれを解いてみろと言ってるだろー。当たり前だけど部屋のものは勝手に見て触っていいから」
本当に鍵がかかっているみたいだし、鍵も見当たらない。おそらく相手が部屋のどこかに隠してる。
部屋には、ぎっしりと棚に詰められたラノベ、マグカップ、女の子のフィギュア。ちょっとオタクっぽい・・・
日向彰人「一通り探したけど、ないぞ。どこなんだ。だいたい閉じ込めてなんの意味がある!」
ソフィー・ヴァレンタイン「もっと細かく探しなさいよ。私だってこの後友達と約束があるんだから!」
日向彰人「は?だったらお前が鍵を渡せばいいじゃないか!どこなんだ!」
ソフィー・ヴァレンタイン「それは・・・私だって知りたいわよ・・・」
日向彰人「は?お前何言って・・・車でさらってここに閉じ込め・・・て・・・って」
日向彰人「・・・」
日向彰人「俺だ」
日向彰人「俺が閉じ込めた。ここは俺の部屋・・・」
日向彰人「お前はエレナ。なんで・・・」
エレナ・ヴァレンシア「そう。あなたが閉じ込めた。だけど超絶格闘少女の私が部屋に入って目隠しを解かれてすぐ殴ったら運良く記憶喪失」
エレナ・ヴァレンシア「そんで記憶を取り戻させるためにちょっと遊んでた」
エレナ・ヴァレンシア「なんではこっちのセリフよ!どうして突然数年ぶりに会う幼なじみなんかさらって・・・」
日向彰人「フフッ思い出した。それはお前を助けるためさ」
エレナ・ヴァレンシア「!!」
日向彰人「俺はお前のことが好きだ。愛おしい。本当に。だ、だから、周りの邪魔な男達から守りたくて・・・この日を待ってた」
エレナ・ヴァレンシア「ちょ、ちょっと待って!なんなの!」
私はドアに向かって走った。
だけど・・・心のどこかでまだ・・・
相手が隠した鍵を見つけなきゃ。そのために謎解きしたのに!見つからなかった!オタク気質な部屋もやっぱりこういうこと、、、
キラッ
見つけた!
「ごめん」
エレナはドアを閉めると同時に聞こえたその声と、偶然か思惑か鍵の隣に置いてあった小さい頃に渡したブレスレットを思い返し
(こんな事しなくても好きだったのにな)と空を仰いだ。
立場が入れ替わる瞬間、作中の空気感も変わって面白いですね!それにしても、エレナさん、記憶喪失を起こさせるパワーがあるとはww
「謎を解く側」と「解かせる側」が途中で反転するという、読者の予想を心地よく裏切る展開がよかったです。全ての事情がわかってみれば、お金と時間の余っている日向とエレナの恋愛プレイにも見えてきました。
彼、なかなか激しく記憶飛んでたんですね😂
自分の部屋だということすらも忘れてしまうとは!笑
エレナのパンチ力が強かったんでしょうか😂