美味しそうな女

神崎檸檬

美味しそうな(脚本)

美味しそうな女

神崎檸檬

今すぐ読む

美味しそうな女
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇講義室
あやね(間に合った・・・・・・)
あやね(この講義ではあの先輩も来るから あんまり情けない姿は晒したくないのに なぁ・・・・・・)
ゆうや「よう、あやね。おはよう。 今日は珍しくギリギリなんだな」
あやね「あ、ゆうや先輩。おはようございます。 そうなんですよ・・・・・・」
あやね「昨日深夜に急にシチューが食べたく なっちゃって」
ゆうや「今回はシチューかw」
ゆうや「で、どうしたの?作って食べたの?」
あやね「毎回恒例みたいに言わないでください!」
ゆうや「じゃあ、食べなかったの?」
あやね「・・・・・・食べましたけど」
あやね「深夜に出歩きたくなくてルーを使わずに」
あやね「じっくりコトコトに時間かけて作ったシチューは」
あやね「ものすごく美味しかったですけど!」
ゆうや「しっかり食ってんじゃんwww」
たくま「お前ら朝からそんな話してんじゃねー!!」
あやね「あ、たくま先輩。おはようございます」
ゆうや「おお、たくまじゃねーか」
ゆうや「お前はまた寝坊して朝飯食ってないのか」
たくま「そうだよ・・・・・・」
たくま「そうなんだよ!!!」
たくま「あー、シチュー食いてぇ・・・・・・」
たくま「食堂にねぇかなぁ・・・・・・」
たくま「今日の日替わり定食、シチューだったり しねぇかなぁ・・・・・・」
ゆうや「しないだろうな」
たくま「もうどうすんだよぉ・・・・・・」
たくま「あ、あやねちゃんの家に 残ってたりしない!?」
たくま「大学から結構近いんだよな!?」
あやね「え、いや、朝に全部 食べちゃいました・・・・・・」
たくま「マジかぁ」
あやね「美味しかったです」
たくま「ぐあぁ! ゆうや、あやねちゃんがいじめる~!」
ゆうや「先生が来たから諦めるんだなw」
たくま「ゆうや冷たい!」
たくま「うぅぅ、俺のシチュー・・・・・・!」
ゆうや「お前のではない」
  授業後、昼休憩
ゆうや「あーやーねっ!今から昼飯? 一緒に食っていい?」
あやね「あ、はい。もちろんです」
あやね「いただきます」
ゆうや「今日の弁当、でっかいハンバーグ入ってんなw」
あやね「そうなんです! しっかり下味をつけたので、 大きくて味が濃くて美味しいんですよ」
あやね「先輩は唐揚げおにぎりですか?」
ゆうや「そ。シチューの話聞いてから鶏肉が 食いたくて仕方がなくてさ」
ゆうや「シチューに入れるならやっぱ鶏肉じゃん?」
あやね「あー、シチューの中の鶏肉、 美味しいですよね」
あやね「んー!」
ゆうや「・・・・・・」
ゆうや「お前、美味しそうに食べるよな」
あやね「んぐっ!?」
あやね「ゴホゴホ」
ゆうや「え、おい、大丈夫か!?ほら、水」
あやね「ゴクゴク」
あやね「ありがとうございます」
ゆうや「急に咽るからびっくりしたよ。どうした?」
あやね「あー、いや。元カレが 「お前食いすぎて豚みたい」って」
あやね「言ってきて別れたのを思い出しちゃって」
ゆうや「はぁ!?なんだそいつ、最低だな」
あやね「あー、ハハハ・・・・・・」
ゆうや「こんなに可愛いのに」
あやね「え!?」
ゆうや「あ、いや、なんというか・・・・・・」
あやね「・・・・・・」
ゆうや「・・・・・・」
あやね「あの、先輩・・・・・・」
あやね「いっぱい食べる女はお嫌いですか?」

コメント

  • 好きなこと、ものに真っ直ぐな女の子って魅力的ですよね!美味しいモノをいっぱい作っていっぱい食べて笑顔、もう魅力的です。ステキなラストにドキっとしました

  • 食に興味がある人は男女を問わず人生が充実すること間違いなしです。その上ゆうやのような先輩と出会えるなんて、あやねはラッキーだなー。シチューにありつけなかったたくまはかわいそうだけど、こういうわちゃわちゃした友人関係って微笑ましいですね。

  • 青春の1ページを覗かせてもらったような、とても可愛いワンシーンでした! 美味しそうにご飯を食べる女性、素敵ですよね^^

成分キーワード

ページTOPへ