15年前、彼と約束したこの場所で(影法師視点)(脚本)
〇川沿いの道
とある男「それで──」
とある男「ここが、約束の場所?」
私「ええ」
私「15年前──」
私「ここであの人と約束を交わしたの」
私「え!」
私「配属先が東京に!?」
約束の男「ああ」
約束の男「地元に残りたいと希望したんだけど・・・」
私「そっか・・・」
私「それじゃあ、これからは離れ離れだね」
約束の男「・・・」
約束の男「5年」
私「え?」
約束の男「5年だけ待ってくれないか?」
約束の男「君と育ったこの街に、必ず戻って来る」
約束の男「その時こそ君と──」
私「待って」
私「続きは・・・5年後に聞かせて」
約束の男「──分かった」
約束の男「約束だ」
とある男「──で、今に至るわけか」
私「そうよ」
私「今日でちょうど15年目」
私「あの人は──」
約束の男「──ごめん」
約束の男「随分と遅れてしまった」
私「あ・・・」
私「あなた・・・」
私「・・・」
私「遅過ぎるわ」
私「もう・・・」
約束の男「──本当にごめん」
約束の男「だって・・・」
約束の男「近くの駐車場が空いてなくてさ」
約束の男「君たちを車から降ろした後、駐車場を探し回ったんだよ」
私「もう!」
私「あなたは、この場所で私を待たせてばかり」
約束の男「ええ!」
約束の男「あの時は、約束通り5年で君を迎えにいったじゃないか」
私「そうだったかしら」
私「まあ」
私「今日はこの子が話し相手になってくれたから──」
私「待つのも楽しかったわ」
とある男「ふう」
とある男「父さんと母さんのノロケ話を聞かされる身にもなってくれよ」
約束の男「あはは」
約束の男「すまなかったな」
息子「あとは二人で楽しんでくれよ」
息子「邪魔者は先に行くから」
私「ちょっと!」
私「まだ話し足りないのに」
約束の男「やれやれ」
約束の男「もうすっかり年頃の男の子だな」
私「そうね」
約束の男「それにしても──」
約束の男「この場所は昔から変わらないな」
私「・・・」
私「私たちは、すっかり変わってしまったけどね」
約束の男「そうかい?」
約束の男「見てごらん」
私「え?」
約束の男「僕たち二人の影」
約束の男「15年前と何一つ変わっていない」
私「──影は歳を取らないものね」
約束の男「その通りさ」
私「あら?」
私「でも少し変わってない?」
約束の男「どこ?」
私「あそこよ」
約束の男「・・・?」
私「──もっと近くに来て」
ほら
二つの影が──
なんかマシンさんの恋愛ものってうるってくるものが多いんです😭スチルで間をおいたりbgmの入れ方がうまかったり凄く演出が素敵でした
『影は変わらない』からこその演出に胸を打たれました。ほのぼのと流れる時間と、彼らの変わったもの、変わらないもの。凄い深みがあって、想像力掻き立てられる優しいお話でした。どこか懐かしい感じのする空気感も、好きです😆
見ろよこの形!横を向いてるだろう?
素敵でした。この横向きの奥様かわいいです!