エピソード31(脚本)
〇奇妙な屋台
店主「あら〜いらっしゃい!ユズルさん! 今日はどうしたの?」
ユズル「こんにちは! 実は占い師さんに訪ねたいことが ありまして・・・」
謎占い師「なにかしら?」
ユズル「失くし物を探しているのです。 かねがね、お噂は聞いてます。 占いは、ほどほどですが、 探しものは、よく当たると・・・」
謎占い師「まぁ、そうですね。 では占い部屋の方へどうぞ」
店主「ウフフフ 面白そうなの〜」
〇占いの館
謎占い師「リラックスしてください、 まずお茶でもどうぞ」
ユズル「美味しいですね」
謎占い師「では、この水晶に向かって 欲しいものを頭に浮かべるのです・・・」
ユズル「・・・・・・・・・」
謎占い師「青き澄んだ湖で〜 コイに〜 落ちていく〜」
謎占い師「って 出ましたけど〜」
ユズル「湖で恋に落ちる? そうですか、 ありがとうございます・・・」
謎占い師「当たるも当たらぬも アナタ次第・・・」
謎占い師「そういえば「別れの湖」と呼ばれる場所が、森の奥にあるのですよ。 カップルで行くと 必ず別れるって言い伝えのある・・・」
謎占い師「その湖にモノを投げ入れると 何かが起こる・・・とも、 言われていますね。 興味深いです。」
謎占い師「これをお持ちなさい」
ユズル「わかりました、行ってみます。 ありがとうございました」
〇睡蓮の花園
謎マッチョ「・・・ よっと!」
チャポン
謎マッチョ「フム。 ずいぶん大きな鯉が増えたな。 天敵もいないし増えやすいんだな」
ザバー
謎マッチョ「ん?」
コイコちゃん「じゃーん! 鯉の化身! コイコちゃんでーす!」
謎マッチョ「・・・」
コイコちゃん「あれ!? 驚いてくれない! チョットー! そこもっと驚くところでしょー!」
謎マッチョ「・・・」
「もっと驚けー!」
コイコちゃん「・・・あれ? なんでー!?」
リュウジ「その人が驚くわけないじゃないですか。 自然の究極王、 スーパーマッチョマンさんなのですよ」
コイコちゃん「えー つまんないの〜」
リュウジ「マッチョさん、 いつもありがとうございます。 うちの庭の湖を 手入れしてくださいまして」
謎マッチョ「いえ、まぁ仕事のうちなので」
リュウジ「コイコさん、アナタもお礼を言いなさい。 アナタの住処を快適にしてくださるのは、この方のお陰なのですよ。」
コイコちゃん「そうだったんだ〜 ありがとう、マッチョさん!」
謎マッチョ「いえいえ、どういたしまして。 ココの湖はパワースポットでして きちんと手入れすることで 周りも浄化されるのです」
リュウジ「確かに最近は、怨念というか 邪気が街まではびこってる 気がしますよ」
コイコちゃん「そうなんだー コイコちゃん よくわかんないけどぅー キレイにしてくれてありがと♡」
リュウジ「さて、ワタシはお茶でもたてましょうか。 マッチョさんもいかがです?」
謎マッチョ「よろこんで」
コイコちゃん「コイコちゃんも行くー!」
リュウジ「アナタはココを守っておいでなさい。 それがアナタのお仕事ですから。 ここを離れてはいけません」
コイコちゃん「えーつまんないの・・・ また、ひとりぼっち・・・」
コイコちゃん「誰か来ないかな・・・」
〇睡蓮の花園
ユズル「ここかな・・・ 占い師さんの言ってた湖は・・・」
ユズル「とりあえず釣ってみるか」
チャポン
ザバー
ユズル「えっ?」
コイコちゃん「じゃーん! コイコちゃん参上!」
ユズル「君は・・・」
コイコちゃん「ワタシはコイコ! よろしくね!」
コイコちゃん「お兄さん なぜここで釣りをしてるの?」
ユズル「占い師さんに聞いたら ココに失くしものがあるかもって 探しものをしているんだけど・・・」
コイコちゃん「ふーん、そうなんだ。 ねぇ、一緒に遊ばない?」
ユズル「いいけど、 後で一緒に探してくれるなら」
コイコちゃん「やったー! ヒトリで寂しかったんだもん・・・」
コイコちゃん「探すの手伝うし、 見つけたら、いいものあげるよ!」
ユズル「何をして遊ぶの?」
コイコちゃん「うーんとね、かくれんぼ! この湖の森に隠れるから ワタシを探してね!」
コイコちゃん「あなたが100数える間に、隠れるね! よーいスタート!」
「それー!」
ユズル「やれやれ。 いーち、にー、さーん・・・」
〇睡蓮の花園
ユズル「・・・九十九、百! さて、どこいったかな・・・?」
ユズル「おーい」
〇アマゾン川のほとり
ユズル「どこだろう・・・」
きゃー!
ユズル「あっちか!?」
〇霧の立ち込める森
コイコちゃん「たすけてー!」
ユズル「どうしたんだ!?」
コイコちゃん「く、苦しい・・・ 早く、湖へ帰りたい・・・」
ユズル「いま連れてってあげるよ さ、しっかり捕まって!」
コイコちゃん「う、うん」
ユズル「左に青龍、右に白虎、前に朱雀、後に玄武、前後扶翼、急々如律令・・・!」
コイコちゃん「お兄さん・・・?」
ユズル「しっかり捕まってて!」
僕はコイコをお姫様抱っこをして
急いで湖へと走った
〇睡蓮の花園
チャポン
バシャバシャ
コイコちゃん「はぁはぁはぁ」
ユズル「大丈夫か?」
コイコちゃん「大丈夫、 だいぶ落ち着いたよ。 ごめんね、ありがとう」
ユズル「急に苦しんでたから・・・」
コイコちゃん「ワタシはこの湖の 鯉の化身なの。 やっぱりこの湖から 離れては生きていけないんだわ・・・」
コイコちゃん「助けてくれてありがとう。 かくれんぼ見つかっちゃったし、 これ、約束だからあげるね」
コイコちゃん「お兄さんが探してたのは これなんでしょ?」
ユズル「良く分かったね・・・」
コイコちゃん「だってそっくりだったもの。 アナタのお祖父様に・・・ ワタシの渡した剣を、最後に この湖に沈めたヒト」
コイコちゃん「アナタも魔物と戦うんでしょ?」
ユズル「あぁそうらしい」
コイコちゃん「私にできることはこれくらいしかないわ。 じゃあまた、遊んでね」
コイコちゃん「だってね 寂しいんだもん」
ユズル「力がみなぎってくる・・・ ありがとう」
チャポン
ユズル「戦いが終わったら 僕もまた返しに来るよ」
リュウジ「ユズルさん、お茶でもいかがです?」
ユズル「リュウジ。 見てたのか?」
リュウジ「ええ。 アナタもお祖父様の血を受け継ぐもの・・・ ワタシと同じ宿命を持つもの」
ユズル「陰陽五行の戦士として怨霊たちと 戦わないといけないのだな」
キンヤ「そうですね、ユズルさん」
「我々もいますよ」
リュウジ「おやおや、陰陽五行の皆さん、 お揃いで。 では茶室に参りましょうか」
ユズル「・・・」
〇奇妙な屋台
ユズル「店主さん」
店主「あら、ユズルさん。 どうしたの?」
ユズル「探しもの、見つかりました。 ありがとうございます。 占い師さんにもそう、お伝え下さい」
「そう、良かったわね」
店主「ゆっくりして おいきなさいよ」
ユズル「ありがとうございます!」
店主「それまでお店を閉めるのは 待っててあげるわ。 ウフフフ」
ユズル「美味しいですね」
店主「アリガト。」
コイコちゃん、とっても可愛いですねー!
そしてこのストーリーの背景に何とも厳めしい物語が進んでいて、そちらも胸アツですね!
この作品は、不思議な屋台から始まり、占い師さんとの出会い、そして湖での出来事を通して、人と人とのつながりや大切さが描かれています。主人公のユズルさんが、失くしたものを探すために湖へ向かう中で、湖の鯉の化身であるコイコちゃんと出会い、一緒に遊んだり、助け合ったりする姿が印象的でした。物語の中で、人とのつながりや大切さを感じられ、心が温かくなりました。また、不思議な屋台や占い師さん、謎マッチョといったキャラクターたちも魅力的で、物語に深みを与えていました。全体的に、ヒューマンな作品で、心に残る感動的なストーリーでした。
最後に店主がユズル君にあげていた飲み物がなんだか色々な意味で温かそうでほっこりしました。コイ子ちゃんと何かこの先展開あるかなあと期待しています!