片思いでもいいじゃない。好きな人を応援します!!(脚本)
〇学園内のベンチ
入学式
本川 夢(ヤッバッ!遅刻する)
本川 夢(緊張して眠れなくて、結局寝坊するって)
全速力で走って、
思いっきり、コケタ。
本川 夢(痛い、痛すぎる、もう無理だ・・)
本川 夢(このまま、地面に埋まってくれ・・・)
上田 慶一「大丈夫?」
本川 夢「・・・」
上田 慶一「立てる?」
本川 夢「ははは、はい・・・」
立ち上がって、一歩足を踏み出した。
ズキンッ!
本川 夢「いったーーーい!」
上田 慶一「無理しない方がいいよ」
上田 慶一「保健室に行こう」
なんと初めて会ったその男の子は、私をおんぶして保健室まで連れて行ってくれた。
保健室で私を降ろすと急いでいたようで走って行ってしまった。
〇体育館の舞台
遅れて式場の体育館へ行くと、さっきの男の子が壇上に上がっていた。
新入生代表として宣誓を述べていた。
本川 夢(まじ・・・)
本川 夢「カッコよ」
高校生活初日、恋に落ちた。
〇教室
驚いたことに彼とは同じクラスだった。
本川 夢(信じられん・・・しかも隣の席・・)
本川 夢(横顔もまたカッコイイ)
本川 夢(全然、授業に集中できん)
上田 慶一「あれ?もしかして・・・入学式の時の」
本川 夢(まずい・・あの時のお礼言ってなかった)
本川 夢(できれば、忘れてて欲しかったが)
本川 夢「ああああの!ありがとうございました」
上田 慶一「大丈夫?足?」
本川 夢「はははい」
上田 慶一「良かった」
上田 慶一「これからよろしくお願いします」
本川 夢「よ、よろしくおねがいします」
〇二人部屋
本川 夢「ねぇ!すごくない!」
本川 夢「恋のフラグ立った?」
本川 夢(という事は、)
〇教室
妄想劇場、スタート!
上田 慶一「あの時、君を助けたのは運命の出会いだったんだね」
妄想上の自分「はい」
妄想上の自分「初めて会った時から好きでした」
上田 慶一「僕も」
上田 慶一「好きです」
〇二人部屋
本川 夢「きゃぁーー!」
本川 夢「どうしよう~」
「お姉ちゃん、うるさい!何ブツブツ言ってんの!」
〇図書館
それからストーカーバリに上田様を尾行、ウフフ♡
本川 夢(図書館か・・)
本川 夢(あっ、行っちゃった・・・)
本川 夢(どんな本を借りたんだろう?)
本川 夢(は?ここ全部英語の小説?全く読めん・・・)
本川 夢(そうだ、図書委員になれば・・)
妄想劇場、スタート!
上田 慶一「貸出お願いします」
妄想上の自分「上田さんはいつも難しい本ばかり読むんですね」
上田 慶一「いや、そんなことないですよ」
妄想上の自分「返却は2週間後です、どうぞ」
お互いの手が触れ合う。
妄想上の自分「あっ」
妄想上の自分「ごめんなさい」
本川 夢(な~んてね)
本川 夢(いや、ダメだ、本見ただけで直ぐ眠くなるんだった)
〇体育館の中
本川 夢(部活は、バレーボール部ね)
本川 夢(先輩にしごかれてる・・・)
本川 夢(ちょっとーー!上田様をいじめるな!!)
本川 夢(ならば、マネージャーになって・・)
妄想劇場、スタート!
妄想上の自分「上田さん、お疲れ様です、良かったらこれで汗を拭いてください」
上田 慶一「ありがとう」
「マネージャー、危ない!」
飛んできたボールを避けれず、顔面直撃!!
上田 慶一「大丈夫?」
本川 夢(そうだ、絶望的に運動神経がなかった!)
〇学食
ランチルーム
本川 夢(この席なら、上田様が見える)
本川 夢(今日もかつ丼食べてる、好きなのかな?)
本川 夢(一緒にランチしたいな~)
妄想劇場、スタート!
妄想上の自分「上田くんにお弁当を作ってきたの」
上田 慶一「僕に?かつ丼!嬉しいな」
上田 慶一「美味しい」
妄想上の自分「良かった」
上田 慶一「料理上手なんだね」
本川 夢(ん?料理なんて出来たっけ?)
本川 夢(かつ丼なんて作ったことないわ!)
〇体育館裏
本川 夢(さすが学年トップ美女の佐々木さん、掃除姿もかわゆい)
上田 慶一「遅れてすいません、委員会が長引いて」
本川 夢(上田様)
上田 慶一「佐々木さん大会準備ありますよね、行っていいですよ」
佐々木さん(クラスメイト)「いいの?じゃぁ、後はよろしく!」
本川 夢(上田様は、やさしいなぁ)
本川 夢(てか、神様か!)
山口 茜(クラスメイト)「上田君、掃除当番?」
本川 夢(あれは、山口さん!)
山口 茜(クラスメイト)「一人?」
上田 慶一「まあね」
山口 茜(クラスメイト)「手伝おうか?」
上田 慶一「え?大丈夫!大丈夫!」
山口 茜(クラスメイト)「手伝うよ、ほうき持ってくるね」
本川 夢(私も山口さんみたいに言えたらなぁ~)
本川 夢(なんか、良い雰囲気じゃない)
本川 夢(ちょっとーー!)
本川 夢(痛い、なぜこうなる?)
山口 茜(クラスメイト)「なんか、大きな音聞こえたけど?」
「本川さん?大丈夫!」
「・・・」
〇教室
国語教師「次のページを本川さん読んで下さい」
本川 夢「すすいません、教科書をわ、わ忘れました」
国語教師「それは、いけませんな」
国語教師「では、別の人に・・・」
上田 慶一「本川さん、一緒に」
上田くんが、机を寄せて教科書を見せてくれた。
本川 夢「えっ!いいいんですか?」
上田 慶一「教科書が無いと授業分からないよ」
本川 夢「ああありがとうございます」
本川 夢(ホント、やさしい)
〇二人部屋
本川 夢「机くっつけて一緒に教科書見るなんて」
本川 夢「夢のような時間だったな~」
本川 夢「もっと上田様に近づける方法ないかな~」
本川 夢「頭も良くて、優しくて、カッコイイ・・・」
本川 夢「見るだけで十分か~」
本川 夢「これ以上望むなんて身の程知らずだーー!!」
「お姉ちゃん、マジうるさい!!」
〇学校の廊下
上田 慶一「一人で持てるから、山口さんはいいよ」
山口 茜(クラスメイト)「ありがとう、私はあっちの荷物持ってくるね」
本川 夢(上田様は、山口さんといると楽しそうだな)
上田 慶一「あのさ、山口さんは、村松くんと付き合ってるの?」
山口 茜(クラスメイト)「え?付き合ってないよ、幼馴染なの」
上田 慶一「茜って呼び捨てだし、仲いいから」
山口 茜(クラスメイト)「そうかな?」
山口 茜(クラスメイト)「荷物取ってくるね」
上田 慶一「そっか・・、良かった」
本川 夢(・・聞こえてしまった)
本川 夢(痛い、またやってしまった・・)
山口 茜(クラスメイト)「あれ?本川さんどうしたの?」
本川 夢(コケたんです・・ハイ)
山口 茜(クラスメイト)「・・・平気?」
〇二人部屋
本川 夢「ショック!!」
本川 夢「やっぱり、山口さんが好きなのか~」
本川 夢「でも、山口さんは幼馴染の村松 充のことが好きなはず」
本川 夢「上田様、片思いか・・」
本川 夢「よし!ここは私が上田様の恋を応援してあげようではないか!」
「もう!お姉ちゃん、静かにして!!」
〇大きな木のある校舎
変わらず、上田様を遠目から見つめる日々は続き、二年生になった。
クラスはそのまま持ち上ったが、頭の良い上田様とは同じ授業がなくなってしまった。
上田様の恋も片思いのままのようだ。心の中で応援するしかできないのが、歯がゆい・・・。
〇教室
クラスメイト「ねぇ、村松くんといつから付き合ってるの?」
クラスメイト「向こうから告白されたの?」
佐々木さん(クラスメイト)「まあね~」
本川 夢(え?佐々木さんと村松君が付き合っているだと!)
本川 夢(まさか・・そんな展開になるなんて?)
本川 夢(こ、これは上田様チャンスなのでは!)
〇学校脇の道
上田 慶一「お陰で助かったよ、本当にありがとう」
山口 茜(クラスメイト)「文化祭上手くいくといいね」
本川 夢(上田様と山口さん、一緒に帰ってる)
本川 夢(遂に、上田様の恋が実った?)
上田 慶一「僕、山口さんが好きなんだ。よかったら付き合ってくれませんか?」
本川 夢(こ、告白!!)
- このエピソードを読むには
会員登録/ログインが必要です! - 会員登録する(無料)