美少女なのにモテない女(脚本)
〇学校の屋上
男子生徒「ずっと前から好きでした」
男子生徒「良かったら、僕と付き合ってください」
美少女ちゃん「そ、そんなこと急に言われても」
美少女ちゃん「困るなあ・・・私のどこが好き?」
男子生徒「思慮深く繊細で、他人を思いやれるところが好きです」
女子生徒「私、そんなにいい子じゃないよ」
男子生徒「確かに、立ち入り禁止の屋上にいるなんて悪い子かもしれませんね」
女子生徒「もう!」
男子生徒「でも、その理由も・・・」
美少女ちゃん「・・・」
美少女ちゃん「・・・またこのパターンか」
美少女ちゃん「こんなに可愛いのに、何故か私はモテない」
美少女ちゃん「男は皆、別の女に夢中になる」
男子生徒「・・・でね、返事は今じゃなくてもいいから」
女子生徒「今じゃ、だめ?」
男子生徒「えっ、もっ、勿論いいけど」
男子生徒「こ、心の準備が・・・」
美少女ちゃん「心の準備くらいしてこいやー!」
美少女ちゃん「それでも武士か貴様ァ!」
美少女ちゃん「あーもうお前ら試合決定〜!」
美少女ちゃん「恋のブレイキングダウンが始まるぜ!」
女子生徒「じゃあ心の準備ができるまで、一緒に帰ろっか?」
男子生徒「は、はい!」
美少女ちゃん「このあとめちゃくちゃ(ピー)した」
美少女ちゃん「まったく、青春だね!」
美少女ちゃん「・・・じゃねえんだワ!」
美少女ちゃん「私という美少女がいるのに目もくれず他の女に告白なんてあいつ眼球付いてんのか?」
美少女ちゃん「私は学園一の美少女様ぞ?」
美少女ちゃん「見よ!このチャーミングな立ち姿!」
美少女ちゃん「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花ァ」
美少女ちゃん「・・・」
美少女ちゃん「どうして私、こんなに影が薄いんだろう」
美少女ちゃん「誰も私と目を合わせてくれないし」
美少女ちゃん「もしかして私、いじめられてる?」
美少女ちゃん「いやいやそんな、まさかぁ」
美少女ちゃん「・・・まさかね」
美少女ちゃん「確かに思い当たる節はあるけど」
美少女ちゃん「うん。思い当たる節しかないわ」
美少女ちゃん「だって、私こんなに可愛いし」
美少女ちゃん「女子はみんな嫉妬するよね」
美少女ちゃん「はぁ」
美少女ちゃん「可愛すぎるのも大変ですな!」
美少女ちゃん「・・・まあ冷静に考えて、私の顔が美しすぎて直視できないんだろうけど」
美少女ちゃん「だってこんな美少女と目が合ったら、それだけで心臓が止まってしまうもん」
美少女ちゃん「私は現代に生きるメデューサですな」
美少女ちゃん「本当、美しすぎるって罪だよね」
女子生徒「ごめんね。忘れるところだった」
女子生徒「・・・」
女子生徒「また来るね」
美少女ちゃん「・・・」
美少女ちゃん「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」
美少女ちゃん「なら、ここから飛び降りた私は何の花に喩えられようか」
美少女ちゃん「はぁ。私、本当に死んだんだ」
美少女ちゃん「いやー、まさかね・・・」
美少女ちゃん「ほんの出来心というか、感情に流されてというか」
美少女ちゃん「今思えば、すごく勿体ないことしたなあと思う」
美少女ちゃん「だってこんな美少女だよ?」
美少女ちゃん「こんな美少女に生まれたのに・・・」
美少女ちゃん「・・・」
美少女ちゃん「こんな美少女に生まれたからだよ」
美少女ちゃん「こんな美少女に生まれたせいで私は!」
美少女ちゃん「あああああああああああああ!」
美少女ちゃん「なんでだよぉ!私は普通で良かったんだよ!」
美少女ちゃん「別に男になんかモテなくていい!」
美少女ちゃん「普通に友達作って、普通に出かけたりしたかったんだよ!」
美少女ちゃん「クソが!死ねよ!」
美少女ちゃん「可愛いお前は死ね!」
美少女ちゃん「可愛い私は死ぬしかねえんだよ!」
美少女ちゃん「もう死んでるよ!」
美少女ちゃん「うわあああああああああ!」
著者コメントで完成する作品だ……!
解説読んだ後だと、また違った味わいになりますね。面白い、というか、なんだ……
めっちゃフィクションの筈が、暗く生々しい感覚……?
コミカルな雰囲気とブラックが織り交ざってて、余計にドキっとさせられました!だからずっと一人語りだったのかー、と。セリフ回しもぐんぐん読めて面白かったです!
途中から幽霊だと察しても、何故死んだか・心情までは無理でした。やられました😅
セリフがホント良いなぁ、思ってたら作者コメントが更に圧倒的でした👏