エイプリルフールと優しい嘘とワタシ

ぽむ

エピソード30(脚本)

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〇立ち食い蕎麦屋の店内
詐欺師サギ「・・・でね、おばあちゃん。 100万円必要なんだよ。 困っててね」
おばあちゃん「そうかい、そうかい。 次に来るときには、 用意しておくよ!」
アカリ「おばあちゃん、こんちわー!」
詐欺師サギ「じゃ、おばあちゃん オレまた来るからね。 用意してね!」
「さいなら」
アカリ「誰?今の」
おばあちゃん「あぁ、孫の友達だってね〜 孫が事故で入院したから、 お金が必要なんだってさ」
アカリ「おばあちゃん! それ、絶対にサギだよ! お金用意しちゃダメなんだよ!」
おばあちゃん「あら、そうなのかい〜 アカリちゃんが言うなら そうなのかねぇ〜」
アカリ「絶対にダメだからね! あの人来ても家にいれちゃだめだよ! 必ず、ワタシに伝えて!」
おばあちゃん「わかったよ〜」
アカリ「ふう。 全くもう〜 なんで、そういうこと するんだろう〜」

〇公園のベンチ
詐欺師サギ「くそー 今月末までに借金・・・ 払わないと大変なことになる・・・」
詐欺師サギ「ボコボコにされて 海に流されてしまうかもしれない・・・」
詐欺師サギ「なんとかしねぇと。 あ、あれは・・・?」
アニキ「よう!サギじゃねえか! ひさしぶりだな! 元気してたか!?」
詐欺師サギ「アニキ! ご無沙汰しております! オレ!アニキに憧れてます!」
アニキ「オイラはなぁ、もう悪いことからは、 足を洗ったんだ。 この街の人に助けられてなぁ。 なぁオトウトよ!?」
オトウト「はい!アニキ!」
詐欺師サギ「アニキほどの人が・・・ どうして・・・」
アニキ「うるせぇ! この街の人に手を出したら オイラが黙っちゃねえ! オイラ達はこの街の人を守るって決めたんだよ!」
アニキ「なぁ!オトウト!?」
オトウト「はい!アニキ!」
アニキ「お前も、悪いことからは足を洗って、この街に住むんだな。 きっと悪くねえぞ」
アニキ「さ、行くぜオトウト!」
オトウト「はい!アニキ!」
詐欺師サギ「嘘だろ・・・アニキ」
詐欺師サギ「どうすりゃ、いいんだよ・・・」

〇奇妙な屋台
アカリ「ってことが、あったわけ〜 もうムカつくでしょー!」
ヨージ「モグモグ」
店主「そうね、その通りよ。 人を騙すのは 良くないことよね。。 まして相手に損をさせるなんてね」
アカリ「ねー。酷いよね。 今度あったら、捕まえてやる!」
店主「あら〜勇ましい! でも、アブナイから捕まえるのは ワタシ達オトナに任せておきなさい!」
店主「・・・で、そのヒト どんな顔をしてました?」
アカリ「そう、こーんな顔って」
詐欺師サギ「こんにちは〜 何か食べるものをください〜」
アカリ「こ、この人・・・」
詐欺師サギ「や、やぁ。 君たちも、何か食べるかい?」
アカリ「結構です!」
詐欺師サギ「そ、そう。 じゃ・・・さよなら」
店主「お待ちなさい。 これを差し上げるわ。」
店主「ワタシも いただきものだから、 タダで分けて差し上げるわ。 どうぞ」
詐欺師サギ「ありがとう。じゃ。」
  タッタッタッタッタッタッ
謎占い師「店主! どうしてあんな奴に 差し上げるのですか?」
謎マッチョ「そうですよ、泥棒に追い銭に なりませんか?」
店主「あぁ、あの樹の実はね・・・」

〇立ち食い蕎麦屋の店内
詐欺師サギ(もう!やるしかねぇ! 金がなければ殺されちまう!)
詐欺師サギ「おばあちゃーん! こんにちは! 用意できた!?」
おばあちゃん「それがねぇ・・・ 大変なことになっちゃたんだよ・・・」
おばあちゃん「今月中に300万払わないと この店を追い出されるって 地主さんに言われてさ・・・」
詐欺師サギ「えっ」
おばあちゃん「先祖代々、守ってきた店なんだけどねぇ。 もう私の代で終いかねぇ・・・」
詐欺師サギ「おばあちゃん・・・」
おばあちゃん「孫は入院して具合も悪いんだろ、 金もないし、 もうダメだねぇ 死んじゃうかねぇ・・・」
詐欺師サギ「そ、そんなことないだろ。 よし、オレがなんとか してくるよ!休んでろよ!」
おばあちゃん「そうかい・・・?」
詐欺師サギ「えーい、チクショウ!」
  タッタッタッタッタッ

〇立派な洋館
詐欺師サギ「も、もう強盗にでも 入るしか・・・」
謎マッチョ「何をしているのです?」
詐欺師サギ「な、なんでもない。 あっちいけ!」
謎マッチョ「困っているのでしょう? 手伝ってもらいたいことが あるのですよ」
詐欺師サギ「手伝い・・・?」

〇岩山
  ヒュオオオオオオーーー
詐欺師サギ「どこだ!? こ、ここは・・・?」
謎マッチョ「はい、これを」
謎マッチョ「春のキャンペーン! 通常1億円のところを 一時間1000円、掘り放題!」
詐欺師サギ「は?」
謎マッチョ「じゃ、頑張って。 一時間後にまた来るから!」
詐欺師サギ「は?」
詐欺師サギ「ち、チクショウ!」
  ガッ
詐欺師サギ「なんだこれ・・・」
  ガッガッ
  ガッガッガッガッガッガッガッ

〇岩山
詐欺師サギ「ハァハァハァハァ どうすりゃいいんだよ」
謎マッチョ「うむ、ずいぶん頑張ったな」
謎マッチョ「おつかれさま。 これ買い取り報酬だ。 持っていけ」
詐欺師サギ「こ、こんなに?」
謎マッチョ「真面目にやっていたほうが ちゃんと金になるだろう? 馬鹿馬鹿しいことは やめるんだな」
詐欺師サギ「・・・」

〇立ち食い蕎麦屋の店内
  おばあちゃーん
おばあちゃん「あらあら、来てくれたのかい?」
詐欺師サギ「ほら!お金!」
おばあちゃん「あらまぁ!どうしたんだい!? こんな大金・・・ 受け取れないよ!」
詐欺師サギ「いいんだよ! ・・・お孫さんの保険が降りたんだよ! これで助かるぜ!」
おばあちゃん「ありがとう、いい子だね!」
詐欺師サギ(これくらいの 嘘ならいいだろう?)

〇奇妙な屋台
店主「相手にとって 良い結果になればいい、 それだけを考えてつく嘘。」
店主「ウソをついたことで、 自分がもし損をすることに なったとしても構わない、 それが、優しいウソなのよね」
店主「さて、店じまい店じまい」

コメント

  • マッチョの涙の採掘場で1時間掘り放題!? これは何と魅力的な!
    とても優しく清々しいお話で、すごく気持ちのいい読後感です!

  • 謎マッチョ活躍回✨

  • こうやって世の中から悪い考えの人がどんどんいなくなってほしいですね🥺面白いお話でした。

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