何をするのだろうか……(脚本)
〇華やかな裏庭
女王・フェアル「オゼ!今日も付き合ってもらうわよ!」
魔王・オゼ「き、今日はなんだ、フェアル」
女王・フェアル「あら?なんでそんなにお疲れなの?」
魔王・オゼ(お前のせいだよ・・・)
魔王・オゼ(なんで、おままごとで一人五役もやらなきゃいけないんだよ!)
魔王・オゼ(おまけに、犬からドラゴンの動物まで・・・喉も表情筋も死ぬわ!)
女王・フェアル「あらあら!おかしい顔をしているわね!!」
魔王・オゼ「うるさい!さっさとしろ!何をやるんだ!!」
フェアリアル王国の王女であり、最強ワガママ女のフェアル。
ダークネス帝国の魔王なのに、押しに流され弱っちい、オゼ。
異質な幼なじみの二人が、今日も何かをするようです──
魔王・オゼ「で、何なんだ」
女王・フェアル「えっとね〜今日はね〜」
女王・フェアル「告白のシュミレーションをするのよ!!」
魔王・オゼ「・・・は?」
女王・フェアル「あっはは!その顔面白いわ!」
女王・フェアル「じゃ、あなたがモブ男役ね!」
魔王・オゼ「ちょ、ちょっと待て、フェアル」
魔王・オゼ「話に追いつけないんだが」
魔王・オゼ(それにモブ男って、一体誰なんだ)
女王・フェアル「はいはいっ、つべこべ言わずにやる〜♪」
魔王・オゼ「はぁ・・・」
女王・フェアル「じゃ、早速行くわよ!」
魔王・オゼ「はいはい、勝手にどうぞ」
女王・フェアル「・・・こほん」
女王・フェアル「こ、こんにちは、モブ男さん」
魔王・オゼ「こんにちはー」
魔王・オゼ(えぇい、もうこうなったらヤケクソだっ)
女王・フェアル「そ、その、きっ、今日は天気がいいですね」
魔王・オゼ「あぁ、そうだなー」
女王・フェアル「えと、あの、その・・・」
女王・フェアル「あ、あなたが好きです!付き合ってください!!」
魔王・オゼ(ハッ、いかん。何ださっきのは・・・)
魔王・オゼ(平常心、平常心)
・・・
女王・フェアル「あらっ、いけませんわ・・・私ってば、つい・・・」
魔王・オゼ「待て待て待て待て、「つい」で喋ることか普通」
魔王・オゼ「それに、会話のバリエーションが少なすぎだ」
魔王・オゼ「極めつけに、そんなお偉いお美しい王女様から急に告白されたら心臓止まるかもだろ」
魔王・オゼ「全く・・・」
魔王・オゼ(ま、俺が言えるようなものでも無いのだが)
女王・フェアル「そっ、そうね、気をつけないと」
魔王・オゼ「それにしても、フェアルの好きな人は誰なんだ」
魔王・オゼ(あ、やべ!!サラッと聞いちゃった!!)
女王・フェアル「あら、あなたがそんなこと聞くのね」
女王・フェアル「まぁ・・・練習に付き合ってもらったし、話してもいいわよ」
魔王・オゼ(いや、話すのかよ!?)
女王・フェアル「私の好きな人・・・それはねぇ」
この方よ!(※写真)
女王・フェアル「ずっと前、見かけた時に、ビビッときたの!」
魔王・オゼ「こっ、こここ、この男は!!」
魔王・オゼ「フェアルに疲れて、逃げ出した時の昔の俺じゃねぇかァー!!!!(心の中)」
魔王・オゼ(いやまて、落ち着くんだ俺)
魔王・オゼ(フェアルは、モブ人間だった頃の俺に恋をしているんだろう?)
魔王・オゼ(それで俺も、何だかんだでこいつのことは・・・)
魔王・オゼ(ということは、つまり)
魔王・オゼ「両・思・い゛!!(うるさい心の声)」
女王・フェアル「オゼ?ちょっと、ねぇ、」
恋している人に呼びかけられても、
ぐわんぐわん肩を揺さぶられても、
オゼはずっと、
固まっているのであった
𝑭𝒊𝒏.
あらあらまあまあ、と終始口にしてしまいそうな展開で、ニヤケながら読んでました!2人の距離感がちょうどいい感じで!
モブ男さん、その役名呼びってww
フェアルが王女様だからこそモブ男に惹かれる気持ち、ちょっとわかるなー。オゼはおままごとで一人五役ができるんだから、魔王とモブ男の二刀流も楽勝なんじゃないかな。あと、オゼの心の声が文字だけなのに画面を通してもうるさくて面白かったです。