胴上げに疑問を持つ女

ガンダーラ磯崎

胴上げについて(脚本)

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〇野外球場
リクツ「最高の目標を達成した時にだけ実行される」
リクツ「至高の労い。それが・・・」
リクツ「胴上げよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
リクツ「しかし!」
リクツ「胴上げをする者は、 胴上げされている者の 喜びの表情が見えず、」
胴上げする選手1「球場のビジョン観ながら胴上げしないと、 監督の表情なんて分からないんだ!」
胴上げする選手2「監督が胴上げされてる時、  真顔だったらどうしよう!?」
胴上げする選手1「近いものほど見えない」
胴上げする選手2「皮肉なもんだぜ」
リクツ「胴上げされている者は、 胴上げする側の表情が見えない」
胴上げされる監督「気が付いたら知らない人達に 入れ替わってたらどうしよう?」
リクツ「監督は・・・」
リクツ「ひたすら選手達の野太い歓喜の声と 分厚い手の感触を背中で感じながら・・・」
リクツ「天に向かって満面の笑みを作らなければならない」
リクツ「思ったよりも宙に舞わない」
胴上げされる監督「もっと浮遊感を味わいたいんだ!」
リクツ「これでは監督の壮快感が物足りず・・・」
リクツ「返ってフラストレーションが溜まるのではないか?」
リクツ「この胴上げ問題の解決策を考えた結果を」
リクツ「読者だけにお伝えするわよ!!」
リクツ「その1:胴上げの瞬間、監督のもとへ パワーリフターを2人配置する!!!」
パワーリフターA「本当の「宙に舞う」を見せてやるぜ!」
パワーリフターB「天井、いや大気圏を突き抜けるくらいの 胴上げを約束する!」
リクツ「その2:双方の表情が見えるように、 胴上げの最高到達点より少し上辺りに 馬鹿デカい鏡をあてる」
胴上げされる監督「あ!選手達の笑顔が見える!」
胴上げする選手1「あ!監督の笑顔が見えるぞ! 笑ってる笑ってる!」
リクツ「その3: 鏡が無理な場合、 監督は下向きになって胴上げされる!」
胴上げされる監督「選手達のごっつい手が顔面に 当たりそうだけど、」
胴上げされる監督「直でみんなの笑顔が見えるから良いや!」
リクツ「以上の3つを提案したわ」
リクツ「もし今後あなたが、」
リクツ「胴上げ(至高の瞬間)を経験する 機会があったならば・・・」
リクツ「以上の3つを参考にしてくれたら幸いよ!」
  おわり

コメント

  • 素晴らしい思考実験でした。
    たしかに改めて考えると胴上げにはいくつか問題がありますね。

    私は結局端っこの選手は胴上げしていない問題についても改善が必要だと考えますね。監督の体重を分散させる板などを介することで、全員が胴上げに真の意味で参加出来る…!
    いかがでしょうか。

  • 「俺一人くらいやらなくても」と全員が手を離したら、上げられてた人が床にバッタリ落ちて病院に運ばれた事件が以前ありましたね。リクツさん、このような蛮行にはぜひ厳重なルールを定めて法制化までお願いします。実現したら胴上げしてあげますから!

  • 感動、感激のピークである胴上げシーンを淡々と冷静に分析するって、これ楽しいですね!パワーリフターや鏡などを用意周到に整えていると、何だか冷めそうな気が…ww

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