読み切り(脚本)
〇古風な和室(小物無し)
歳「お茶をどうぞ・・・」
男「ワシと結婚してくれんか?」
歳「な、なによ・・・」
歳「急に・・・」
男「この言葉が聞きたかったんだろ?」
男「ワシもまた、 この言葉を言いたいと思っていた」
嘘・・・
全部嘘・・・
歳(この人は 私と結婚したいなんて思ってない)
歳(女を喜ばせようと口にする男の嘘)
歳(でも、それを受け入れるのが女の嘘)
歳「語ってくれる? どう私を愛しているのか──」
男「あぁ、良いよ。 今日はその為に来たんだ」
男「出会いは春──」
男「桜並木を歩く君を一目見て、心を奪われた」
男「60年前、君はまだ女学生だった──」
男「スカートと同じ、黒く長い髪が、 一緒に風になびいていた」
歳「そんなに昔から?」
男「そう、そんなに昔から」
男「そして夏は──」
男「皆で夏祭りに行った時、 君の後ろ姿を、ずっと眺めて歩いていた」
歳「声を掛けてくれたら良かったのに──」
男「何度も声を掛けていたよ 心の中ではね」
男「提灯の灯りに照らされた、君の横顔を見る度に、ワシの言葉は消えていった」
男「息を呑むほどと言うが、そんな時には言葉もでないものだ──」
男「それくらいに君は美しかった──」
歳「でも貴方は、その思いを告げてくれなかった」
男「したいと思った、だができなかった」
男「一人前の男になったら、君に声を掛けられる」
男「そんな気がした──」
男「それまでは君の事を忘れていようと思った」
歳「そして忘れた──」
男「違うよ──」
男「いつかの秋──」
男「君を迎えに行ったんだよ」
男「でも、遅かった──」
男「君は既に結婚していた──」
男「色づいた葉が落ちる様に ワシの恋心も終わった」
男「終わった──」
男「そう思っていた──」
- このエピソードを読むには
会員登録/ログインが必要です! - 会員登録する(無料)
いやーーー😭
切ない恋のお話だと思ったら……思ったらぁ~😱
演出がお上手で、めちゃくちゃゾワッとしました。
面白かったです✨
なんでこんな女が好きなんだ…
見る目なさ過ぎですよ。いや、わかっててハマったのか。食虫植物みたいな女ですね。
年齢制限?いい話じゃん……え?え?
怖いよー!?!