チアガールの女

ちろり

スタンドは私の天職です!(脚本)

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〇野球場の観客席
リーダー「あぁ、これこれ 「私を野球に連れてって」のメロディ──」
リーダー「6月の日曜日、白い雲がわく青い空に 白球が舞う バットの快音が高い空に吸い込まれていく」
リーダー「私はこの雰囲気が大好き── 試合が始まる前の何とも言えない高揚感 詰めかけてくる家族連れ、恋人たち、 熱心な応援団」
リーダー「その誰もが瞳を輝かせて、これから始まる ゲームを待っている」
リーダー「私たちはこのお客さまのためにも その役割をまっとうしなければならない」
リーダー「ゲームを盛り上げ、歓声を呼び起こし 球場を一体化させ、最高にエキサイティングな休日を提供するのだ」
リーダー「私が決意も新たにグラウンドを見ていると チームメイトのアミが声を掛けてきた」
アミ「今日はお客さん、たくさん入ってますね」
リーダー「チーム一のダンス上手のアミ スラリと伸びた脚は、連日のハードワークにもかかわらず、どこまでもしなやかだ」
アミ「三塁側には負けられませんね」
リーダー「私たちのチームはホームである一塁側、 親会社の名前を取って ブリュワールガールズと呼ばれている」
リーダー「メンバーは皆、健康的で容姿端麗、さらに 1日中、動き回れる体力も要求される 選び抜かれた精鋭揃いだ」
リーダー「過去には美しすぎる球場ガールとして 芸能界デビューを果たしたメンバーもいる」
カレン「お疲れ様です!」
リーダー「最年少のカレン、独特ののんびりした 雰囲気で贔屓にしてくれる お客様も多い──」
リーダー「カレン、疲れてるみたいだけど、 スマイル、スマイル! 私たちの仕事は笑顔を届けることよ!」
カレン「はい!リーダー!」
リーダー「私たちは一糸乱れぬチームプレーで 一塁側のお客様を掌握しなければならない」
リーダー「アイコンタクトでお互いの位置を確認しつつ、美しいフォーメーションで行動するのだ」
アミ「練習終わったみたいですよ」
リーダー「選手たちがウォーミングアップを終え ベンチに引き上げていく」
リーダー「さぁ、私たちの出番だ! 試合前にまず一回、盛り上げなければならない」
リーダー「アミ、カレン、担当する通路はわかってるわね! 一丁、派手に声出していくわよ!」
「レッツゴー!ブリュワース!」
リーダー「掛け声と同時に私は商売道具の タンクを背に担いだ」
「ちわ〜す! ビールいかがですか?」
リーダー「この独特の親しみやすい掛け声で 私たちは「ちわっガール」と呼ばれている」
リーダー「三塁側の売り子に負けてられない! このビールでお客様に景気をつけるのだ!」
リーダー「ゲームを盛り上げるため、 バイト代のため、私たちは階段を上下し 声を出し続ける」
「ちわ〜っす!ビールいかがですか?」
  チアガールの女 改め
  ちわっガールの女
  終わり

コメント

  • はい、ソッチかい!と心のツッコミが出ましたww
    ま、球場の観客の一部は「賑やかな場所でビール飲みたい」という人達ですから、彼女達の存在もとっても重要ですよね!

  • 試合を見にきているおじさんたちには、チアガールよりも圧倒的にちわっガールのほうが必要で重要な存在だと思いますよ。フレーっ、フレーっ、ちわっガール!

  • 作者が女子化してるのが、手にとるようにわかりますね

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