おねがい!お義父さん

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おねがい!お義父さん(脚本)

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〇荒野
ハリル「・・・」
ハリル「娘さんを、ボクにください!」
魔人「・・・」
魔人「ちょ、ちょっと待ってくださいよ! ご主人様!」
魔人「それ、本気で言ってます・・・?」
ハリル「もちろん、本気」
魔人「いや、わかってますよね? これ3つ目の願いですよ・・・?」
魔人「ブレスレットの魔人である私は、 3つ目の願いを叶えたら・・・」
ハリル「再びブレスレットの中へ入り、 数百年の眠りにつく」
魔人「そ、それ、わかってて・・・」
魔人「キサマぁ! 調子に乗んじゃねぇぞ・・・!」
ハリル「ご主人様に向かって なんて口のきき方だ!」
魔人「あ、いや・・・すいません、つい・・・」
ハリル「・・・」
ハリル「ボクたち、真剣なんです。 わかってください」
ハリル「・・・お義父さん」
魔人「だぁーっ!まだ早い!その呼び方は早い! ・・・ですよ、ご主人様」
魔人「いや、あの、しかし、 ご主人様はともかく サーラの気持ちは・・・」
サーラ「アタシも・・・同じ気持ち」
魔人「サーラ!」
魔人「サーラ!わかってんのか? この若造・・・」
魔人「い、いや、ご主人様は人間、お前は魔族、 そんなふたりが結婚だなんて、 そんなこと・・・」
ハリル「・・・愛があれば 種族の差なんて、ですよ」
ハリル「・・・お義父さん」
魔人「だーからまだ早いってぇ!」
サーラ「パパ、アタシ、もうオトナだよ?」
サーラ「・・・自分の幸せくらい、 自分で決めさせてよ」
魔人「い、いや、まぁそうなんだが、 そうなんだがな・・・」
魔人「・・・」
魔人「くそーっ! だいたいよぉ、最初からなんか おかしいと思ったんすよ!」
魔人「1つ目の願いが 『娘のサーラに会わせて』は もう確信犯でしょうが!」
ハリル「・・・古い書物に書いてあったんです」
ハリル「魔人の一人娘、サーラクン(80020歳)、 小悪魔的スマイルがとってもキュート! 今後、大注目の逸材ですゾ!」
ハリル「・・・って」
魔人「・・・なんだその 某週刊誌風の下世話な書き方は! 本当に古い書物か!?」
ハリル「その書物を読んだ後で、 偶然ブレスレットを手に入れた・・・」
ハリル「そしたらもう、 オトすっきゃないっしょ!」
魔人「・・・本人とその父親の前で よくそんなこと堂々と言えるな!」
魔人「あ、いや・・・言えますね、ご主人様」
サーラ「・・・そういう大胆不敵なトコも、好き」
魔人「どこにホレる要素があんだよ!? 今のところ、ただの ミーハーなゲス野郎だぞ、コイツ!」
魔人「・・・あ、すいません、ご主人様」
ハリル「まあまあ、ご主人様なんて 堅苦しい言い方はやめて、これからは 『ハリル君』って呼んでくださいよ」
ハリル「・・・お義父さん」
魔人「はーやーいっての! 距離の縮め方が異常!」
魔人「・・・で、ですね、 まぁ1つ目の願いは置いといて」
魔人「問題は2つ目! なに願ったか覚えてらっしゃいますか!?」
ハリル「・・・」
ハリル「『サーラとディ○ニーデート行きたい』」
魔人「どんな願いだよ! デートは百歩譲ったとして、 そんなもん自力で行きなさいよ!」
サーラ「だってぇ・・・お金なかったんだもん」
ハリル「サーラがどうしても 行きたいって言ったんです」
魔人「お前かよ!魔人の分際で 夢の国行ってんじゃねぇよ!」
サーラ「シン○レラ城をバックに 写真撮りたかったの・・・」
魔人「ベタすぎるだろ! そんなくだらないことのために 貴重な願い使うんじゃねぇよ!」
サーラ「くだらない・・・こと・・・?」
ハリル「・・・聞き捨てなりませんね、お義父さん」
魔人「・・・はぁ!?」
ハリル「ディ○ニーに行った時の サーラの笑った顔・・・素敵でした」
ハリル「本当にキュートで・・・マジ天使でした」
魔人「まーぞーくっ! 天使じゃなくて魔族!」
ハリル「ずっと前からの夢・・・ 願いだったそうですよ、 ディ○ニーに行くこと」
ハリル「それを・・・くだらない・・・?」
ハリル「子供の願いが叶うよう応援するのが、 親のつとめってもんじゃないんですか!?」
ハリル「・・・そして今、 サーラには新しい願いができました」
ハリル「ボクと・・・ 一緒になって家庭を築くことです!」
ハリル「そんな願いを・・・ ふたりの願いを・・・」
ハリル「お義父さんはまた 『くだらない』とでも言うつもりですか!?」
サーラ「・・・パパ、アタシからもお願い」
サーラ「ふたりの結婚を、認めてください!」
「お願いします!!」
魔人「・・・」
魔人「いつかこうなることは・・・ わかってました・・・」
魔人「サーラのご主人様を見る時の表情・・・ それでもう・・・ 全部わかってました・・・」
魔人「だから、あえて 2つ目の願いを叶えた・・・」
魔人「3つ目の願いも、 その時にだいたい予測できていた・・・」
魔人「2つ目の願いを叶えれば、 その3つ目の願いで 私は再びブレスレットの中へ入る・・・」
魔人「それでも・・・ 叶えてやりたいと思った」
魔人「・・・ふたりの願いを」
ハリル「・・・お義父さん」
サーラ「・・・パパ」
魔人「ご主人様・・・」
魔人「いや、ハリル君・・・ そして、サーラ・・・」
魔人「3つ目の願いを叶える・・・!」
魔人「幸せに・・・なれよ・・・!!」
「・・・」
「ありがとうございます!!」
魔人「では、最後に・・・」
魔人「サーラ・・・ ふがいない父親で、すまなかったな」
サーラ「ううん、パパ、そんなことない・・・!」
魔人「そして・・・ハリル君」
魔人「ふつつかな娘ですが、 よろし」
魔人「・・・早えーな!」

〇黒
  3年後・・・

〇西洋風の部屋
ハリル「あー!どうしたの? 機嫌悪いの?ん?ん?」
サーラ「こういう時は・・・」
サーラ「これっ!」
「ほーら・・・おじいちゃんだよ!」

コメント

  • 人種の壁どころか時空の壁をブチ破っての結婚、いいですね。魔族をも虜にしてしまう○ィズニーランドの魔力はすごいな。3年後、生活に困ってお義父さんが入ってるブレスレットをメルカリに出すような夫婦になってなくてほっとしました。

  • この作品は、まさにファンタジーの世界観が広がっていて、想像力を刺激する物語でした!魔人の力によって、願いを叶えるという設定が、読者も一緒に願いを込めてワクワクしながら読めます。また、家族愛や愛情についても描かれていて、心温まるシーンもありました。ストーリー展開も予測不能で面白く、読者を飽きさせません。ファンタジー好きな方はもちろん、普段はあまり読まないジャンルの方にもおすすめできる作品だと思います!

  • 結婚おめでとう!笑
    願いを使って絶世の美女と結婚、とかではなく娘をくださいは笑えました。確かに断られないもんなー笑 安心してプロポーズできて、よかったです。笑

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