AからBへ(脚本)
〇田舎のバス停
少年「はやく来いよ!」
少女「まってよ〜」
嫩葉 海子「・・・」
3日前に愛の告白をされた・・けれど私の心は迷っている。何に迷っているのかは解っていた
小学生の時・・・
嫩葉 海子「拓也くん!自由研究出来た?」
崎野 拓也「うん!『蚕』について調べたんだ!」
嫩葉 海子「へっ?私の事?」
崎野 拓也「ハハッ!虫の『蚕』だよ!成虫になっても飛べないんだって!」
中学生になり・・・
嫩葉 海子「おっは〜」
崎原 拓也「・・・っす」
そして高校・・・
嫩葉 海子「・・・お、おはよ」
崎原 拓也「・・・・・」
嫩葉 海子「拓也くんの乗るバスもうすぐ来るね・・」
崎原 拓也「・・・・俺、明日転校するんだ」
嫩葉 海子「えっ!」
崎原 拓也「海子とも今日で最後・・・」
嫩葉 海子「・・・あ、あのね、拓也くん」
嫩葉 海子「行っちゃった・・・」
拓也くんが落としたハンカチから、香水のかすかな匂いを感じた
嫩葉 海子「12年経ったけど、ハンカチも未だに持ってる」
告白された事を受け止めようとこのバス停に来たのだが・・・思い出すのはあの日の事
???「暑いですねぇ〜」
嫩葉 海子「えっ!」
崎野 拓也「僕、崎野っていいます!5年前にこの故郷に戻って来たんですよ」
嫩葉 海子「崎野君!?」
崎野 拓也「昔ですねこのバスである女性と一緒になる事が多かったんですけど・・・」
嫩葉 海子「・・・その女性と言うのは?」
崎野 拓也「海子さんという方です」
嫩葉 海子「わ、私の事だ!」
崎野 拓也「もしかして、会えるかなぁ〜なんて思って戻って来たんですけどね、うまく行かないですよね」
嫩葉 海子「・・・そうなんですか?」
崎野 拓也「そうですよ、ずっと伝えたい想いがあったんですけどね伝えれなくて後悔してるんですよ」
嫩葉 海子「あ、あの!」
「パパ〜!」
少年「ねぇ〜キャッチボールしようよ〜」
崎野 拓也「分かった、分かった」
・・・家庭あるんだ・・予想は出来たがやはりショックだった
崎野 拓也「あの?何か言いかけました?」
嫩葉 海子「いえ!良かったらお菓子どうぞ!」
崎野 拓也「えっ?いいんですか?」
少年「わ〜い!」
嫩葉 海子「もしかしたら、先程の女性も同じ想いだったかもしれませんね」
崎野 拓也「へっ?」
嫩葉 海子「バスが来ましたので失礼します」
崎野 拓也「あ、お気をつけて!」
少年「ねぇ!お菓子何が入ってるの!」
少年「何だコレッ?」
崎野 拓也「こ、これって!」
少年「なぁ〜に〜」
崎野 拓也「・・・」
崎野 拓也「・・・・・パパの大切な記憶さ」
少年「記憶?ハンカチでしょ?」
・・・バス停を後にした。自分は何か別の物になれたろうか?目から溢れた涙、その理由には悲しさと嬉しさが混ざっていた
「大丈夫」自分で自分を抱きしめる。蚕の繭から抜け出した今の私ならきっと迷わずに飛べるはずだから・・
半分開いたバスの窓から風に乗って新しい夏の匂いがした・・・
大人な、すれ違いドラマですね‼誰しも心に思い出の人はいるでしょうね・・・
でも、そんな素敵なドラマを実はダジャレで思いついたのではないか?・・・と勘ぐってますww
それでも「繭から飛び立つ」という文学性に持って行けるのが凄いな~と。
「いわくー」見ました!
エフェクトが効いてて面白かったです。OPもカッコ良い。姉妹はライバルなので狂気を加速させる関係として巧妙だなと思いました。頑張ってください‼
長い片想いにやっと終わりが来た海子さん、幸せになって欲しいです・・・!
再会時に想いを伝え合って結ばれる、この展開も美しい物語になるのでしょうが、本作のようになるのが現実ですよね。だからこそのリアリティ、胸を打たれました。甘酸っぱさや苦さ、切なさが満ち溢れたステキな物語ですね!