夢見がちな女(脚本)
〇住宅街
アイサキ ユメミ「いっけなーい!ちこくちこく〜!」
私!愛咲夢見!
どこにでもいる普通の女子高生!
今日も遅刻を回避するため、通学路を走るのだ!
アイサキ ユメミ(この曲がり角の先に、)
アイサキ ユメミ(白馬に乗ったイケメン少女漫画王子様との恋が待っていればいいのにな)
ドンッ!
向かいから走ってきた何かにぶつかった
アイサキ ユメミ「いてて・・」
アイサキ ユメミ「って馬!?」
???「おい」
見上げると、白馬には金髪のイケメンが乗っていた
金髪のイケメン「どこ見て歩いてんだ、危ないだろうが」
アイサキ ユメミ「はい、すみません・・」
アイサキ ユメミ(ツッコミ所が多い・・)
アイサキ ユメミ(私轢かれてるんですけど馬に)
アイサキ ユメミ(幸い怪我はないし私も不注意だったけれど、何この人何その服装)
アイサキ ユメミ(もしかして・・)
アイサキ ユメミ(私がさっき願ったから?)
アイサキ ユメミ(来ちゃったの?白馬に乗った少女漫画王子様)
アイサキ ユメミ(確かにあるけど!ドS王子様な少女漫画もあるけど!)
金髪のイケメン「気をつけろ無礼な小娘が!」
アイサキ ユメミ(だいぶ貴族の型にはまってるよこの人、絶対この時代の人じゃないよ・・)
金髪のイケメン「それでなんだが」
金髪のイケメン「俺と・・結婚しないか?」
アイサキ ユメミ「・・・」
アイサキ ユメミ「は?」
アイサキ ユメミ(いやいやどういうツンデレ!?)
アイサキ ユメミ(もうツンデレというより、ただの頭がおかしい人だよね?)
アイサキ ユメミ「えと・・ごめんなさい」
金髪のイケメン「なっ」
金髪のイケメン「ならば!」
金髪のイケメン「これならどうだ!」
アイサキ ユメミ(断ったの聞こえなかったのかな?)
金髪のイケメン「婚姻届を書いてきた!」
アイサキ ユメミ(なぜ?)
アイサキ ユメミ(ちゃんと断ったよね私)
アイサキ ユメミ(それに、)
アイサキ ユメミ「この私の名前とか書いた覚えないんですけど」
金髪のイケメン「捏造した!」
アイサキ ユメミ「捏造しないで・・!」
アイサキ ユメミ(しかも住所とか合ってるし、こわいよ・・)
アイサキ ユメミ「あの本当ごめんなさい、私あなたみたいな性格の人はちょっと・・」
金髪のイケメン「・・・」
金髪のイケメン「そうか・・」
アイサキ ユメミ(このくらいは言わないと諦めないかと思ったんだけど)
アイサキ ユメミ(少し言い過ぎちゃったかな)
アイサキ ユメミ(でも私もっと優しくて誠実なイケメンが好みなの)
アイサキ ユメミ「じゃあこれで──」
???「おや?」
青髪のイケメン「君!」
アイサキ ユメミ(またなんか出てきた・・!)
青髪のイケメン「膝から血が出ているぞ!大丈夫か?」
アイサキ ユメミ「あ、ほんとだ」
アイサキ ユメミ(さっきぶつかった時に擦り剥いたのかな)
青髪のイケメン「これどうぞ」
青髪のイケメン「傷口を洗ってから貼るといい」
アイサキ ユメミ「あ、ありがとうございます」
アイサキ ユメミ(優しくて誠実なイケメンだ・・)
アイサキ ユメミ「えと、何かお礼を・・」
アイサキ ユメミ(ついでにお近づきに・・)
青髪のイケメン「いいよそんなの!」
青髪のイケメン「その制服から見るに、登校中といったところだろう」
青髪のイケメン「なら無事に登校してくれるだけで僕からしたら十分なお礼だよ!」
青髪のイケメン「いってらっしゃい!」
アイサキ ユメミ(優しくて誠実なイケメンだ・・)
アイサキ ユメミ(なら名前だけでも・・)
アイサキ ユメミ「なら名ま──」
金髪のイケメン「俺と!」
金髪のイケメン「結婚してくれ!」
アイサキ ユメミ「いやだから──」
金髪のイケメン「お前じゃない!」
金髪のイケメン「そこの男!お前の誠実さに惚れた!」
青髪のイケメン「僕?」
アイサキ ユメミ(こいつ、なんでも結婚したがる妖怪か?)
青髪のイケメン「本当に、僕でいいのかい?」
アイサキ ユメミ「は?」
金髪のイケメン「お前じゃなきゃダメなんだ!」
青髪のイケメン「こんな僕で、いいのなら・・」
金髪のイケメン「本当か!」
金髪のイケメン「出しに行こう!婚姻届を!」
青髪のイケメン「ああ!」
アイサキ ユメミ「・・・」
アイサキ ユメミ「・・・」
アイサキ ユメミ「夢だ、これはきっと・・」
アイサキ ユメミ「いけなーいちこくちこくー」
こんばんは!
主人公のツッコミ、キレキレで良かったです!住所が合っているところが面白かったです!
夢見という名前に反してすごく現実的な連続ツッコミに笑ってしまった。金髪と青髪の子供の髪の毛は何色かなあ。でもそんなこと考えてる間に、あの金髪王子はまた別の人に婚姻届渡しちゃうんでしょうね。
白馬の王子様ではなく、白馬が来たのかと思いました!😆
テンポよく読ませていただきました。