真実の章(脚本)
〇星座
もう叶うのなら・・・
俺は夏美に、もう一度会いたい・・・
〇星座
哀川 夏美「ねえ、お兄さん。 こんなところで何してるの?」
え、この声はー
三富青「夏美!? どうしてここに・・・」
〇星座
三富青「なあ、今って西暦何年だ・・・」
哀川 夏美「え、2012年のだけど、どうしてそんなこと・・・」
今は2023年のはず。
夏美の言葉が正しいとすると──
三富青「ここは、過去の世界ってことか・・・」
哀川 夏美「え、お兄さん・・・ なに言ってるの?」
三富青「いや、何でもない。 ただ夏美、聞いてくれ──」
哀川 夏美「あの、お兄さんは学校に新しく赴任してきた先生ですか? なら、私の名前を知っててもおかしくないし・・・」
三富青「え?」
哀川 夏美「私、これからここで大切な人に会うんです。すみませんが、2人っきりにしてもらえると嬉しいなって・・・」
〇星座
夏美は天文学部の先輩とここで過ごすつもりなんだろう・・・
あの頃の俺が抱いていた気持ちなんて考えもしないで・・・
夏美は、先輩に恋をしていた──
〇星座
三富青「夏美、いいこと教えてやるよ」
哀川 夏美「え?」
三富青「この高校に伝わる七不思議だ この屋上で、親しい人と夏の大三角形に願いを捧げれば── その願いは叶うんだ」
哀川 夏美「素敵な七不思議・・・ そんな、怪談がこの学校にあったなんて!」
三富青「大好きな人たちと、よく晴れた日にでも願いを捧げるといい・・・ きっと、いいことがある」
哀川 夏美「ありがとうございます! あの、これからここに来る人とやってみますね!」
三富青「ああ、そうするといい・・・ 絶対にいい結果になるはずた・・・」
〇星座
〇星座
あれ、ここは──
戸上 順子「ああ、やっと反応した! もう、ぼうっとしてどうしたのよ!」
三富青「あれ、順子・・・」
三富青「そうか俺、戻ってきたのか・・・」
戸上 順子「なに、訳の分からないこと言ってるのよ! 大三角形見たままぼうっとしてたから、心配したのよ!」
三富青「ふふ! はははははは!」
戸上 順子「急にどうしたのよ、青・・・」
三富青「いや、順子の旦那さんは天文学部の先輩だったこと思い出してさ」
戸上 順子「は、はあ・・・」
三富青「俺も残酷なことするよな・・・」
〇星座
そう、夏子の好きな人は別の人を愛していた
それを知っても、夏子は愛する人を諦めきれずに、俺たちを誘って──
〇星座
三富青「本当に夏子ってば自業自得だよな・・・ それであの世に逝くって、意味ないじゃないかよ」
戸上 順子「ちょっと、青・・・ どうしたのよ・・・」
「いや、何でもない ただ、夏子を殺したのは俺だと思って!」
〇星座
そう、俺が夏子に七不思議を教えて、アイツが死ぬ原因を作った。
でも、そんなの夏子の自業自得だろ?
俺はアイツのことが好きだったのにあいつは───
だから、これはあたりまえの結末だ
〇星座
真実の章、終わり
お兄さんに聞いたと言っていたのは、青さんのことだった?
ゾッとするラストでしたが、もうひとつがトゥルーなんですね。