声が野太い女

栗スナ

かれんのかれんな夢(脚本)

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〇郊外の道路
女子高生「もーうやだー たかしー」
男子高生「だってホワイトデーにアリを贈るんだもん、あいつ~」
男子高生「アメとアリだからさ1字違いじゃーん。そりゃ間違えるべー」
女子高生「間違えないっつーの!バカじゃん、そいつ!」
男子高生「いや、でも女子の方が生物オタクだからさ、あり得ると思ったんじゃねーの?」
女子高生「アリ贈るってありえねーよ・・・あ!親父ギャグになってない?」
男子高生「なってるなってる。お前親父の才能あるよ」
女子高生「ねえっつーの!んもう!」
女子高生「きゃはは」
  俺の名前は来田査印(くるたさいん)
  このキラキラネームのせいでバカにされまくりの人生を送っている高校生だ
  あだ名は「狂ったサイン」。だが今年は同じクラスにもう一人すごい名前の奴がいた
  その女の名はうるわしかれん。俺達はクラス替えの初日から意気投合した・・・
  ある日、かれんが俺に言った。大声でカップルのような会話をしてみたいと
来田査印「・・・」
うるわしかれん「なるほどな」
うるわしかれん「だいたいわかった。あれがカップルだな」
来田査印「かれん。本当にやるのか」
来田査印「あれを」
うるわしかれん「ああ。頼む」
来田査印「・・・」
来田査印「ここならお前の声を聞かれても問題ない。周りに今知り合いはいないぞ」
  かれんは実は声がものすごく太い。だが名前の特異さと声の野太さのギャップで
  中学時代はバカにされ、深い傷を負い、それ以来
  男っぽい性格なのに高い裏声でしゃべり続ける
  ふびんな人生を過ごしてきたのだった
うるわしかれん「やろう。ここで思う存分地声でやる」
来田査印「いいんだな?この街にクラスメイトが潜んでいるかもしれんのだぞ」
うるわしかれん「おそらく大丈夫だ。本当の声がばれたとしても悔いはない」
来田査印「セリフは覚えた?」
うるわしかれん「OKだ」
来田査印「じゃ始めよう」
うるわしかれん「もお~ やださいん」
来田査印「だってあいつブラックデーに悪を送り込むんだもん」
来田査印「善と悪は2文字違いだからだべー」
うるわしかれん「間違えないっつーの!ヒアリング得意じゃん学生」
来田査印「いや、でも女子は生き物だからだいたい悪だと思ったんじゃねーの!」
うるわしかれん「悪の手先送るって悪はいない!平和になってない?」
来田査印「鳴ってる鳴ってる。お前ケータイの才能あるよ!」
うるわしかれん「鳴ってねえっつーの、んもー」
うるわしかれん「きゃはは」
来田査印「・・・気が済んだか?」
うるわしかれん「うん」
謎の男「失礼ですが、今の声はあなた?」
うるわしかれん「あ」
来田査印「う」
謎の男「今の牧場の牛の様な声。魅力的だったよ」
うるわしかれん「いや、その」
謎の男「どうだい、宝塚に興味がないかね?君のような低い声がほしかったところなんだ」
うるわしかれん「えっ?」
来田査印「おお。スカウトされた」
うるわしかれん「・・・」
謎の男「私は宝塚へ仲介している者でね、合宿所に最近ツキノワグマが出没して困っているそうなんだ」
うるわしかれん「へ?」
謎の男「ぜひぞのワイルドな声で追っ払ってほしい」
  こうしてかれんは宝塚に入ることになった
  そういえば名前も宝塚みたいだよな、と思っていた
  今は舞台裏の大道具係として元気に働いているそうだ
  完

コメント

  • 当たり前のようなカップル的な会話でも、人目(と耳)を気にしながらコッソリすると、妙なドキドキ感が湧いてきますよね。晴れやかな2人の様子にニッコリしていたら、、、そんなオチーww

  • かれんちゃんのモーモー気味な声もさることながら、バカップルの会話を大胆に脚色した夫婦漫才のような掛け合いが凄かった。査印君の悩みは未解決。いっそのこと査印君も宝塚に就職して、トップスターのサインを代筆する裏方として雇って貰えばいいと思う。

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