最後の楽園で夢を見る女

鳥飼

最後の地球人として、期待に応える私になります!(脚本)

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〇殺風景な部屋
  ──私は、地球人最後の生き残りらしい。
ロジェ「あなたはきっと選ばれし者なのですね!」
メイ「選ばれし者って、そんな・・・」
シリル「なあ、アンタは地球で どんな暮らしをしてたんだ?」
メイ「どんなと言われても普通に──」
メイ(ちょっと待って!この人達にとって 私は未知の生物なのよね!?)
メイ(──普通の子だって知られたら がっかりされちゃうかも!?)
メイ(そうだ!)
メイ「私!実は──べニィ・ランドの お姫様なんです!」
ロジェ「なんと!プリンセスだったとは!」
シリル「やっぱ生き残れるだけの 格があったってわけか!」
メイ「あ、あはは・・・」
ロジェ「メイさん。 あなたの事をもっと教えてください」
ロジェ「我々は地球人の事を責任もって この星に伝えて行きたいんです」
メイ「はい!こちらこそよろしくお願いします!」
ロジェ「教えていただいたデータを基に衣装を 作りましたが、着心地はどうですか?」
メイ「サイズもぴったりで嬉しいです!」
ロジェ「あなたのお住まいは、 山の上にある豪華な宮殿──」
ロジェ「近くには人々が集える施設もあって 動物達もたくさんいたんでしたよね?」
メイ「はい!街の人達は小さい頃から 特別なおでかけとして 山の上に遊びに来るんです!」
ロジェ「ふふ。王家と民の距離が近くて 関係も良好な国だったんでしょうね」
メイ「え、ええ。みんな仲良しでした!」
メイ(嘘がバレないように、自分の思い出と 混ぜながら喋るのって結構大変だな)
シリル「姫さん!どうだ、うまいか?」
メイ「はい!美味しいです!」
メイ(──設定上仕方ないけど そろそろ普通のご飯が食べたいな)
シリル「どうした?元気ないな。 苦手な物とかあったか?」
メイ「いいえ。大丈夫です!」
シリル「アンタはさ、俺達が助けられた唯一の 地球人だから──元気でいてほしいんだ」
シリル「だから、何かあったら遠慮しないで ちゃんと俺達に言ってくれよ?」
メイ「はい!」
子供「ねえ、ママー?」
母親「どうしたの?」
子供「あの地球人、何で他の子より 美味しそうなの食べてるのー?」
母親「そうね。あの子は最後の一人だから 飼育員さん達は大切にお世話してるのよ」
子供「ふーん。向こうの××星人みたいに 赤ちゃん出来ないの?」
母親「残念だけど、もうペアになる地球人が いないから無理でしょうね・・・」
子供「そっか。ママ!あの赤ちゃん達 もう一回見に行きたーい!」
母親「わかったわ。行きましょう」
シリル「──お前はさ、いつまでお姫様ごっこに 付き合ってやるんだ?」
ロジェ「メイさんが何か言い出すまで続けますよ」
ロジェ「我々の期待を裏切らないように 必死で演じてくれているんですからね」
シリル「派手に展示してやれば客だって楽しめる だろうけど、本当にいいのか?」
ロジェ「君が降りたとしても、僕はやめませんから」
ロジェ「彼女の担当として付き合いますよ」
ロジェ「──『最期』までね」

コメント

  • 全く違う人種のメイちゃんを、見え見えの嘘をついているというのに優しく見守る彼らは、まさに私達地球人一人ひとりが学ぶべき姿だと思いました。

  • みんな気付いてるのに気付いてないふりをしてくれてたんだ・・・。メイちゃんは「裸の王様」ならぬ「裸の王女様」だったわけですね。ロジェさんがいい宇宙人みたいなんで少し救われました。あと、もしかして八木山ベニーランドですか?

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