第一章 st.prologue「新生活」(脚本)
〇混雑した高速道路
車内。僕たちを乗せた車が渋滞にハマる。
芦屋祐「・・・うーん、困ったなぁ。 もう少しで着くのにぃ」
こういう彼は「芦屋祐」さん。
僕を引き取ったお兄さんだ。
そしてこの車は祐さんの自宅に
向かっている。
芦屋祐「祥太郎くん!マジであともう少しで 着くからね!」
芦屋祥太郎「え?あ、はい・・・」
僕の名前は・・・あ、今は祐さんの家族だから「芦屋祥太郎」になる。
つい先日まで施設で暮らしていたが、
先週連絡があったと施設の職員さんに
言われ今は戸籍上、祐さんの家族に
なっている。
芦屋祐「祥太郎くん絶対ここ好きになるから! 期待しといてよ!」
芦屋祥太郎「はーい!(表情が硬い)」
正直、僕はワクワクしているがあまり
そういう経験をして来なかった所為か、
表情筋をうまく動かせない。
芦屋祥太郎「ところで祐さん、この町は何ていう地名 なんですか?」
芦屋祐「あー、そういえば。ここはね、 「月の宮」市っていうんだ!」
月の宮。月。僕が好きな竹取物語を連想
して一瞬驚きそうになった。
芦屋祥太郎「え、月の宮!?」
施設は学校以外暇だった。
だからいくらでも読書する時間はあった。
だが月の宮なんて地名は一つしか聞いた
ことがない。
その珍しさに少し脳汁が出そうになった。
(興奮しそうになった)
芦屋祐「あら、月の宮知ってたの? それはそれはぁ〜!」
少し会話が盛り上がり始めた時だった。
芦屋祐「おっと、渋滞が動き始めた。 もうちょいで着くから物件は楽しみに 待っとけ祥太郎くん!」
芦屋祥太郎「楽しみにしておきまーす!」
こうしてしばらくして渋滞から抜け出した。
渋滞って、こうして絵で見ただけでも、頭の中で実際の渋滞を想像してうわーってなりますよね😂
この2人がおトイレ行きたくなりませんようにと祈ってしまいました😂
まだ物語が始まったばかりの、まさにプロローグといった感じですね。月の宮という神秘的な地名が明かされただけでした。作者さんによれば、これからいろんなテーマを詰め込んだ怒涛の展開になるみたいなので楽しみです。