〇地下室
ダイオー人C「ふう」
辰場（しんば）「よく来てくれた」
ダイオー人C「人間の姿で出迎えてくれるとは思いませんでした」
辰場（しんば）「そうか。これが当たり前になっているからな」
ダイオー人C「初めまして。こちらで活動しろと言われたダブシュラスです。よろしくお願いします」
辰場（しんば）「ダブシュラス。よろしく。私の本名はブラシューフだ」
辰場（しんば）「だが、こっちでは辰場という名前があるのでそう呼んでくれ。少佐と呼ぶのも控えてくれ」
ダイオー人C「わかりました。辰場さん」
ダイオー人C「それにしてもここは殺風景な・・・」
辰場（しんば）「地下室だからな。上は人間の好みの部屋になっているから安心するがいい」
辰場（しんば）「その姿になるのはこの部屋だけにしてくれ。上の階は窓がある」
辰場（しんば）「万が一のことを考え、外から見られると不審に思われるからだ」
ダイオー人C「はい」
ダイオー人C「ではさっそくここで変身しますかな」
辰場（しんば）「ほう。なかなか化けるのがうまいな」
リュウ「訓練でさんざんやりましたので」
辰場（しんば）「ではついて来てくれ」

〇病室のベッド
辰場（しんば）「ここが君の部屋だ。リュウ 自由に使ってくれ」
リュウ「わかりました」
辰場（しんば）「我々の任務は人間をあざむき、彼らに仕事をさせることだ」
リュウ「仕事をさせる・・・私は動かなくていいのですか」
辰場（しんば）「基本仕事は人間にやらせる。我々はそれを管理する。目立たないように裏に回れ、それが賢いやり方だ」
リュウ「・・・」
辰場（しんば）「それでうまくいく」
リュウ「私は現場に出たいのですが」
辰場（しんば）「もちろんだ。私も現場は好きだ。よく出る」
リュウ「!!」
辰場（しんば）「だが、それは手下を増やしたり、手下に事件を起こさせるために行動するわけで、具体的なことをするのは人間だ」
リュウ「・・・わかりました」
辰場（しんば）「呑み込みが早いな」
辰場（しんば）「現場の指示は私に従え。いいな」
リュウ「はい」
リュウ「・・・」
辰場（しんば）「何か質問はあるか」
リュウ「・・・手下にした人間が裏切った場合はどういう措置をとったらいいのでしょうか」
辰場（しんば）「その場合は殺す」
辰場（しんば）「もしくは二度と裏切らせない措置をとることだ」
リュウ「具体的には？」
辰場（しんば）「買収、欲、脅し、情に訴える・・・」
辰場（しんば）「それから恐怖を植え付けろ。脳波を使ってもいい」
リュウ「はい」
辰場（しんば）「だが、あまり人のいるところではやるな。厄介な奴らもいる」
リュウ「なるほど」
辰場（しんば）「今日はもう遅い。明日話そう」
リュウ「はい」