視えてしまう女

小鳥遊

視えてしまう女(脚本)

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〇学校脇の道
  『ねぇ・・・誰か・・・誰か・・・』
こと「ん?誰かいるの?」
こと「誰も・・・いない・・・ これは・・・」
こと「聞こえてはいけない方の声だ・・・」
  『わたしの声が聞こえるの?』
こと「普通は聞こえてはいけないものだけどね」
霊「嬉しい・・・誰もわたしの声をきいてくれないの・・・」
こと「・・・・・・」
霊「・・・・・・」
こと「何か聞いて欲しい事があるの?」
霊「わたし・・・ここで殺されたの・・・」
  ひき逃げ事故現場 目撃情報求む
こと「あぁ・・・この看板の事故の・・・」
霊「まだ犯人は捕まっていない・・・」
霊「わたしを殺した犯人を・・・ わたしは知ってるの・・・」
こと「それで? 私に犯人を通報して欲しいの?」
霊「・・・・・・ 違うの・・・」
こと「違うの?」
霊「知っていても・・・」
霊「誰だか・・・言えない・・・」
こと「じゃあ、どうして私に話しかけたの?」
霊「誰かに・・・ 聞いてほしかった・・・ 私のこと・・・」
霊「・・・私は、とても幸せだった・・・ ・・・家族の事も好きだったし ・・・友達にも恵まれた・・・」
霊「・・・夢もあったけれど・・・ ・・・それがもう叶わなくても・・・ ・・・今はいいと思う・・・」
霊「わたしを・・・殺した人の事も・・・ ・・・・・・ ・・・もう・・・いいの・・・」
霊「それを・・・誰かに・・・聞いてほしかった・・・」
こと「うん・・・」
霊「・・・ありがとう・・・聞いてくれて・・・」
  後日・・・犯人が捕まった・・・
  犯人は・・・・・・
  ・・・・・・
  彼女の母親だった・・・
  終わり

コメント

  • 立ち絵がホラーなので最初は怖いですが、読み進めると何となく悲哀が感じられて、この霊に悪い印象を感じなくなりました。「誰かに聞いてほしい」がこの短いストーリーに十分凝縮されているなと思いました。

  • 「視えてしまう」「聞こえてしまう」だけならまだしも、「憑かれてしまう」だと困りますよね。それにしても、犯人の正体が・・・。やはり本当に怖いのは死霊ではなく生きている人間なんですね。

  • おかん‥😭

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