〇ゲームセンター
　　♫〜♪～♫〜
マナミ「頑張っってー」
コウスケ「ムムムムムー」
　　ガタン！
マナミ「やったー！また取れたー！ すごーい！ ありがとうー！」
マナミ「めっちゃ欲しかったんだよー」
コウスケ「よかったね！」
コウスケ（めっちゃ練習したし、 取れて良かった〜 ここでしか手に入らない限定品だもんな〜）
矢内先生「おいこら。渋沢！ 制服で寄り道したらいかんと 言ってるだろう！」
マナミ「あっ矢内先生！」
コウスケ（げっやべぇ、 生活指導の矢内じゃんか）
矢内先生「また反省文を書きたいのか？ ほら早く帰れ！」
コウスケ「はーい、さよなら〜 先生にも一個あげるから 勘弁してくれよ〜 ハイドウゾ〜」
矢内先生「まったく・・・調子のいいヤツめ・・・」
矢内先生「俺がもらって、どうするんだよ。 やれやれ・・・ 見回りも楽じゃないな」
矢内先生「ん？あれは・・・ 不登校の永井ハルカじゃないか」
矢内先生（アイツ・・・ このぬいぐるみをめっちゃ見てるな。 欲しがってるのだろうか）
矢内先生「おい、永井。 元気そうで良かった」
矢内先生「ほら、これやるよ。 欲しいんだろ？」
矢内先生「学校こいよ！ ・・・って、行っちまったか」

〇奇妙な屋台
店主「あら、いらっしゃい〜」
謎の女「フフフ」
店主「どうしたの？ゴキゲンじゃない」
謎の女「あのね・・・ 今日は、ゲームセンター行ったの」
店主「アラそうなの〜」
謎の女「どうしても「ウササン」欲しくて、見に行ったの そしたら、もらったの「ウササン」」
謎の女「先生がくれたの。 ずっと怖い先生だと思ってた」
店主「そう、よかったわね。 はい、ケーキ」
謎の女「ありがとう」
謎の女「ワタシね、学校に行かなくなったのは 朝が起きられないからなの。 どうしても遅刻しちゃう。 それを、怒られてばかりだし」
謎の女「でも体調良くならないから、 おウチで過ごしなさいって ママが言うの。 でも本当は普通に遊びたいし」
謎の女「友達もいなくて」
店主「ちょっとウササン貸してちょうだい。 元気の出る、おまじないをかけてあげる」
店主「はいどうぞ」
謎の女「ありがとう」
店主「無理しちゃダメよ。 アナタはアナタだけ。 アナタのペースでいいんだから」
謎の女「うん」

〇ゲームセンター
　　YOU WIN！
　　「すげー強、あの女、もう10連勝もしてるぜ！」
　　「最近見かけるよね」
マッチョ「次はワタシが相手だ！」
　　START！
　　
　　YOU WIN！
　　「アイツ瞬殺だったぞ・・・」
謎の女（もうこの界隈には 敵がいない・・・ もっと強いヒトと戦いたい・・・）
矢内先生「俺が相手だ！」
謎の女「先生が!?」
矢内先生「俺が勝ったら、 学校に来るんだぞ！ いいな！」
謎の女「先生が負けたら・・・どうします？」
矢内先生「そうだな、俺にできることなら ひとつ言うことを聞いてやろう」
謎の女「わかったわ、受けて立つわ！」
　　START！
謎の女「意外にやるわね先生！」
謎の女「フフフ 勝負はまだこれからよ！」
謎の女（フフフ なんか・・・楽しい）
謎の女「あっ」
矢内先生「油断したな！」
謎の女「ワタシが負けるなんて・・・」
　　ギュッ
矢内先生「そのぬいぐるみは・・・」
謎の女「一対一、最後の勝負よ！」

〇ゲームセンター
謎の女「フフフ」
矢内先生「どうした？」
謎の女「まさかの引き分け！」
矢内先生「決着がつかなかったな」
謎の女「しょうがないから、ワタシ 学校に行くわ」
謎の女「だって先生は、学校にいるんでしょ？ 一日一回は会えるじゃん」
謎の女「でもね、ワタシ どうしても朝が起きれないの。 遅刻しちゃうの」
矢内先生「それについては、 今年から通学フレックス制度を開設することになったんだ。 だからもう心配しなくていいぞ！」
謎の女「ほんと！じゃあワタシも 通えるのね！」
謎の女「先生、また対戦してよね」
矢内先生「ああ、もちろんだよ！」

〇奇妙な屋台
店主「学校も 時代のニーズに合わせて いかないとね〜」
店主「サテサテ店じまい店じまい」