推しの下部になりたい女(脚本)
〇綺麗なコンサートホール
推野 愛「千穐楽の星哉、尊すぎた・・・」
推野 愛「あぁ、このブロマイドも眩しすぎる! 祭壇にまつろう」
結城 瑠奈「あがめてんねぇ~。 同担のあんたと隣の席になったときは、嫌だったけどね」
結城 瑠奈「ガチ恋勢なら始末してやろうかと思ったくらいだよ~、あはは!」
推野 愛「私がガチ恋だなんてありえないですよ!」
推野 愛「推しに認識されたくないですし、大勢の中の片隅で陰ながら彼を見守っていたいというか応援させていただきたいというか」
推野 愛「現地に来る以上、彼のファンの民度を下げないためにも身だしなみには気を遣いますが」
推野 愛「お金はすべて彼のグッズに使って貢献したい。私はそれだけで充分なヲタクなんです!」
推野 愛「というか、むしろ下部にならせてほしい!」
推野 愛「とはいっても、お金あんまりないんで借金してます・・・。金持ちのファンじゃなくて、星哉には申し訳ない気持ちでいっぱいで」
結城 瑠奈「めっちゃ早口だし、下部精神強すぎて、ひくんだけど・・・」
結城 瑠奈「まあいいや。ガチ恋勢じゃないなら敵意はないよ」
結城 瑠奈「てか、星哉がさらに大きくなるには貢献するファンが大勢必要だしね」
結城 瑠奈「それに星哉、先輩の不祥事で大きい代役回ってきたじゃん? あれ成功させて、さらに人気になったよね!」
結城 瑠奈「私、ますます好きになっちゃったし、ガチで星哉と付き合ってみせるから!」
推野 愛「熱い愛だね」
結城 瑠奈「当たり前でしょ。んじゃ、私帰るね」
推野 愛「あ、ちょっと待って。 服にゴミがついてたよ」
結城 瑠奈「あ、ありがと。じゃ」
推野 愛「・・・・・・」
推野 愛(よし、これでOKっと。 さっき彼女の服に発信器を取り付けた。 これで彼女の場所は追える)
推野 愛(・・・ほら、もう出待ちしに行った。 公式に禁止されてるのに)
推野 愛(事前のリサーチ通りだわ)
推野 愛(彼女、星哉の家まで押し掛けてんだよね。 これはもうアウト)
推野 愛(なんでわかんないかな? 私もそうだけど、凡人が光輝く星に触れちゃいけないんだよ)
推野 愛(星哉の輝きを奪ったり、困らせるヤツはこの世にいらないの)
推野 愛(でも星哉、安心して?)
推野 愛(私は、どんな手を使っても、ずっと陰で支え続ける)
推野 愛(星哉の邪魔をする実力のない先輩を消したときみたいに、あの女も消してあげるから)
推野 愛(だから星哉はずっと、高くて眩しいステージの上で輝いててね!)
推しの下部で輝く星に手を伸ばす石ころとして推しを支えたい。その気持ちは分かるし、夢女の迷惑行為を排除したい気持ちも分かりみが深かったです。でもやり方よ……😱
気高き精神で、迷惑にならずに皆仲良く推しを推したいですね…
こんにちは!きらびやかな世界の裏の狂気を見た気がしてとても面白かったです!
なんと真っ直ぐな、純真な推し活!ただただすべては推しのために……
全てサラリと語ってしまうところに、一層の怖さがありますね