読切(脚本)
〇古い図書室
細波来栖「──ミモザ。応答せよ、私の故郷」
「聞き手」「こちら南十字座ミモザ星。 地球の風土調査、その定期報告会を始める。 用意はいいか、クルス特派員」
細波来栖「問題ありません。 そちらの立体映像も乱れは確認できず、良好です。では、3点ほど報告を・・・」
細波来栖「1。この星の生命体、とりわけ人間はネコという小型生物を"吸う"事によって、多幸感を得ているようです」
「聞き手」「な、な、なにぃっ!? こ、小型生物を、吸引、だと!?」
「聞き手」(待て・・・ヒトはネコを吸う・・・では吸った後は・・・ まさか・・・そのまま消化するのか!? なんて恐ろしい生命体だ!)
細波来栖「いま映像記録を出し──」
「聞き手」「いやぁっ!見せなくていいーっ! ぜったい怖いもん!」
細波来栖「は、はあ・・・」
「聞き手」「──じゃ、じゃあ、2番目は?」
細波来栖「はい。 第2に"子供"と呼ばれる、人間の幼体についての報告」
細波来栖「彼らは、道端から細い棒状のものを拾い、互いに戦っているようです。 音声記録があります」
「シャキーン!伝説最強剣ゲットォー!食らえっ、キンキンキン!!」
「うわっ危なっ!オレはコイツで・・・どりゃーっ!」
「聞き手」「道端に、武器!? それを拾って戦う・・・だと!? すると、この星の生命体は・・・」
「聞き手」「幼年期から・・・互いに殺し合う過酷な生存競争に身を投じているというのかッ!?」
細波来栖「い、いえ・・・彼らはいたって平和そうでしたが・・・」
「聞き手」「なんて危険な星だっ! クルス特派員、君の身が心配になった! 今すぐ帰還するんだ!」
細波来栖「──できません」
「聞き手」「ええーっ!! なんでぇっ!?」
細波来栖「これには、3番目の報告が深く関わっております。 それは・・・」
七瀬「どうもっ! この度、来栖さんと付き合う事になった、七瀬と申します! よろしくお願いしますっ!」
「聞き手」「うわ声デッカ!!」
細波来栖「この方は、一人きりだった私に、とても親切にしてくださったんです。 この地球の事も、色々と教わりました」
七瀬「来栖ちゃんが異星人って聞いた時は驚いたけど・・・ 別に気にならなかったです! だって、笑顔がステキだったから・・・」
細波来栖「やめてください・・・ 恥ずかしいです・・・」
「聞き手」(なんじゃ、この桃色のオーラ・・・! うわぁーっ!なんかムズムズするーっ!!)
「聞き手」「ゴ、ゴホンっ! 地球の生活は過酷だぞ・・・ それでも・・・」
細波来栖「いいんです。 七瀬くんとなら・・・」
「聞き手」「そうか・・・わかった! 幸せに暮らせよーっ!!」
細波来栖「さて、報告も終わりましたし。 今日は何をしましょう?」
七瀬「よしっ、今日はハンバーガー食いに行こうぜ! めちゃめちゃ半端なくウマいぞー!」
細波来栖「はいっ♪」
細波来栖(うーん、ちょっとカロリーが心配ですが・・・)
とても面白かったです!この言葉のズレの面白さが分かる、日本人で良かったと思いました😂
この発言内容への認識のズレ、楽しいですねー!地球は危険で人類は好戦的、そんな環境での恋愛はどのようにイメージされるのか……
面白かったです😆
次回は「人類は就寝中に例え6キロの重さの猫が上に乗っかってきても動いてはならない」法律がある事も報告願います😅