2人の思い出(脚本)
〇学校の屋上
スレナ「トウヤ君、急に呼び出してどうしたの?」
トウヤ「か、かず・・・和久さん!」
トウヤ「俺・・・和久さんのことが好きです!」
スレナ「えっ!?」
スレナ「ほんとなの?トウヤくん」
トウヤ「初めて会ったあの時から、スレナさんの事が好きでした!」
〇街中の道路
2ヶ月前、入学式初日
トウヤ「今日から高校生かぁ〜」
トウヤ「学校・・・友達できるといいなぁ」
「ママーーー!どこぉーー!!」
トウヤ「なんだ!?向こうの方で誰かが泣いてる?困ってるなら助けなきゃ!」
スレナ「大丈夫?お母さんとはぐれちゃったの?」
リナ「違うよ!ママがどっか行っちゃったんだよ」
リナ「グスッ」
リナ「うわーーん」
トウヤ「大丈夫ですか、何かあったんですか?」
スレナ「はい、この子が迷子になっちゃって困ってるみたいなんです」
スレナ「でも私1人だとなかなかこの子のお母さんが見つからなくて」
リナ「ママーー!!」
トウヤ「なら俺も一緒にその子のお母さんを探しますよ!」
スレナ「いいんですか?ありがとうございます」
リナ「グスッ・・・リナのママ探してくれるの?」
スレナ「はい、リナちゃんのママは私達が必ず見つけますので安心して下さい!」
リナ「ほんと!?」
5分後
〇街中の交番
リナのママ「すみません警官さんうちの子、リナを見かけませんでしたか?少し目を離したらどこかに行ってしまい」
警官「すまないね、リナと言う子はここには来てないよ」
警官「ここ最近は事故が多いから子供が迷子だと事故に巻き込まれてないか心配だ」
警官「儂が今から捜査するから安心し────」
「ママーー!」
リナのママ「リナ!」
警官「その子がリナちゃんなのかい?」
リナのママ「はい」
警官「それは良かった、それじゃあ儂は仕事に戻るよ」
リナ「ママ、あのねあのね!リナね、そこのお兄ちゃんとお姉ちゃんがね、ママを探してくれたの!」
リナのママ「まぁそうなの?」
リナのママ「ありがとうございます!本当に助かりました」
トウヤ「当然のことをしたまでですよ!」
スレナ「お母さんと再会できて良かったです」
リナのママ「それじゃあリナ、お家に帰ろうね」
リナ「うん!」
リナ「お姉ちゃん!お兄ちゃん!ありがとう!!!」
トウヤ「元気になって良かった」
スレナ「そうですね」
〇街中の道路
トウヤ「そういえば自己紹介がまだだったね」
トウヤ「俺の名前は紫苑トウヤ!華城高校1年です」
スレナ「あ、私も華城高校1年・・・」
スレナ「和久スレナって言います」
スレナ「さっきはリナちゃんのお母さんを探すのを手伝ってくれてありがとう、私一人だときっと見つけられなかったよ」
トウヤ「いやいや、困ってる人が居たら助けるのが当たり前だよ!」
トウヤ(和久さん、優しい人だな)
スレナ「あ、トウヤ君早く学校に行かないと入学式始まっちゃうよ」
トウヤ「そうだった!急ぎましょう」
〇学校の屋上
─現在─
スレナ「嬉しい・・・・・・私もトウヤ君の事が好きです!」
トウヤ「和久さん!」
スレナ「これからよろしくお願いします」
トウヤ「こちらこそ、これからも一緒に過ごしていけたら嬉しいです!」
〇公園のベンチ
屋上での告白後、毎日一緒に過ごすようになった。学校の帰りにはいつも一緒に歩いて帰ったり、たまには公園で雑談したり。
トウヤ「今日はいい天気だね」
スレナ「うん、本当に気持ちいいね」
スレナ「でも夏になると暑くてしんどくなっちゃうんだよね」
トウヤ「確かに・・・」
トウヤ「でも夏って楽しいこといっぱい出来ますよ!海に行ったり、プール行ったり、花火を見たり、たくさん思い出作れるんですよ!」
スレナ「あ、私って花火を見たことなかったんだけど、すごく綺麗なんだよね?」
トウヤ「そうなんですか?本当に綺麗ですよ。夏祭りとかで見る花火は特に、色とりどりの光が空に広がって、まるで」
トウヤ「夜空で光り輝く綺羅星みたいになるんですよ」
スレナ「そうなんだね。なんだかトウヤ君が言うとすごく素敵に聞こえるね」
トウヤ「そうかな?でも本当に綺麗なんだ。良かったら今度の夏祭りには一緒に行って花火見に行きませんか?」
スレナ「うん、いいね。私夏祭りも行った事が無いけどトウヤ君となら、きっとすごく素敵な思い出になると思う」
〇映画館の座席
またある日は2人で映画館に行き悲しい映画を見た、画面に映る主人公の悲しい運命に、2人とも涙を堪えることは出来なかった。
スレナ「最後・・・・・・みんな助かって良かったね」
トウヤ「ほんと最後主人公が救われてよかった」
〇ジェットコースター
また休日に2人で遊園地に行って、
苦手な絶叫系を彼女に誘われ頑張って乗ってみたり。
「キャャャャャャャ! ぎゃあぁぁぁ!!!」
〇遊園地の広場
トウヤ「スレナさんジェットコースターとか平気なんですね」
スレナ「私ジェットコースターとかの絶叫系が好きなんだぁ」
〇神社の出店
そして1ヶ月経過、今日は夏祭り
スレナ「すみませ〜んたこ焼き1つください」
「あいよ〜」
スレナ「パクッ!」
たこ焼きを口に運び、口の中に入れると熱いジューシーな味わいが広がった。
スレナ「あっつぅ〜けどおいひぃ〜」
スレナはその美味しさに目を細めながら、一口食べるたびに口の中で熱さに苦しみながらも・・・
その熱さを忘れてしまうほどの美味しさに舌鼓を打っていた。
スレナ「トウヤ君、これ食べてみて!このたこ焼き美味しいよ」
トウヤ「パクッ」
トウヤ「あ!ほんとだ、このたこ焼き美味しい!」
「そうだろう!うちのたこ焼きは世界一だからな〜!ハッハッハ」
スレナ「お祭りで食べるたこ焼きってなんか凄く美味しく感じるよ」
トウヤ「あっちの屋台も見に行きませんか」
スレナ「いいですね、行きましょう!」
〇射的コーナー
スレナ「トウヤ君トウヤ君、射的があるよやってこうよ!」
トウヤ「いいですね、やりますか!」
スレナ「射撃は任せてトウヤ君は指示役ね。やったことはないけどトウヤ君が欲しい景品を必ずGETしてみせるから!」
トウヤ「そういうのって普通俺がやるんじゃ・・・」
スレナ「いいからいいから、私に任せてよ、ね?」
トウヤ「分かりました。ならあそこのあの・・・」
トウヤ「あのキーホルダーを」
スレナ「了解です隊長!」
スレナ「おじさん3回300円で!」
「あいよ、3回300円ね〜」
トウヤ「頑張れスレナさん!」
スレナ「フフフ、一発で落としてみせるから」
トウヤ「惜しい!少し右でしたね」
スレナ「フフ・・・・・・流石に1発で当てちゃったら残りのコルクがあまっちゃうからね!今のは狙った方向にちゃんと飛ぶかの確認だよ」
トウヤ「惜しい、当たりましたけどギリギリ落ちませんでしたね」
スレナ「フ・・・・・・ギリギリ落ちないってことは次の一発で落ちるってこと、コルクを無駄にせずすんで良かった!」
トウヤ「ナイス!スレナさん」
「おっ!嬢ちゃんおめでとう、そのキーホルダーは嬢ちゃんのもんだよ!」
「そういえば君らは神社にはまだ行かないのかい?そろそろ花火が始まる頃だけど」
「そうだった!!」
トウヤ「スレナさん!早く行きましょう」
スレナ「はい!」
「おーいキーホルダー忘れとるぞー!」
「あちゃ〜行っちまったか、仕方ない取りに戻ってくるまで預かっとくとしようかねぇ」
〇花火
トウヤ「たまや〜」
トウヤ「いや〜間に合ってよかった」
スレナ「綺麗・・・・」
スレナ「トウヤ君、本当に夜空がキラキラ輝いてるね」
トウヤ「スレナさんにこの景色を見せれて良かった」
トウヤ「あ、スレナさんも一緒に掛け声やりませんか!」
スレナ「うん!」
「たまや〜!」
〇開けた交差点
スレナ「今日はありがとうトウヤ君、私・・・夏祭り凄く楽しかったよ」
トウヤ「スレナさんが喜んでくれて良かったです」
スレナ「あっ!」
スレナ「射的で落としたキーホルダー貰うの忘れてた!」
スレナ「ちょっと取りに行ってくるね」
トウヤ「あっ、俺もついて行きま────」
トウヤ「・・えっ?」
トウヤ「スレナ・・・?」
人々のパニックと救急隊員の駆けつける音が響く中、トウヤはスレナの無残な姿を目の当たりにし、彼女の名を叫びながら涙を流す。
トウヤ「スレナァァァァァ!」
〇田舎の病院の病室
医師「トウヤさん・・・」
医師「落ち着いて聞いて下さい」
医師「スレナさんの状態は極めて悪いです。骨盤骨折、頭蓋内出血、内臓損傷など、全身に深刻な損傷があります」
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フィナーレまで悪魔がこれほどまで残酷だと思わなかった自分も、完全に騙された!と苛立ちました。悪魔にはない人間本来に備わる心というもので、彼らの愛が復活することを祈りたいです。
車の事故が既に悪魔の仕業だったというオチにゾッとしました。悪魔が人間の記憶や思い出を奪いたがるということは、それだけ価値のあるものだということなんでしょうね。この二人は同じ高校だから、また何かの拍子に惹かれあって付き合って、新しい思い出を作ってほしいです。