犯罪者を絶対許さない女

深山瀬怜

さようなら、悪い人。(脚本)

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深山瀬怜

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〇電車の中
  朝の満員電車。
  そこは、残念ながら犯罪の温床と化している。
  でも大丈夫。
  もう、卑劣な犯罪者を恐れる必要はない。
男(あの子はおとなしそうだからいけそうだな・・・)
男(さりげなく後ろに移動して、と・・・)
女子高生(な、何・・・? 触られてる? で、でも勘違いかも・・・)
男(こういう子は抵抗しないから触り放題だな・・・)
男(な、何だ? 急に体が熱く・・・!)
男「う、うわぁぁあああ!」
女子高生「え、何・・・今のは・・・?」
男性客「もしかしてここにも来たのか、あれが」
男性客「ということはこの近辺から犯罪者はいなくなる・・・」
女性客「これでもう怖がらずに生活できるわ!」
女性客「ここにも『イズミ様』がようやく来てくれたのね!」
女子高生(イズミ様って・・・もしかしてあの噂の)
新島泉「大丈夫?」
女子高生「あ、はい! えっと・・・何か触られたかな、と思ったらいきなり消えちゃったんですけど・・・」
新島泉「あの人は悪いことをしたから天罰が下ったの。だからあなたは何も気にしなくていいからね」
女子高生「は、はぁ・・・そうですか」
新島泉「私が来たから、ここから半径10キロメートル内で悪いことをした人はみんな消えてしまうの」
新島泉「だからこれからは安心して生きていけるからね」
女子高生「あ、あの・・・もしかして、あなたは・・・」
新島泉「名乗るほどのものではないわ。それじゃあね」
女子高生「行っちゃった・・・」
  最近、巷では『イズミ様』という都市伝説が話題になっている。
  いわく、イズミ様が訪れた場所の周辺では、悪いことをした人間はその瞬間に跡形もなく消えてしまうのだという。
  人が瞬時に消えるなどあり得ない。
  しかし現実に、人体の消失現象が日本各地で相次いでいるのだった。
新島泉(これでこのあたりにも平和が訪れた)
新島泉(私はだれもが犯罪に怯えなくて済む世界になるまで、この力を使って悪い人を消し続ける)
新島泉(ふふ・・・刑事の仕事よりもよっぽど効率的ね)
新島泉(捜査方法が過激すぎて犯人に殺されかけた時はどうなることかと思ったけど、おかげで素晴らしい力を手に入れたわ)
新島泉(私がこの力で犯罪者を消し続けたら、だれもが安心して暮らせる世界がきっと訪れる)
  ──あなたも、そう思うわよね?
  さようなら、悪い人。

コメント

  • わぁ…やっ、やべえ…←
    めちゃくちゃ普段子供に優しかったり人助けしたりしてる人でも、横断歩道渡る時に車がいなくてちょっと信号無視とかした瞬間に消えちゃうのか…と思うと、果たして悪いとはなんなのかみたいな気になってきますね😇
    法に抵触しない範囲で犯罪を犯す世界みたいのも、それはそれで怖そう←

  • 半径10キロとは恐ろしいですね。イズミ様がちょっと移動するだけで世の中からシュシュッと人がいなくなって気がついたらイズミ様だけになっちゃったりして。

  • キャーッ
    消される❗️😱

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