バッドエンド①好き放題の代償…(脚本)
〇大広間
メルリッサ「婚約破棄、ですか・・・」
メルリッサ「私が彼女を苛め虐げていた、と?」
メルリッサ「彼女を愛しているからそんな私とは結婚できない、とー・・・」
メルリッサ「・・・分かりました」
メルリッサ「貴方が私の言い分を信じられないと仰るなら、その意思に従いましょう・・・」
メルリッサ「・・・」
メルリッサ「それでは・・・」
メルリッサ「王の命により、貴方を、廃嫡いたします!!」
メルリッサ「さらに王命により、新たな皇太子は第二皇子様がお決まりになられましたわ!」
メルリッサ「クリス様の婚約者は私の従姉妹のイレイザですから、シタガーウ家には何の問題もございませんね!」
メルリッサ「会議でも満場一致、これで政権争いも一つ減って、国が平和になりますわね!」
メルリッサ「・・・あら、何を言っているのですか?貴方は一般庶民の女性と婚約なさりたいのでしょう?」
メルリッサ「ですが、教養もマナーも家柄も無い・・・」
メルリッサ「何一つ持ち合わせていない彼女を、貴方の我儘一つで皇太子妃にはできませんのよ・・・」
メルリッサ「なら貴方が廃嫡となり、一般市民として彼女と幸せになる以外に道はないでしょう?」
メルリッサ「愛があるのだから、それくらい困難でも何でもありませんわよね?」
メルリッサ「それともまさか・・・」
メルリッサ「貴女、政治も社交界もわからぬ彼女をこの世界にぶちこむおつもりでしたの!?」
メルリッサ「それこそ愛があればって・・・」
メルリッサ「貴方は何時もそうですね、相手にばかり努力を求める・・・」
メルリッサ「貴女も!」
メルリッサ「皇子からの寵愛だけで幸せになれる程、この世界は甘くありませんよ?」
メルリッサ「貴族の学院に特別入学された平民の少女・・・貴女が、その真価を発揮してくださっていれば・・・」
メルリッサ「私も、もう少し穏便に事を運べたのですけれど・・・」
メルリッサ「貴女、何人もの殿方と深い交流を持つ以外に何をしていました?」
メルリッサ「成績は落第寸前」
メルリッサ「他の女生徒とは対立するばかりで社交性を身につけず・・・」
メルリッサ「一度だけ見せたと言う奇跡の力とやらもその後使えることもなく・・・」
メルリッサ「終いには皇子の権力を我が物顔で翳して好き放題・・・」
メルリッサ「そんな事をしていた一般庶民が、学院を卒業できると思いまして?」
メルリッサ「私はヒロイン?ハーレムエンド?」
メルリッサ「何を仰っているのか、私にはよくわかりませんが・・・」
メルリッサ「そんな事よりも、御自分の身の安全を心配した方がよろしいのではなくて?」
メルリッサ「貴女の後ろ楯だった貴族達、彼等が役に立たなかった者をどうするのか想像出来ていて?」
メルリッサ「そして、自らの肩書きと公爵家の後ろ楯を亡くした元皇子様が」
メルリッサ「その脅威から、どうやって貴女を守れると言うのかー・・・」
メルリッサ「ー・・・見物ですわね?」
私、こう見えて怒ってるんですのよー・・・?
ねぇ、皇子様?
ワンシーンで、しかもメルリッサさんしか登場しない短編、、にもかかわらず、他キャラクターや前後の展開までも見えるようでした。メルリッサさんの正論オンパレードが楽しすぎます!
プライドの高い女性のメンツを潰すとここまでこき下ろされるのか、と背筋が寒くなるセリフの羅列でした。それにしてもこの皇子と庶民の彼女、先頃アメリカで暴露本を出版して話題のあの国のあの王子と奥様を彷彿とさせますね・・・。