読切(脚本)
〇部屋のベッド
倉橋美詠子「待たせたな、プチ。 ご主人様のお帰りだぞ〜♡♡」
プチ「にゃー(おかえりニャーー)」
倉橋美詠子「今、着替えるから 待っててな〜」
プチ「ニャー(かまってほしいよ〜)」
倉橋美詠子「お待たせ。 そろそろごはんの時間だね。 美味しそうに食べる姿に癒されてるぞ」
カリカリのキャットフードを多めに盛る。
そういえば私もお腹空いてきたな
倉橋美詠子「今、ダイエット中だからこれで満足かな。 キャットフードってどんな味するんだろう。 プチくん、失礼〜」
キャットフードはなんとも言えない匂いがして私は一かじりでギブアップした
倉橋美詠子「こんなのおいしいの? プチくん?」
プチ「ニャー(美味しいに決まってるじゃないか)」
倉橋美詠子「ほれほれ、猫じゃらしだぞ〜。 遊べ遊べ〜」
プチ「ニャニャニャー(それボクの大好きなおもちゃだニャ!)」
倉橋美詠子「ふう、猫ってなんてかわいいんだろ。 店の猫も可愛いけれどやっぱりうちの猫が 1番♡」
プチ「ニャー(美詠子さんはボクを住まわせて良かったと思ってる?)」
倉橋美詠子「ちょうど明日で3歳の誕生日か。 猫用ケーキでも買ってくるかな。 我が家に来てくれて本当にありがとうね」
プチ「ニャー(ケーキ楽しみだニャー)」
倉橋美詠子「私も猫になりたいな。 どんな感じなんだろう。 プチくんの言ってることがわからないのが もどかしい」
プチ「ニャー(猫には猫の苦労があるのニャ)」
倉橋美詠子「それかプチくんが人間になってくれたらいいのに。 私のことどう思ってるか聞きたい」
プチ「ニャー(人間になれたら美詠子ちゃんの布団に忍び込むニャ)」
倉橋美詠子「なんか悪いこと考えてそうな気がしたけどな、プチくん」
プチ「ニャー(えっ、何のことかな?)」
倉橋美詠子「猫だから布団に潜り込んできてもいいけど、人間だった場合は男女だからおかしな話になっちゃうね」
プチ「ニャー(いつか人間になるニャー)」
謎の女「あなたを1日人間にしてあげましょう」
2階なのに謎の女性が部屋の窓から入ってきていきなりそう話した。
倉橋美詠子「何をする気ですか?」
プチ「美詠子さん、ボクです。 プチです」
倉橋美詠子「プチの首輪してる...... 本当に人間になったんだ」
プチ「明日の夕方までボクと色々なところ、デートしてください」
倉橋美詠子「わかった、いいよ。 プチくんとなら」
謎の女性は何も言わずに去っていった。
そして私とプチくん(人間化)は1日デートを満喫した。
夕方になる頃に変身が解けて、プチくんは猫に戻ってしまった。
寂しいようなホッとしたような複雑な気持ちになった。
飼っている犬や猫が自分の事をどのように思ってくれているのか知れたら素敵でしょうね。同じ言語を喋らないからこその魅力もありそうですが。
プチくん、かわいい。あそこは「えっ、ニャンのことかな?」って言ってほしかった。私も犬を猫かわいがりしているので、たまに「もし人間だったら」と想像したりしますが、変に気を遣っちゃいそうだから「寂しいようなホッとしたような」に共感しました。1日で十分かもですね。