陰キャの女(脚本)
〇白いアパート
佐々部さん「はい?」
佐々部さん「ぷぎゃっ!?」
神の使者「先代の神が死にまして」
神の使者「厳選なる抽選の結果」
神の使者「次の神にあなたが選ばれました」
佐々部さん「えっ・・・」
佐々部さん「わ、わし~?」
神の使者「左様」
神の使者「そこであなたには」
神の使者「新たな世界の理を定めていただきます」
佐々部さん(理(ことわり)・・・)
佐々部さん(この世界の当たり前を決めていいっていうこと!?)
佐々部さん(子どものころからずっと陰キャで 虐げられてきたけど・・・)
佐々部さん(それももう終わりね!)
佐々部さん(根暗のみんな、お待たせ!!)
佐々部さん(これからは『陰キャの時代』にしてあげる!!)
佐々部さん「『リア充爆発しろ!!』」
神の使者「りあじゅう?」
「わしみたいな引きこもりと違って」
「恋人がいたり」
「結婚して家族がいたり」
佐々部さん「友達がたくさんいる人だよ」
神の使者「ふむ・・・」
神の使者「つまり、 誰かに猛烈に必要とされている人のことですか?」
佐々部さん「うん」
佐々部さん「そういう人がいるせいで、 わしは一生陰キャのままなんだよ」
佐々部さん「陽キャなんて、この世から消しちゃって!」
神の使者「承知致しました」
神の使者「ではわたくしの側の者から 消していきましょう」
神の使者「あちらのカップルから・・・」
佐々部さん「いっけ~!」
佐々部さん「きゃあああ!?」
神の使者「・・・」
神の使者「お嬢さん?」
神の使者「おかしいですね・・・」
神の使者「失敗しましたかね」
神の使者「ん?」
神の使者「『100万部突破!いちばん使える自己紹介術』」
神の使者「『佐々部 辰子』」
神の使者「・・・」
男子「ばあちゃん眠ってるみたいだったな」
女子「シクシク・・・」
男子「泣くなって」
男子「天国でも読書して楽しんでるさ」
男子「佐々部辰子の新刊とか」
男子「タダで読めるなんて羨ましい~」
女子「お兄ちゃんたら」
神の使者「・・・・・」
神の使者「なんと・・・」
神の使者「自分が憧れの的だとは 気付かなかったのですね・・・」
神の使者「哀れな神よ・・・」
神の使者「くじ引きやり直しですね」
佐々部さんこそ我らが神、そう確信しながら読み進めていたのですが、彼女もまた必要とされる存在だったのですねw テーマが皮肉たっぷりなのに可愛く楽しく読むことができました
なんとー!!爆発してしまいましたか、、、!!
自分がそうだと気づかないっていうのは、結構世の中にはありそうですよね・・・
佐々部さん……😇
結局は陰も陽も自分の物差し次第なんですかね…若干考えさせられました😂