災いの少女(脚本)
〇大樹の下
「私はずっと一人だった 何もしてないのに、避けられる」
「もう、うんざりだった・・・」
えりか「何でみんな、私の周りに来ない?」
えりか「特に何もしてない」
???(あら?あの子ってSNSで人気のえりかちゃん?なんだか悲しそうだけど・・・)
???「あの、大丈夫?何かあるのなら、 お姉さんに相談してみない?」
えりか「えっ?」
えりか「私に、話しかけているんですか」
???「ええ、そうよ だって他にいないじゃない」
えりか「そう、ですね 私の悩み、人に近づいてもらえないことなんです」
???「そうなの? 私は普通に話しかけれたけれど・・・」
???「あ!」
えりか「どうしましたか?」
???「あなた、”災いの少女”の二つ名で ネットによくあげられてるの、知ってる?」
えりか「・・・っ!? 災い?私、そんなの自覚ないですよ、?」
???「そう、よね ”悪いことがあった時、えりかはいつもそこにいる”」
???「これがキャッチコピーなのよ 誰が広めたのか分からないけど、その少女を見つけたら写真を撮ってネットに載せる__」
???「でも、本人はそれに対して何の批判もして こないから、炎上のしようもないらしいわ」
えりか「なんで、そんなことをする人がいるんだろう」
???「さあ、ね 私にもする理由なんて分からないわ」
???「でも、本当に災いの力があなたにあるのなら 世界をも変えられる能力なんじゃない?」
えりか「っ、それは・・」
えりか(私、本当は自覚がないわけじゃない そう思いたくないから自覚がないように 演じてるだけ)
えりか(ネットにあげられてるのもよく知ってる 裏アカ使って批判もしてる)
???「ねえ、二人で世の中を変えてみない?」
えりか「え? でも、そんなことしたら お姉さんの人生もめちゃくちゃに__」
???「大丈夫よ それに、私はあなたと同い年よ? るみ、って呼んでちょうだい?」
えりか「分かった、るみ 本当は、知らないなんて嘘」
えりか「私がどんな立場にあるのかも分かってる 思いがあったらそれが叶うっていうのが 本当なら、私はその力を手に入れたい」
るみ「ええ、えりか、その通りよ 覚悟が決まったのなら、行きましょう?」
るみ「さっきは知らない、なんて言ったけど 広めた人が住んでる場所、分かったから」
えりか「私も知ってる だって、今目の前にいるんだから」
災いの少女
完。
読んでいてどんどん気になるストーリーでした。
キャラも素敵で、また読みたいなと思いました。
るみちゃん、人を噂で判断しない優しい子なのかと思いきや、恐ろしい子だったんですね。
本当に性格悪い人って何食わぬ顔で近付いてくるよねー
って改めて思いました😱
これだから安易に人は信用出来ないです。
本当の意味での「災いの少女」は、『「災いの少女」を広めた少女』=るみ、ということでしょうか。何食わぬ顔で話しかけてきたるみの魂胆はなんなのでしょう。悪意ある人間が垂れ流す情報が、真偽を確認されないまま拡散していく怖さを感じるお話でした。