読切(脚本)
〇テラス席
小島「前川、遅い! ──コスプレするにも、もっと他にあるだろう」
前川「ごめん、合コンだって忘れてたんだ。 これでもアルバイト先から急いで来たんだよ。 それより、彼女こそコスプレ?」
太田「キラちゃんが言うにはさ、”ボディースーツを脱ぐと中身が出ちゃう”って 面白い子だよな」
前川「えっ。中身って (独特な言い方だな)」
前川「あと、何で外なんだ?」
小島「しょうがねぇだろ。キラちゃんが外じゃなきゃダメだって言うんだからさ」
太田「まあいいじゃん。そんな寒くないだろ?」
千紗「こっちで勝手に決めちゃってごめんなさい。ちょっと事情があるっていうか」
玲那「外の方が安全だし、何かあったら逃げられるから」
(真顔で怖いこと言ったな!?️)
キラ「三人とも馬鹿そうだな──いや、その方が好都合か」
玲那「キラは留学生なの。ねっ」
千紗「そう。ただの合コン好きな留学生よ」
キラ「遠い星から来たんだ」
(笑っていいところか!?️)
キラ「私を笑うな。あまり私を怒らせない方が身の為だぞ」
玲那「違う違う! キラのことを笑ったわけじゃないと思うわ。だから、ゆっくり料理をテーブルに戻して・・・」
千紗「そうよ。すぐにキラが宇宙人だって信じられないだけよ。私たちもそうだったでしょ?」
キラ「そうだった。感情的になってすまん」
小島「すげえ。キラちゃんって超能力者?」
太田「宇宙人ってこんなことも出来るのか」
前川「二人ともマジで言ってんのか? 何かのトリックだろ」
キラ「見ろ! 本物のUFOだ!️ お前たちの為に呼び寄せてやったぞ」
玲那「落ち着いて! みんなに見られちゃう!️」
千紗「騒ぎになったら婚約者探しどころじゃなくなるわよ!️」
キラ「それもそうだな 度々すまん」
「婚約者!?」
玲那「キラが住んでる星は過疎化が進んでるんですって」
キラ「両親は進歩的でな、よその星から人を呼ぼうとしてるんだ」
千紗「なかなか言うことを聞く──良い人に出会わないのよね」
キラ「いや、そうでもないぞ。私はこいつに決めた!」
前川「えええ!! 俺!? 何で!? しかも花束って・・・花嫁かよ!」
キラ「お前、裏表無さそうだからな。プロポーズの時は花束を渡すってテレビで観たんだが違ったか?」
玲那「うまく押し付け───私達もお役目ごめんね」
千紗「調子乗って中身さえ見せなければ安泰なんだけど」
キラ「私は服を脱いだら凄いぞ 気絶すんなよ」
玲那「UFOも祝福してるわね」
千紗「だから気軽に呼ぶなって」
「よく分かんないけど、乾杯しようぜ!」
前川「あいつら・・・」
生贄──より良い人間をすぐさま用意して合コンをセッティングしなければ、と前川は思った
彼女の中身を見る前に
おわり
キラちゃんの中身が気になります!
あのかわいい見た目じゃないってことですよね😆
「過疎化が進んでるので他所から婿をもらいたい」ってどこの星も悩みは一緒なんだな〜。それにしてもいきなりアブダクションするのではなく合コンで相手を品定めするなんて、キラちゃんは手順を踏むタイプの宇宙人ですね。
合コンの空気感とキラちゃんの存在感、それらが融合したこのお話が面白すぎます。キラちゃんの脱いだところ、気になりますね……イロイロとw