〇歌舞伎町
心愛「ねぇ、返してよっ、おねがいっ。彼をわたしに返してっ！」
朱里「だって、心愛が私に譲るって言ったから、てっきりもう必要ないのかなって思って・・・・・・」
心愛「わたしには彼しかいないのっ。お願い、返してよぉっ！」
朱里「ごめんって。もう私の所有物になったと判断したから、捨てちゃったよ・・・・・・」
心愛「ひどいっ！　わたしに連絡なしに捨てるなんて、信じられないっ！」
朱里「だから、それについてはごめんって謝ってるでしょう？」
朱里「・・・・・・ほら、そんなに寂しいんだったら、新しいのを手に入れたらいいじゃない」
心愛「彼の代わりなんていないのよ！　それなのに朱里は簡単に捨てて、本当にひどい女っ！」
朱里「・・・・・・あんたさっきから私のこと馬鹿にしてる？　たとえ私に非があったとしても、そこまで貶される覚えはないわ」
心愛「人でなしっ！　悪魔！　鬼っ！」
朱里「は？　なにそんなに怒ってるのよ」
朱里「・・・・・・はぁ、わかったわよ。私が代わりに新しいのを見つけてきたらいいんでしょ？」
朱里「ちゃんと心愛にお似合いの見つけてくるから、それなら満足でしょ？」
心愛「イヤぁぁ、わたしは彼がいいのっ！」
朱里「もう、贅沢言わないっ！　我慢しなさいっ！」
心愛「そもそも、朱里が彼を捨てさえしなければ、こんな口論になってないんだよ」
朱里「んもうっ、それは分かったから、しつこいよっ！」
心愛「わかってない！　朱里にはわたしの気持ちが分かってない！」
朱里「どうして彼を捨てただけで、心愛にそこまで言われなきゃならないのよっ！」
朱里「心愛だって私の気持ちを分かってよ！　難しいことを問い詰められ続ける私のこの辛い気持ちをっ！」
心愛「彼を捨てた張本人がなに被害者面してるの!?　ちょっと、信じられないっ！」
朱里「・・・・・・もう、いい加減にしなさいっ！　彼のことはもうすっぱり諦める！　忘れるの！　私が新しいの用意するから！」
朱里「分かった？　いい？」
心愛「わたしには彼しかいないって言ってるでしょう！」
朱里「もう、いい加減目を覚ましなさい！　冷静になるのっ！」
心愛「・・・・・・いっ」
心愛「なにすんのよ、泥棒猫っ！」
朱里「・・・・・・たっ」
朱里「・・・・・・やったわね、このクソアマっ！」
心愛「ひどでなしっ！」
朱里「わからず屋っ！」
キーホルダー「・・・・・・ぼくはすぐそこに居るよ。いっぱい売ってるよ」